「ヴェネツィアロケが素晴らしい。絶望しないために幸福の絶頂を避けるという独特の発想が面白い。 大東俊介の必死な顔が原作風になってる!」岸辺露伴は動かない 懺悔室 ITOYAさんの映画レビュー(感想・評価)
ヴェネツィアロケが素晴らしい。絶望しないために幸福の絶頂を避けるという独特の発想が面白い。 大東俊介の必死な顔が原作風になってる!
漫画家・岸辺露伴はある大学に招待されヴェネツィアを訪問。
立ち寄った教会の懺悔室に興味を抱いた露伴がそこに入ると、彼を神父と勘違いした信者が”罪”を告白し始めた・・・。
原作未読ですがアニメ版の本エピソードは鑑賞済み。
原作通りの前半に、映画オリジナル脚本で、その後の呪いの連鎖が描かれる。
ドラマシリーズ特有のテイストを生かしたままの、全編ヴェネツィアロケが素晴らしい。
「幸せの絶頂の時、絶望を味あわせてやる」という呪いの下、次々に襲い掛かってくる幸せから、「幸せの絶頂」が来ないように、あえて不幸になるように振る舞い続ける人生を歩む親と娘の、稀有で滑稽で複雑な人生。
「幸せの絶頂」になると絶望になるから、少し不幸になるようにするという発想が、ひねくれていて面白い。
アニメ版ではクライマックスとして異様に盛り上がった「ポップコーン対決」と呪いが連鎖する恐怖と皮肉が良く描かれていましたが、本作ではそれよりも呪いを断ち切ろうとする娘と露伴、父親のそれぞれが決着してしまことで話の強度が弱くなてしまうのが残念。
アニメ版もおススメです。
日本人キャストが皆さん好演。
特に大東俊介のポップコーン対決での必死の顔、表情が、原作風でいい。
高橋一生ははまり役、飯豊まりえはもっと活躍してほしかった。
新婚夫婦共演となりますが、お似合いで本当に良かったと思う今日この頃。
二人ともスーパー戦隊・準レギュラー経験者で(高橋一生「ジュウレンジャー」敵役、飯豊まりえ「キョウリュウジャー」ヒロイン)、「ジョジョ」「岸辺」も担当した脚本の小林靖子も、戦隊数本でメイン担当だった(他にライダー数本、実写セーラームーンでもメイン)というのも、特オタとしては感慨深い・・・。