「ポリコレに対する有効打」ズートピア2 furuさんの映画レビュー(感想・評価)
ポリコレに対する有効打
最近の古典的おとぎ話の実写化や100周年記念作品のように、「政治的正しさ」を意識しすぎた挙げ句に大失敗を繰り返してきたことを残念に思っていました。
大失敗でない作品にしても、モブキャラまで多様な人種や性別を取り入れることで、おとぎ話世界のリアリティが今ひとつ損なわれていたものでした。
反面、「ズートピア」シリーズは登場人物を全て動物にしたことで、人種や民族云々のしがらみから解放され、思い切った表現ができ、強い皮肉も利かせることができた、と言えます。
一途で猪突猛進のウサギと皮肉屋でニヒルなキツネが、警官コンビとして前作以上に大暴れする作品ですが、しっかりと現代社会の皮肉も散りばめられています。
今回は哺乳類(草食動物+肉食動物)による爬虫類への騙し討ちと弾圧がテーマとなります。実際、欧米諸国も世界各国の先住民に対して同じようなことをしていましたっけ。
一歩間違うと、ジョージ・オーウェルばりのディストピア的な物語になりかねませんが、そこは力技とハッピーエンドと大団円で押し切った感じです。
大団円と行っても、現実世界と同様にかの世界も違う者同士が融け合えるのだろうか、るつぼではなく、あちこちでバチバチし合うサラダボウルになってしまうのでは?と思わずにはいられません。
実際、ヒツジの元市長は抑圧されてきた草食動物として怨念をくすぶらせていますし、ヤマネコ一家みたいに同種同族内でもいがみ合っていますし、利害と諍いの種は尽きまじ、と感じました。
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