劇場公開日 2025年12月5日

「巳は破壊と再生の象徴。」ズートピア2 ぱいらさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0 巳は破壊と再生の象徴。

2025年12月5日
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鑑賞方法:映画館

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本作という続編を待っていた人は私だけではないだろう。
前作の、世界観、キャラクター、脚本、音楽、映像、プロモーション、その他全ての、映画としての圧倒的完成度の高さに惚れ惚れしたのは記憶に新しい、、、と思いきやあれからほぼ10年経っていた。それくらい脳にこの作品が焼き付いていた。
ディズニーという会社は続編を早く決める割に他の作品の出来栄え次第でその作品の制作スケジュールを大きく変える傾向があり、本作も本格的にプロモーションが始まるまで続編自体に期待はしていなかった。が、信じてはいた。数字もあるし、人気もあるし、作品の不祥事もない。

だが、その間ディズニーは買収したてのMARVELで当てるなり、実写に力を入れるなりして、肝心のアニメーション部門はそんなに力を入れていないように見えた。正直PIXAR作品の方がディズニースタジオ制作担ってる感じすら受け取れていた。それに加え、20世紀FOXスタジオの買収に、独自サブスク。劇場でのディズニー作品体験は一昔前と比べて非常に大人しくなってしまった。マジでモアナ位しか覚えてない。他の作品もそのモアナの作風に囚われまくるし。ハリウッド全体を巻き込んだAI騒動もあった。

そして最近のディズニーさんはとんでもなく不調。白雪姫はじめ、ファンタスティック・フォーなどのMARVEL関連、スターウォーズ関連も同じく、お陰で他の作品も割食ってるくらいには厄に塗れた1年を送っていた。正直、プロモーションが始まった今作もそのせいで期待できなかった。まぁジュディ可愛いから見に行ったんですけどね。

動機は本当にジュディが可愛い、という推し活目的だったのだが感想としてはそれ以上のものが得られたということは私がこの作品に捧げた星の数を見れば言うまでもない。
この作品、続編としても完璧過ぎた。ディズニーの2は大体地雷なのだが、こいつは例外。前作を忘れかけている人もすんなり導入出来るようになっている。お馴染みのキャラは勿論、新キャラも前作の雰囲気を壊すことなくズートピアに存在している。我が推しジュディの可愛さもそのまま。可愛い。最早萌えキャラ。
特にゲイリー。適応動物である爬虫類の彼も哺乳類ランドにちゃんと適応して、ジュディたちとちゃんと活躍している。キャラ薄そうに見えてちゃんと濃い。カートゥーンのヘビらしいギミックも備えたズートピアらしいキャラに仕上がっていた。
ただMVPをあげるなら間違いなくニックだろう。彼はこのズートピア2を通して一番成長して一皮剥けたキャラになった。爬虫類じゃないのに1番脱皮したよ。それも彼らしさを損なうことなく。あまり言うとネタバレになってしまうのでこれ以上は控えるが、ニックが好きな人は絶対に見に行った方がいい。
前作に比べ音楽のプロモーションは控えめだったものの、これもまた良かった。もうちょい音楽で推せよとも思った。配給ロゴから気合い入ってた。これなら爆音上映やってもいいレベル。

脚本及び作品のスピード感は前作同様で尺に対してかなり詰め込まれている。描写等は子供向けでありながら古風なカートゥーンギミック満載。1カットに対する情報は多い。映画鑑賞の際に背景の注視を中心にされる方は目が疲れるかもしれない。静かに見れる映画ではない。
言葉での説明もディズニーらしくアニメーションのカットがちゃんと入る為、正直半分寝てても理解は可能。他の作品に対する理解があればニヤニヤする所も。
またセリフの一つ一つに他のアニメには見られない毒っ気とやや子供向けから離れたユーモアに富んでたりもするのでここもまたお楽しみ要素と言った所か。

108分と尺も子供向けで多くのお子さん、ファン、初見の方が訪れる事だろうが、大半の人はこの作品を生涯の記憶の脳裏のどっかに焼くんじゃないかってくらいに仕上がってる本作。
ヘビがメインキャラの本作を巳年の締めに、ディズニー復活の象徴として公開された事を私は嬉しく思うし、シリーズの存続と繁栄を心より願っている。

ぱいら
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