「落ちこぼれと猿と訳ありアンドロイドによる新しいチームの誕生譚」プレデター バッドランド Dr.Hawkさんの映画レビュー(感想・評価)
落ちこぼれと猿と訳ありアンドロイドによる新しいチームの誕生譚
2025.11.7 字幕 イオンシネマ京都桂川
2025年のアメリカ映画(107分、PG12)
『プレデター』&『エイリアン』シリーズの新章第一弾
最弱の捕獲者が一族に認められるために奮闘する様子を描いたSFファンタジーアクション
監督はダン・トラクテンバーグ
脚本はパトリック・アリソン&ダン・トラクテンバーグ
物語の舞台は、戦闘民族ヤウージャ族の母星
一族の戦闘員として修行をしている若きデク(ディミトリウス・シュスター=コロアマンタンギ)は、兄クウェイ(マイケル・ホーミック)との戦闘試験を行なっていたが、あえなく敗北してしまう
彼らの父ニョフル(ディミトリウス・シュスター=コロアマンタンギ)は、弱いデクを不要と判断し、クウェイに殺すように命じた
デクは惑星ゲンナにいる一族の宿敵カリスクを捕獲して献上すると懇願するものの、父は聞く耳を持たなかった
殺されそうになるデクだったが、クウェイは父に逆らって彼をゲンナ星に逃し、その裏切り行為によって父に殺されてしまう
失意の中、ゲンナに到着したデクは、大自然の中に生息するカリスクを探す旅を始める
だが、森の中にも草原にも危険な生物はたくさんいて、少し進むだけでも命の危険があった
そんな折、デクを見ていたアンドロイドのティア(エル・ファニング)は、役に立つからと言って、自分をとある場所に連れていくように告げた
ティアはカリスクの襲撃から生き延びたアンドロイドだったが、その際に下半身を失っていた
ベースに戻れば下半身を見つけることができ、普通に動けるようになって、本来の任務を果たすことができる
デクは半ば面倒だと思いながら、ゲンナについて詳しいティアを「道具」として連れていくことになったのである
物語は、これまでのシリーズを踏襲しつつ、それを知らなくても大丈夫なように作られていた
おそらく観てきたと思うが記憶が定かではないというシリーズで、『AVP』も記憶の片隅に残っている感じだった
それでも物語の進行を理解するのに支障はなく、戦闘民族の落ちこぼれが奮起するということさえ理解できればOKだろう
映画では、「マザー(母)に逆らうティナ」「母(カリスク)を失うバド」「母上様に怯えるデク」という感じに結ばれいく
兄を失ったデクと、姉的存在のテッサ(エル・ファニング)と対峙することになるティアが描かれ、擬似的な家族を構成する上では、一族の掟に背かねばならないという命題がある、というように描かれている
とは言え、そこまで深く考える映画でもなく、自分を守った兄を殺した父を倒すという物語となっていて、その資格を得るためにカリスクを倒すというマインドになっていく
そして、同じ目的を持つティアと共闘することになり、真の敵でもあるテッサと対峙するという帰結へと向かうのである
わかりやすいジャンプ的なノリで、様々なアクションが展開されていく作品で、これぐらい捻りのない方が見やすい
昨今では敵にも物語があるという感じに細分化されてしまうのだが、そう言ったことを突き詰めて「正義とは何か」みたいな高尚に見えるテーマを引用するよりはマシのように思える
ティアは感受性を持ち合わせていて、それがアンドロイドとして必要な能力かはわからないが、理解をするためには必要であるという
デクもその感受性にふれる中で惑星を理解し、バドとの絆を深めていくのだが、ある意味、弟ができたという感じなのだろう
ティアはバディというよりは姉的な存在であると思うが、そういった三人が絆を深めて、ラスボスを倒すというのはわかりやすい構造になっていると感じた
いずれにせよ、ほとんど復習の必要ない作品で、戦闘民族の落ちこぼれが奮起するということがわかればOKだろう
冒頭でデクの物語上の状況がサラッと示され、そこからわかりやすく展開していくので、落第者を産まないシナリオとなっていた
過去作を見ていて有利なのは、プレデターが使うガジェットとか武器の効能を事前に知っておけるというくらいで、その知識がなくてもある程度説明されているので問題ないと思う
そう言った意味において、本作は新章の入り口としては合格点だったのではないか、と思った
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