「完全なるファンムービーで、共感性羞恥が満載の喜劇、さらに「おまけ」までついているぞ」裏社員。 スパイやらせてもろてます Dr.Hawkさんの映画レビュー(感想・評価)
完全なるファンムービーで、共感性羞恥が満載の喜劇、さらに「おまけ」までついているぞ
2025.5.5 イオンシネマ京都桂川
2025年の日本映画(108分、G)
寂れた商店街の地上げ騒動を巡る裏社員の暗躍を描いたアクションコメディ
監督は瑠東東一郎
脚本は我人祥太&モラル
物語の舞台は、大阪の下町にある西民商店街
阿川建設の社長・小百合(藤原紀香)は、ある物件の建設計画に便乗するために、西民商店街の地上げを薦めようと考えていた
その場所は商店街の会長・兵藤(竹中直人)がほとんど所有していたが、彼は表舞台には現れなかった
そこで小百合は、裏社員として雇っている宴(桐山照史)、宝田(神山智洋)、詳敷(濱田崇裕)を商店街に潜入させることにした
宴は他人とつるむことを嫌がったが、今回の任務は単独で行えるものではなかったのである
映画は、彼らが商店街に飲食店を新規出店するという体で潜り込むことになるのだが、そこには彼らにいちいち絡んでくる屋台のたこ焼き屋がいたり、青年会の会長・陽一郎(重岡大毅)も疑り深い人物だった
そして、たこ焼き屋のジン(中間淳太)とチャラ(藤井流星)は、同じ目的を持った川端建設の裏社員だと発覚する
彼らは商店街に取り入ることを目的としていて、一時休戦して、地元民に認められてもらうように共闘し始める
だが、その様子を裏切りと感じた小百合は、新たな裏社員を送り込むことになったのである
物語としては下町人情系のような感じで、いわゆる「異世界系」に近い構成になっている
商店街が抱える問題であるとか、陽一郎と幼馴染のマコト(小瀧望)、サクラ(恒松祐里)の三角関係などもあり、さらに陽一郎の政略結婚問題なども浮上する
宴たちの出現によって、それらは色濃く表に出ることになり、彼らが主催する商店街のお祭りによって、それらの解決がなされる様子が描かれていく
そして、人間関係の整理が落ち着き始めたところで、彼らの正体がバレるという王道展開を迎えていくのである
基本的に関西の一歩間違うと放送事故というノリツッコミ系の映画なのだが、思ったよりも寒い内容になっている
コメディ要素はかなり滑っているのだが、基本的に放置されるので笑いには繋がらない
おそらくはわざとやっている感じで、やってもうた感を共感させる感じになっていた
なので、共感性羞恥がものすごいことになっているので、恥ずかしがって困っている演者を温かく見守りたいとか、抱きしめたいみたいな感覚を持てるファン向けの映画になっていたと思った
いずれにせよ、脇を固めるキャラに大御所を起用し、謎の裏社員に剛力彩芽を配していたのは驚いた
音楽番組の放送事故ネタとCMくらいしか知らなかったので、意外と悪役イケるし動けるやんと思ってしまった
今後もこの路線なら面白いと思うし、もっとダークな役も合っているように感じた
映画としてはテレビ映画の延長線上だと思うし、ファン以外の人が見るのはキツイと思うので、興行収入はさすがに厳しいだろう
それでも果敢に突入する御仁なら、映画館が明るくなるまでは座席を立たないことをお伝えしておきたい(遅いか)
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