「期待が高すぎたのと機械トラブル」ズートピア2 ひろかんさんの映画レビュー(感想・評価)
期待が高すぎたのと機械トラブル
『ズートピア2』を鑑賞してきました。
前作が素晴らしかっただけに、続編への期待は自然と高まっていたのですが、正直なところ、思い描いていたほどには作品世界に没入できなかったというのが率直な感想です。
前作『ズートピア』は、アカデミー賞長編アニメーション賞を受賞した名作で、動物たちが織りなす社会の多様性や偏見というテーマを、エンターテインメントとして見事に昇華していました。
あの感動が忘れられず、続編にも同じような体験を期待していたのかもしれません。
しかし、期待値が高すぎると、どうしても作品を冷静に見られなくなってしまうものですね。
今回の物語では、ウサギ初の警察官となったジュディと、元詐欺師から警察官に転身したキツネのニックが再びバディを組み、指名手配中のヘビ、ゲイリーの捜索を通じて、ズートピアの暗い過去に迫っていくというストーリーです。
前作で培われた二人の信頼関係がさらに試される展開は、キャラクターの成長を描く上で重要な要素だったと思います。
ただ、今回の鑑賞体験には少々不運な要素がありました。
映画館の機械トラブルがあったようで、映像が若干ボケて見えたのです。
ディズニー・アニメーションの魅力の一つは、その美しく精緻な映像表現にあります。
動物たちの毛並みの質感や、ズートピアの街並みの細部まで作り込まれた世界観を、本来の美しさで楽しめなかったことは残念でした。
もしかすると、この技術的な問題が、私の没入感を妨げた一因だったのかもしれません。
しかし、物語が進むにつれて、徐々に作品の面白さが感じられるようになってきました。
特に後半は展開が盛り上がり、ゲイリーと爬虫類たちが隠す謎が明らかになっていく過程には引き込まれました。
ズートピアの理想と現実、そして歴史的な問題を扱うストーリーは、前作同様に深いテーマ性を持っていたと思います。
そして何より、今回の鑑賞で一番笑わせてもらったのは、ナマケモノのシーンです。
前作でも大人気だったナマケモノのフラッシュが再登場するシーンは、彼らの極端にゆっくりとした動きと、それが生み出すコミカルな状況が絶妙で、映画館でも笑い声が起きていました。
こうしたユーモアのセンスは、ディズニー・アニメーションならではの魅力だと改めて感じさせられました。
日本語版声優陣も、ジュディ役の上戸彩さん、ニック役の森川智之さんをはじめ、前作から引き続き起用されており、キャラクターの一貫性が保たれていた点は評価できます。
新キャラクターのゲイリー役を演じた下野紘さんの演技も印象的でした。
振り返ってみると、今回の鑑賞体験は決して悪いものではありませんでした。
ただ、前作があまりにも素晴らしかったがゆえに、自分の中で勝手にハードルを上げすぎていたのかもしれません。
映画館のトラブルという外的要因もありましたが、それを差し引いても、後半の盛り上がりやナマケモノのシーンなど、十分に楽しめる要素はありました。
もし機会があれば、今度は映像が完璧な状態で、もう一度観てみたいと思います。
そうすれば、また違った印象を持てるかもしれません。
続編というのは常に難しいものですが、『ズートピア2』は前作のファンにとって、再び愛すべきキャラクターたちに会える貴重な機会であることは間違いありません。
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