劇場公開日 2025年2月14日

「嘘が混じっている方が真実味を帯びる」コメント部隊 kenshuchuさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0嘘が混じっている方が真実味を帯びる

2025年2月15日
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鑑賞方法:映画館

韓国で行われるデモといえば火炎瓶。そしてそれを制圧するための放水と催涙ガスというイメージだった。ところが民主化以降はアピールのために強行的な弾圧はしない政権が増えていき、デモも平和的になっていった。その象徴がろうそくデモ。なんと非暴力的!でもこのろうそくデモで230万人が集まるのだから韓国はすごい。このろうそくデモは、ネットで情報拡散したことも特徴的だ。何かの主義主張のある団体で集まったわけではない(らしい)。
このろうそくデモを誰が始めたのか?という問いから始まる本作。巨大財閥グループ(日本でも有名なあの企業であろうことは推測がつく)を相手に戦う記者と、世論を操る仕事を受けていた集団の話だ。ネットでバズることが大きな広告効果や世論形成が期待できることは最早常識だが、それを先駆けて行っていた奴らを描いたことになる。これ、フィクションなんだろうけど、かなりの部分事実も含まれているんじゃないかと感じてしまう。「嘘が混じっている方が真実味を帯びる」とはうまい言いようだ。
後半のプチどんでん返しは若干わかりづらいし、スクリーンに映し出される文字が多めで内容がスッと入ってこない。だから理解度は低めになってしまうが、それでも面白かった。最後は、これで終わり?とも思ったが、ある程度は仕方ない。本当に訴訟沙汰になりかねないから(と、あくまで事実が含まれている前提で考える)。

kenshuchu