「非力なプレデターを屈強な存在に変えた原動力とは」プレデター バッドランド シンプルさんの映画レビュー(感想・評価)
非力なプレデターを屈強な存在に変えた原動力とは
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それは復讐心に他ならない。
自身を無能扱いされその場で処刑宣告された挙句、その処刑指示に背いた敬愛する兄を無残に殺された、憎き父への復讐を果たすため。
父への憎悪がどれほどのものであったか。その様子はデクが無事に母星への帰還を果たす最後のシークエンスに、全て克明に描写されている事を見逃したくない。
身体を切断されたアンドロイドの相棒ティアの様子がすっかり綺麗に蘇っている事や、最強の捕食者カリスクの子がデクやティアよりはるかに巨大に成長した姿で現れる事、更には不時着で大きな損傷を負ったであろう宇宙船が、何事もなかったように修復されている様子から、
デクはおそらくウェイランドユタニとの戦闘で勝利を収めた後も、あの狂暴な惑星ゲンナに自らの意思で残り続け、過酷な環境の中で自らの戦闘力を高めるためにひたすら修行を、少なくとも1ヶ月近くあの地獄のような惑星で鍛錬していたであろう事が、以上の理由から豊かに想像できるのだ。
ではなぜそうまでして彼は強くなろうとするのか。それは他でもない、全て憎き父への復讐を果たすためである。
かくして母星に持ち帰った獲物の頭蓋骨(トロフィー)が、アンドロイドの頭部という何とも陳腐な土産であるのも、もはや父に対する明らかな下剋上であると捉えられ、自らの存在意義と亡き兄の無念の想いを果たすべく、帰還したデクは迷う事なく父へ立ち向かい死の屈辱を与えたのだ。
デクを強くした力、それは間違いなく彼の胸の中に決して消える事のない復讐心であった。
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