「家族を、全てを超えていけ!!!!!」プレデター バッドランド ぱいらさんの映画レビュー(感想・評価)
家族を、全てを超えていけ!!!!!
プレデターと聞いてSFホラー映画をジャンルとして連想するのは私だけではないだろう。大体映倫ではR-15とかPG12とかそれくらいのレーティングでやってるややスプラッター寄りの映画という印象を抱いていた。
しかしながら、本作はG。全年齢対象。
な、何が起きているんだ…と、映倫の制限指定の発表を見て思った。
そして肝心の封切り後だ。なんとそれなりに好評を得ているではないか。それもシリーズ未視聴の方から。
という感じで私も注目はしていた。だが、中々この映画とスケジュールが合わず、鑑賞に行けずにいた。
そしてこの映画は20世紀フォックス…という名のディズニー映画。昨今の後ろに大作が控えている場合、繋ぎの役割として存在している映画は直ぐに終映してしまう傾向にある。そしてこの映画も例外ではない。後ろに控えているのはズートピアとアバター。こいつらはどう見ても超大作である。
この映画の終映が近い事を察した私は無理矢理時間を作りこの映画を鑑賞することに決めた。
蓋を開けたらなんだこれは、、、ホラー要素が全くないではないか。強いていえばプレデターらしいデザインだけが取り残されたアクション映画。それもかなり王道である。
話は、大筋だけ見ればスターウォーズ旧三部作焼き直しなのだが、プレデターでこれをやるとなると大分印象が違う。
まず世界観。宇宙版マッドマックスと呼称すればいいのか、超高難易度版トリコと呼称すればいいのか分からないがとにかく理性らしい理性が感じられない暴力に溢れた生命たちの楽園。触ると爆発するし傷は付くし食べられるし、、、みたいな植物ばっかり。そこにプレデターのデクくんが放り込まれる訳だが、とにかく作り込みが凄まじい。今までで有りそうで無かったような生き物達がちゃんとそこで生きている。生きるための狩りをして生活している。そう、これはプレデター。日本語で言うと捕食者。世界観からプレデターなのだ。
それも異質感は全く感じられない。マジでそんな嫌な世界あるんやな、、、みたいな説得力あるレベルで映像やデザインがちゃんとしてる。さすがディズニー。この世界観でゲーム出たらいいなぁと考えちゃうレベル。
そしてキャラクター。今作に人間はいない。のにキャラは立っててかけ合いも楽しい。(ほぼ宇宙語だけど)。人間がいないからやりたい放題してた。人間っぽいのは全部アンドロイドである。
これを逆手に取ったのか、今作は昨今のジェンダー論に反旗を翻すかの如く、痒いところに手の届く昭和的な価値観や表現にまみれていた。
アンドロイドとはいえ、女性に道具だのなんだの言うのは流石に燃えるやろ…燃えない。間柄でいえば宇宙人とアンドロイド。登場人物は人間じゃない。主人公なんか異形も異形だからどんな言葉発せられても、こいつの文化圏だとこういうもんなんだなぁ、という説得感が生まれる。
ここになんかディズニーも苦しんでたんだなぁってのを染み染み感じた。
そしてストーリー。理性があまりにも無いのに、笑いややあり、涙あり、成長ありの熱血バトルストーリー。最早少年漫画である。マトリックスやスターウォーズなんかでも用いられているキリスト教チックな筋道の脚本。熱くなれる。
しかもバトルシーンもかなり凝ってる。画的にも派手でギミック盛もりでかっこいいし、音響もいい。それぞれの戦いにおける伏線なんかもちゃんとある。抜かり無さすぎる。
そしてこの密度で107分という短さ。尺に対する満足感が凄まじい。単純に映画としての出来がいい。今年のディズニーの不調は何だったんだというレベルで纏まってて素晴らしい映画体験をさせてもらった。
続編を匂わせる終わらせ方も個人的にはGOOD。絶対に見に行きたいと思えるし、何より宣伝頑張ったら看板も背負えるんじゃない?ってレベルの出来。マジで待ってます。
と、総括するがまぁ旧作ファンからすると複雑になるのも分からなくもない。別モノ過ぎる。
とはいえ映画としての出来は凄まじいものを感じたので評価はします。
続き待ってます。
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