「ポリティカリー・コレクト」ズートピア2　ぱんちょさんの映画レビュー（感想・評価）

補食関係にある動物たちが共存する世界、というのはどうしても抵抗があるんだけど、食事シーンなどは丁寧にぼやかされていて、そこにさえ目を瞑ればめちゃくちゃ良く出来てる物語。
1作目のズートピア内の権力構造を暴く、ところから一歩進んでズートピアが隠蔽してきたものを暴く。それはつまりアメリカがネイティブアメリカンの人々や文化を排除してきた歴史であり、今も各地で、まさにイスラエルが排除しパレスチナの人々を民族浄化している状況でもある。
排除される側の人々を爬虫類になぞらえているのも良く出来ていて、日本でもクルドの人たちを同じように排除することでマジョリティの権力を固定させようとした差別主義者がいましたよね？
ことほどさように本作は差別の構造を見事に描いてみせてるんだが、問題はあまりにも作劇として面白すぎて提起された問題がエンタメとして消費されてしまうこと。
とはいえ、いま意味も分からずみているお子達も、コレを観ておけば大きくなった時にも排外主義に違和感持ってくれるかな。
ホントの意味でポリティカルにも正しい良い作品です。