「前作ファンは絶対に観るべき傑作」ズートピア2 しろくまさんの映画レビュー(感想・評価)
前作ファンは絶対に観るべき傑作
IMAX吹き替え版で視聴しました。
前作の『ズートピア』のファンで、期待して観に行きましたが、期待を上回る面白さでした。
正直に言うと、日本のSNSでの宣伝がちょっと滑っているように感じていて、序盤もこの展開で大丈夫か…?と最初の方が心配でした。
最初の騒動についても、ジュディとニックが暴走して回りに被害を出し、ボゴ署長に正論で諭されるような形で、この先どうなるのかと思っていました。
が、予告編などで見慣れたシーンが終わると、途端に面白くなっていきました。
大胆な潜入捜査が始まったかと思ったら、早々に黒幕らしきヤマネコ一族に濡れ衣を着せられ、追われながらヘビの後を追うという、次々に話がテンポよく展開されていき、退屈する瞬間が最後までありませんでした。
■ 登場キャラクターの躍動感、活き活きとした動きが良い
次々に画面が切り替わる中、どのシーンでも登場するメインキャラクターも、名もない動物キャラクターも、全員活き活きとした動きをしており、映像としても密度がとても高かったように思います。
どのキャラクターも元となった動物の特徴が反映されており、ユニークに、可愛く、面白く描かれていて、一度観るだけでは楽しみ切れないと感じました。
個人的には前作からガゼルの周りにいるトラのダンサー達が、表情や動きがなんか癖になりお気に入りです。
■ 前作で登場したキャラクター達の使い方が上手
今作には新しく登場するキャラクターももちろんいますが、前作で活躍したキャラクター達も数多く登場し、そういったキャラクター達が出てくるたびに新しい一面を見ることができてとても楽しかったです。
特にナマケモノのフラッシュが出てきて、ニックが「フラッシュ!フラッシュ!ダッシュで行こうぜ!」のセリフを言ってからのシーンはとてもシビれました。
■ ジュディの人望
今作は前作のラストからあまり日が経っていないくらいの時期の話ですが、前作の市長の件を解決した報道が浸透しており、ジュディは有名人(有名兎?)でズートピアの人々からの人望が厚い様子が描かれていました。
メチャクチャやっているように見えていても、そういった人望から要所で助けられつつ、物語が進んでいくのはとても暑い展開でした。
■ ジュディとニックの関係
序盤から二人の関係がどこかぎこちなかったり、すれ違いがある様子が描かれていましたが、その理由が後半に明かされることになり、なんかもう…こういう展開が好きです。
普段は飄々としていて軽口を叩くニックですが、本当に言いたいことはうまく言えない口下手さがあるというギャップが良いですね。最後の方のシーンでは言いたいことが全然まとまってなくて、そういう口下手なところが垣間見えるのがとても素晴らしいです。
ジュディはそういったことが無いように見えて、実はやはりウサギの警官という立場からくる世間の目を気にしており、強くあらないといけないというプレッシャーから正直なことを言えなくなっているというのも、ジュディの性格というところが見えて良かったです。
物語を通して二人が本音を言い合えるようになってからは、明らかに必要以上にセリフが多くなっていましたが、今まで言えなかったことをどんどん話そうとしている二人の関係が見えて、もうずっと一緒にいろと思わざるを得ませんでした。
■ パウバート君の思い
最初にゲイリーと相棒として行動していたパウバート君ですが、彼もまたいい味を出すキャラクターだと思いました。
ゲイリーと行動するようになった理由を聞いて、これ絶対ゲイリーを利用して悪いことしようとしているだろと思いましたが、実際そうで、彼もヤマネコの一族なんだなと思いました。
彼は彼で家族から愛されたくて行動しており、「違うのは嫌なんだ」というセリフから、彼も必死に行動していたんだろうなと感じました。
実際、一族共々刑務所に入った後、どこかうれしそうなパウバート君を見て、計画は失敗したけど、ある意味「一緒」になることができて、本当に欲しかったものは得られたのではないかと思います(そうあってほしい)。
他人を傷つけるということはしてはダメですが、なんだか憎むに憎めない良いキャラだと思いました。
長々と書いてしまいましたが、総合してこの作品はとても面白く、素晴らしい作品だと感じました。
ただ、感想を書いていて思いましたが、メインとして出ているはずのゲイリー君があまり印象に残っていなかったのが、自分の中で心残りです。
時間があれば、今度は字幕版でまた観に行きつつ、ゲイリー君の活躍などにも注目してみたいと思います。
あと、最後のあれ、絶対3作ってますよね?
次の舞台は空かな?楽しみにしてます。
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