「単なる続編と思いきや」きさらぎ駅 Re: ぺーさんの映画レビュー(感想・評価)
単なる続編と思いきや
前作も劇場で観ました。
都市伝説を面白く脚色してあったので、続編公開と聞いて否応なくまた劇場へ行きました。
相変わらずテンポがいいです。
90分足らずの上映時間でしたが、それ以上の長さに感じられました!これはシーンごとに長短の絶妙なメリハリを利かせているからか?
宮崎明日香の願い通り、堤春奈を「きさらぎ駅」の異世界から現実世界に戻すだけの物語かと思ってました。
そう、最終盤までは。
なんと、宮崎が取材を受けていたテレビディレクターの角中が、戻ってきた堤の願いを受けて宮崎明日香の密着ドキュメンタリーを放送したことを契機に、我先に「きさらぎ駅」に行く人々が現れる事態が勃発。
まさかほんとに行けると思っていなかった野次馬根性丸出しの人たちが、異世界のホームに降り立って拍手喝采…。
しかし宮崎は別の意味で微笑んでいて…。
ここで、本編冒頭の取材映像が利いてくる。自分だけ時が止まったまま現実に戻ってしまった宮崎。彼女の言うことを出まかせとせせら笑うネット上の大衆。そんな不特定多数の人々に、「体験しないと信じてくれない」と不満を募らせる宮崎。
壮大な彼女の復讐でもあったんですね。もちろん、堤を助けたいという想いに嘘はなかったと思いますけど。
00年代初頭にこの都市伝説がネット上に出現した時は、掲示板の存在を知る人が限られただけにまだ温かみのある好奇な目で迎えられた(と思われる)。
でも誰でも虚実どちらでも書き込んだり見たりすることができる20年後のこの時代では、すぐに相手を貶めようとする人間がいるため無用に攻撃される(こともある)。
情報技術が発達して、醜悪な本性をいとも簡単に晒してしまう人間の愚かしさや今の社会を皮肉ったラストシーンに映りました。
この監督さん、面白いですね。
次回作があればまた観てみたいです!
気になるのは、2つ。
現実世界に戻った堤は、どう暮らしていったのか?
興味本位で異世界に行こうとする人々を見て何を思うのか?また「きさらぎ駅」に行くのか?
普通の生活をしてほしいなぁ…と願ってます。
そして、あれだけ人間が押し寄せたらどれだけの人が出口の扉まで辿り着けるのか?
辿り着けなかった人が死んで亡者になるとしたら、それこそ出口までの道のりがゾンビ映画みたいになるのでは…笑
それを見る宮崎明日香はどんな表情なのか?
想像すると面白いですね!
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