果てしなきスカーレットのレビュー・感想・評価
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これは⋯⋯⋯
映画では声優(芦田愛菜さん)、絵、音楽は素晴らしい出来だと思います。
でも、説明不足なのか良く分からない世界が広がっています。
誰!?とか竜の存在とか、ほか多数あります。
内容の感想を言えば、「愛」ですね。
親子愛
恨んでたけど殺さない愛
友達愛
言葉への愛
恋人愛
そして人への愛
最後、私はめっちゃ泣きました。
終っても涙が止まらず、ずっと席にいました。
掃除する店員さんから「大丈夫ですか?」と言われるという情けなさ( ꒦ິ꒳꒦ີ)
これは自分の経験からの涙です。
いつも私は泣きじゃくりですが、これは映画に感動したのか分かりませんが、声が出るほど大泣きです。
1回は見るべきです。
クドイ、クサイ、キッッッツイ
IMAXで鑑賞。
細田守監督作品に関して未視聴なのは、
「ゲゲゲの鬼太郎幽霊電車3D」
「デジモングランプリ」
「ワンピースオマツリ男爵と秘密の島」
「竜とそばかすの姫」
かな?「未来のミライ」が本当につまらなかったのですが、
今回「細田守史上最低作品」との事で野次馬根性で観に行きました。
結論からいうと本当につまらなかったです。
一言で言えばタイトルの通り、
「クドイ、クサイ、キッッッツイ」
の三拍子です。
まずキャラクターの喋るセリフがクドイ上に浅いです。
どいつもこいつも物語に含まれる「メッセージっぽいなにか」を喋るとほぼほぼ棒立ちだし絵に動きがないんですよね。
あったとしても「そんな取っ組み合いしたり戦闘してる最中に長々喋るかい!」とツッコミたくなるほど「絵」と「セリフ」が致命的に噛み合わないので、
キャラクターに全然感情移入できません。
で、その最たるキャラが主演であるスカーレットと聖の二人。
スカーレットはやたらベラベラ喋るわりに感情は無表情か泣き叫ぶかのどっちかなので観てて飽きます。
また話す事も非常に浅いし「もうちょっと言葉遣いを昔"風"で良いから彼女の時代を反映したものにしてくれよ!」と思う程実在感に乏しいです。
あと長ゼリフもちょいちょい多いのですが芦田愛菜さんは実写の俳優さんで本職の声優さんではないので滑舌やイントネーション、感情の乗せ方に難ありだと思いました。
やるならちゃんと演技指導させてほしいですね。
というか彼女のシーンに限らず登場人物が「メッセージっぽい何か」を喋る時に限って演出が全く効いてないんですよね。
これは脚本云々じゃなくて演出家としての監督の力量不足でしょ。
聖に至っては「現代人」とは言いたくないです。
「自分がここに来る直前の記憶を忘れてる現代人」だからってもう少しこの場の状況やこの世界の住人の価値観を鑑みて行動するはずです。
彼が序盤から終盤の手前くらいまでやってるのは「自分の考えを他人に押し付けてる」だけです。
そのくせスカーレットやこの世界の人達に影響されたようにも、記憶を取り戻して何かを決意したようにも見えないのに、
急に終盤になって普通に敵を◯しに行くのですげー唐突に価値観が変わったように見えます。
そのシーンも後ろから婆さんに話しかけられて記憶取り戻した……から何?
思い出した記憶も自分の価値観や命のやり取りに対して何も影響を与えたように見えないし。
いくらなんでも現代人バカにしてませんかね?
で、今まで話してきたのは「クドイ」と「クサイ」の部分。
「キッッッツイ」のが皆さんも指摘している中盤のミュージカルシーン。
まず導入からしてスカーレットが別世界のifの自分に思いを馳せる際にワープするようなシーンが挟み込まれて「はぁぁぁぁ……!!」が4回繰り返されるのですがここもクドイ…というのはこの際置いておきましょう。
で、現代じゃなくて「完成した(現実だと2034年度中完成予定とされている)渋谷駅周辺」を映すのですが、
ここにはまず看板もなければ車も通ってないし、車道や歩道、階段や陸橋とあらゆる所に「髪と肌と着てる服の色が違うだけの単一的なキャラ」が敷き詰められて踊っている恐怖映像が流されます。とても生きてるキャラに見えません。
加えてやたら建物や道路が白みがかっていてチカチカするようなCGなので「ここが数年後の渋谷駅」としてとても想像しにくいです。
そんな中で特に印象的な歌詞でもない細田守さんご自身で手がけられた曲に合わせてスカーレットと聖が踊るシーンに至るまで、
「意味も感じなければ彼女の価値観や心情に本当に影響を与えたように感じられない」
ので観てて退屈だしなんならサブイボが出てくるかと思いました。
他にも「虚無化したはずのスカーレットの父はあそこで何で出てきたの?しかも話す事もやっぱり浅いし…」とか、
「なんでクローディアス王はあそこで王妃を待ってたの?で、なんで『最果ての地』に結局向かったの?」とか、
「あの老婆と墓掘り人はなんだったの?」とか、
細部に至るまで非常に飲み込みづらいシーンばっかで飽き飽きしてくるんですよね。
全然物語を楽しめないし「楽しませよう」って意図が感じられませんでした。
全くオススメできません。
これ見るなら他の映画見に行きましょう。
この映画を観るものは一切の希望を捨てよ
ダンテの神曲にちなんだ地獄の門が出てくるのですが、まさに同じ文言を劇中で聖兄さんが呟きます。
映像はハイクオリティだし、瞳の動きも再現していて、そこは圧倒されるのですが、いかんせん脚本が良くない。
メッセージ性を前面に押し出したようことを細田守監督は言っていたが、全然伝わらない。
熱量が低い。
「竜とそばかすの姫」の方がよっぽどメッセージ性が強かった。
残念でならない。
色々言いたいことはありますが、以下まとめてみました。
①2時間かけた芦田愛菜PV
②聖兄さんがイケメンすぎる
③大砲の上に乗ったやつ、なんで座ったん?
④フラいらないだろ(無駄な時間①)
⑤未来の2人いらないだろ(無駄な時間②)
⑥メッセージ性が弱い
⑦所詮はセカイ系になりそこねたなれの果て
以下、順に詳細をお伝えします。
①あの目の下にクマがありながらも子役として頑張っていた芦田愛菜ちゃんが、才色兼備になり、声優として上手いだけでなく歌まで上手いという、まさに芦田愛菜PVを約2時間かけて観てました。
芦田愛菜ファンにはたまらないと思います。
ここまで才能溢れる傑物もなかなかいないと思います。
日本が誇れる人物と言っても過言ではないです。
②聖兄さんは最初から最後までイケメンすぎました。
これはヤバい、ときめいちゃうよ!
③これ、マジで必要あんの?
あいつ何で座ったの?
大砲逆向きだけどそのまま引っ張ってもらおうとしたんか?
謎。。。
④無駄な時間以外の何物でもない。
その時間を他のことに費やせと言いたい。
⑤省略
⑥この映画の肝の部分のはずが、メッセージ性が弱すぎるせいでクソ映画となっている。
何を伝えたいのか一貫とすべきだし、すべからく赦しの心を持てと言いたいのだろうが、キリスト教的な教えを我ら観客に伝えたいんですか?
押し付けたいんですか?
観客が自身に照らし合わせて検討する余地を与えないと、この映画を観たところで何も得られないんですよ。
それができていない駄作!
以上!
⑦所詮はセカイ系になり損ねた何かという印象。そんなものは幾原監督に任せておけば良い。
それよりも細田監督の映画からはこれまでにたくさんの得られるものがありました。
世間では駄作扱いされている「竜とそばかすの姫」でさえ、
私には得られるものがありました。
しかし今作は残念ながらその体験がなかった。
ただただ、それが残念でなりません。
違和感がいっぱい
アニメ美術・アニメ技法の新しい世界なんだけど。。。
映像美は日本のアニメーションの新しい扉を開いた。背景、キャラクター表現、どれもハイレベルである。
「声優を使わない」ジブリが批判されるが、この作品では芦田愛菜さんが素晴らしい声優を務めていた。感情を爆発させるようなシーンが多いが「いわゆる」アニメ声優ではあの表現にはなかなかならないと思う。
しかし、物語の筋書き、設定、セリフ、どれをとっても「そりゃないぜ」感満載。せっかくの声優と、表現技法を台無しにしてしまう(それ全部セリフで説明しちゃうの?)シーンの数々。。。シナリオ学校の生徒でもやらないレベル、っていうか赤点だな。
もったいない。
ところで、未だに「これを楽しめないのは教養が無いから」という見当外れなタイトルで論評している人がいるのがびっくり。
ハムレットを下敷きにしてるなら、なおさらクズ脚本ということがわからないのか?ていうか、シェイクスピアやダンテを題材にしてる作品なんて、履いて捨てるほど世の中に山ほどある。
この作品が酷評されているのは、シェイクスピアやダンテから着想を、得ているのかもしれんが「浅くてズレている」から。
期待度◎鑑賞後の満足度◎ 令和版『時をかける少女』ってか。細田守作品で初めて涙が…21世紀の世界へ向けての細田監督の新たなメッセージ。
①生・死・虚無・時間・過去・現在・未来・愛・怒り・憎しみ・復讐・赦し・無私・利己・利他・欲望・願望・無限・永遠・争い・平和・言葉・踊り・歌・音楽・奉仕・内省・連帯・希望・絶望etc.etc...まあこれだけのことをぶちこんでいるので姦しくもありわざとらしい点もあるが、目眩くアニメならではの映像表現を通して語られる根源的な生死/人間/人生の意味を問う物語に思わず涙してしまった。
②ただ、善悪は問われていない。クローディアスは最後まで己の事しか考えないどこまでも自己チューな人間として描かれているし、ガートルードも最後まで改心しない。彼らを「悪」と云えば「悪」なのだろうけど、「悪」ゆえに滅びるわけではない。
③死者の国(黄泉の国?)で虚無にまだなっていない人々が渇仰する「見果てぬ世界」、それは『永遠』のことか、『不死』のことか。
死んだ後ですらそれらを求める姿には、オババ(白石加代子だ!が言う通り"人間とはいやはや如何なる存在か"。
④利己的な者達に雷を落とす龍は神の使いなのか。しかし、噴火と共に飛び散る火山岩は誰の上にも平等に(?)降り注ぐ。
神の存在は劇中では殆んど触れられてはいないが、「聖」こそがこの世界の“神”に当たるのかも知れない(「聖」という名前からの単なる連想です。)
⑤少女(とは言えぬ年みたいだけど)の成長物語か、王女が昏睡していた間に見た夢なのか。
目覚めた王女の手に死者の国で聖に手当てしてもらった包帯がそのままになっているところは、『千と千尋の神隠し』のラストの千尋の髪留めを思い出させる。
私達の世界で現在進行中の、ガザとウクライナでの紛争・戦争で、アフリカでの飢餓で、中近東での難民等で失われていく子供達の命。それを彷彿とさせる一幕をはじめ、様々なメッセージが散漫ではないが時空を縦横無尽に往き来する世界の中に散りばめられていることでとりとめの無い印象を受ける観客もいるかもしれない。
しかし、私は押田守が想像し構築した世界の中であちこちからそういうメッセージが読み取れるこの映画の豊潤さが決してキライではない。
なんか説教くさかったかなー。
クレヨンしんちゃんかドラえもんだったら…と思う作品
開始30分で「あ、これは普通に受けとっちゃダメなやつだ」と気づいたので落ち着きを取り戻す。
最初は、
・唐突な場面の繋がり
・カットが切り替わると突然出現する登場人物(ゼルダの魔物か)
・心情描写がほとんどなく人物背景も説明されない
・今時ありえないデウス・エクス・マキナ的技法
・本来観客に考えさせるべきテーマを全部謎の老婆が説明しちゃう(いわゆるギリシャ劇でいうChorus)
とかで「???」ってなるんだけど、だんだんこっちが作品に寄り添ってきて、最後の仇敵の最期には「そうなるよね!」って笑う余裕すらできた。声出しOKの上映だったら人物の行動にみんなで突っ込んだりできて、すごく楽しそうだ。
✴︎✴︎✴︎
「死後にさらなる“死”(虚無)がある世界で、死してなお“死にたくない”と思ってしまう人間の性」っていうのは興味深いテーマ。
でも、そこに「殺し合いをやめない人間の本質」を混ぜつつ、「ハムレット」をモチーフにした転生ものっぽい110分として描き切るのは、流石にハードルが高いのかもしれない。
「伝えたいテーマが溢れちゃって、観客を無視して作家主義に陥る」ことってあるんだろうけど、これをやるならオリジナルでなくて、押井守監督スタイルで他人のプラットフォームを借りた方が良かったようにも思える。
この作品が「クレヨンしんちゃん ヨミの国の大冒険」とか「ドラえもん のび太とハムレット」とかだったら実は感動作だったかも。
※※※
でも、なんか観終わった後に腹が立たないんだよなあ。
一作ごとにいろんなスタイルやこだわりを試してきた細田監督だからこそ、まだこういうテーマ偏重型の作品を「ああこの人だったらこういう作風になるよね」って楽しませちゃうところまで割り切れていないだけだ、と思うからかも(←なんか偉そうだけど)。
決して必見です!とは言えないけど、酷評を背景に「自分だったらこう観るな」って考えながら鑑賞するのはおもしろいと思う。
でも次は、青空と女子高生と生活描写でお願いします、監督(こういうこと一番言われたくないだろうなあ…)。
いったい、なにがどうしてこうなった?
あまりの駄目さ加減に呆然となりました。
細田守監督の映画って、こんなんだったっけ⁈
と昔の自分のレビューを見直したら、
「あまりの出来の悪さに心配になってしまう」
と、2018年公開の『未来のミライ』のレビューでも書いてました。あれまっ!
SFでも、ファンタジーでも、死後の世界だろうがなんでもいいのですが、こんなにはじめから作品の世界観に入り込めない体験は初めてです。
実写でもアニメでもそこに展開される〝架空の世界〟には、それなりの成り立ちやルールみたいなものがあって、そこに入り込んでしまうきっかけとか、そこから脱出するための条件とかは、具体的な説明がなくても、物語中のエピソードや主人公が遭遇するトラブルなどから想像できるようになっている。だから、我々鑑賞者も、それをしては危ない!とか、はやくそこに辿り着いて!とかハラハラドキドキしながら登場人物と共鳴できる。
この映画の世界は、それらの努力や工夫はすべて取っ払って、何もかも取ってつけたように唐突に現れる。しかも、そういうことなのか、という納得感のようなものもない。だから、見ているうちに、もういい加減にして!と疲れることになる。
そんな状況で、〝復讐心や怒りに駆られた自分をもう許してあげて〟とか教条的に説教されても少しも響いてこない。
たぶん、争いの絶えない困難な時代において、人としてのあるべき振る舞いとか寛容さについて、今一度みんなで考えてみようよ、という映画なのに、素直に感動できない自分のほうがおかしいのだろうか?
という思いもしなかった罪悪感を背負わされたみたいで、とても困惑しています。
今の時代だからこその世界に向けたメッセージ
良作です。ネットの評判は信じないで!
細田守の最近の作品は、過去の奥寺佐渡子脚本作品が好きだったかどうかで評価が分かれるようですが、奥寺脚本が嫌いで、竜そばなど細田脚本が好きな自分には果てしなきスカーレットは良作でした。
細田監督はおそらく、脚本をなぞるように映像を作るのではなく、見せたい映像が先にあって、そこに脚本を合わせているんだと思います。なので、細かく見ると整合性がとれない部分が出てきてしまうのですが、私はそれがあまり気にならないので楽しめるのかもしれません。竜そばを観て「女子高生を一人で東京に送るなんておかしくね?」と白けてしまうしまうような人には向いてない作品です。
ネットや映画.comの評判からすると、残念ながらあまりヒットはしそうにないですが、細田監督には今のスタイルを貫いて欲しいです。少なくとも、奥寺脚本に戻るのだけは勘弁して欲しいですね。
芸術的価値のある映像作品
大衆向けかどうかは置いておくが、芸術的価値のある映像作品
大学の映像専攻で細田守作品をはじめとする多くのアニメーションを研究した人間がレビューをしていこう。ネタバレはない。
何かと脚本が良くないと言われがちな最近の細田守作品だが、一言で言うと前作よりかは脚本も芸術性も段違いに良い。エンタメ的な細田守作品が芸術的方面に大きく舵を切った作品と言えるだろう。それだけ芸術的側面が強い作品と感じた。
まず脚本や演出については星4つ。ネタバレはしないが、前作よりもご都合無理矢理感はやや軽減された様子。何より爽やかな脚本が売りだった細田守からは信じられない重みのあるストーリー。
シリアスなファンタジーのアニメが好きな人には向いているかもしれない。私はマギという作品の煌帝国編(皇子が王位簒奪した実母に復讐する部分)が好きなので、かなり印象が被った。
大元のハムレットは見ずに挑む人間が多いかと思い、私も読まずに挑んだが問題なかった。
ただメタファー的な部分も多く、他の口コミや評判を聞く限り好みが分かれるかと思うため期待値を上げすぎるのはお勧めしない。
そして絵作りについては星5つ。芸術大学にいた頃から細田守の作品については研究していたが、今回はCGの部分が大幅に増えて背景含む画面もかなりリアルで迫力があった。
画質もさることながら、構図や色使い、衣装デザインなど画面構成にはかなり凝った様子が見てとれる。3DCG特有の動きの硬さは少々残るものの、普通の人間なら見ていてあまり気にならず没頭できるレベルである。サマーウォーズやバケモノの子のような爽やかなテイストとは大きく異なり、シックで重厚な絵を作り上げている。
Dolby AtmosやIMAXも対応しており、音や音楽にこだわりがある様子だったので復讐のストーリーに合う迫力を求めてIMAXで鑑賞した。これが正解だった。俳優陣の声の迫力や音そのものの効果が最大限引き出されていた。音楽、音響等星5つ。
大衆向けに理解しやすい王道ストーリーを描くエンタメ的な作品(鬼滅の刃やワンピースなど)を普段から見ている人間には理解が難しい部分や展開が比喩的すぎる部分もあるかもしれないが、芸術作品におけるアニメーション映像としてはかなり優れているといえるだろう。脚本に多少の無理やアラは見受けられるが、前作よりも改善が見られ、なおかつ演出でカバーされている印象を受けた。
ただ主演の芦田愛菜は、まだまだ声優としては一人前とは言えない雰囲気の演技だった。やはり声優と俳優は異なるということだろう。だがしかし、芦田愛菜の未発達でピュアな声がヒロインに一役かっているとも言える。何より感動したのは悪役の役所広司だ。俳優声優の域を超えて、キャラクターにリアリティを持たせ3DCGでは表現しづらい細かなニュアンスをカバーしていた。主演の芦田愛菜との対比構造はかなり芦田愛菜は苦戦したことだろうと思う。ヒーロー役の岡田将生も、やや棒読み感が強く、聖という人間性が平坦に見える可能性がある。もう少し聖の人間性を拾った細かやかな表現が声で見られると良かったかなと感じている。
ネタバレを避けてのレビューはこのような感じだ。ヒロインとヒーロー、ヒロインと悪役の対比構造やメタファーについて集注して見てほしいと思う。
野心的な挑戦をした作品ではあるが、やはり失敗している
正直に言うと、私は近年の細田守作品が苦手です。『サマーウォーズ』以降は一通り観ているけれど、満足できたのは『バケモノの子』の前半くらい。「社会的なテーマ」を扱おうとする割に、そこへの興味や理解が薄くて、観ていて「底が浅いなぁ」と感じることが多いのが事実。
今回、舞台を現代日本から「中世ヨーロッパ」に移したのは、そうした「現代社会描写のボロ」を隠すための野心的な試みだったのだと思う。中世ファンタジーなら、社会常識やリアリティラインが多少甘くても厳しいツッコミはされないだろう。しかし結果的に、その試みは失敗だった。中世という過酷な舞台を用意しながら、そこに現代日本の凡庸な「平和主義」を安易に持ち込んだことで、物語の整合性が崩壊してしまっている。
『ハムレット』と『神曲』をモチーフにしているけれど、ひねりがなくて「そのまんま」。前作の『美女と野獣』引用もそうだったけど、設定やキャラを借りてきただけで、換骨奪胎の域には達してない。主人公スカーレットは「復讐に燃える王女」という役どころなのに、父の「許せ」の一言であっさり復讐を捨てて、「平和」「融和」みたいな現代的な理想論を語り出す。中世の過酷さを描くフリをして、結局は監督の言いたい「ふんわりした道徳」に着地するから、まるで児童向けにリライトされた「ハムレット」を見せられている気分になる。
脚本の粗もかなり目立つ。物語を引っ張るはずの「王の最期の言葉が聞こえない」という謎を、中盤で敵があっさり教えてしまうから拍子抜けだし、サスペンスになっていない。現代日本から転生した看護師・聖の存在も中途半端で、主人公スカーレットとともに旅をするものの、その思想に決定的な変化を与えるわけでもなく、クライマックスで「実は自分は死んでいた」と明かされるけど、それはそれで予想の範囲内で特に驚くことでもなかった。
何より致命的なのは映像的な退屈さ。
「中世(現実)」と「死者の国」を行き来する話なのに、どっちの世界も薄暗くて代わり映えしない。特に死者の国は、古今東西の試写が集まる設定のように思えるが、明らかに中世以外から死者の国に来ているのは聖だけ。ヨーロッパ圏以外の人間もいるにはいるが、その他大勢として描かれるだけで、名前を与えられ活躍するのはスカーレットとクローディアスとその部下たちと現実パートと代り映えがしない。
絵的にも延々と続く荒野や砂漠ばかりで、背景美術は確かに美しいものの淡白で、その中に3DCGキャラがポツンと立っているだけのシーンが多くて、絵としては美しいけど退屈で眠くなる。
園村健介さんや伊澤彩織さんを起用したアクションシーンはかなり頑張っているものの、彼らが過去に携わっていたような、強烈に印象に残るようなものにはなりえていない。
また、過去の細田作品にあったような、アニメーションの根源的な喜びを思い起こさせるようなシーンも皆無であった。
演出もアンバランス。見ていてわかるような心情や状況まですべてキャラクターにセリフで喋らせるし、背景的な説明も謎の老婆が全部説明してくれる。そのくせ死者の国がどのようなルールで成り立っているかなどは、きわめてわかりにくく、物語への没入を阻害している。
結局のところ、舞台を変えても監督特有の「ご都合主義」と「思想の浅さ」は変わらなかった。古典の重厚な器を借りてきたのに、中身はいつものスカスカな現代劇。そんな残念な一作だった。
細田監督作品のヒロインの中では
細田さんの言いたいことはわかるよ
何度も老婆から劇中で問われる。
人とは?
生きるとは?
死ぬとは?
そして愛とは?
未来を良くしたいなら今を変えなければいけない。
細田監督作品に通底するテーマが本作でも描かれている。
馬鹿みたいに見えるほど単純化されたキャラクター造形は、復讐、友愛、嫉妬、信頼という感情や性質を表す。どの性質も現実世界ではあえなく死んでいく。
復讐心丸出して殺されるスカーレット。
ひたすら他人を助けようとして殺されかける聖。
王になってコンプレックスを解消したいクローディアス。死に方もね。
善政は敷いていたがクーデターに対し無力であったアムレット。
極端さはどの性質であろうと無力であり、死後の世界でも同じように無力である。善は無力で悪に踏みにじられ、悪はより強大な力に踏みにじられる。
阿修羅が住む修羅道のような世界で、ただ一つの解決は許すこと。暴力ではない。どんな感情であれ相手や世界にそれを求める執着。それを捨て相手を自分を許せ。
それが本作の言いたいことだと思う。
前作の「竜とそばかすの姫」もそうだが、作品で構築される架空世界が意味をなしていない。映画の構成の意味としても、映画と現実の橋渡しとしても機能していない。もっと言えば宮崎駿のように一つの世界を構築し切るだけの社会や生活が描けていない。
本作は特に男性陣の声が魅力的だが、役所広司、市村正親、吉田鋼太郎。特にこの3人のシェイクスピアやギリシャ悲劇を思い起こさせる台詞回しは聞かせる。
ストーリー的にも16世紀のデンマークなのでハムレットを意識してると思うし、配役も舞台経験を積んでいる人が配役されている。
だったら、シンプルに細田守演出の「ハムレット」、もしくは明確にハムレット翻案の現代劇で良かくなかったか。
わざわざよくわからない世界を構築する必要がない。
「バケモノの子」までは作品世界の嘘が現実とリンクして細田守独特の世界観を作れていたが、「未来のミライ」からは言いたいことを言うために世界を作っている感じが強くなっていて嘘に乗れない。この世界いる?という状態が続いている。
私は細田守監督はスランプだと思う。
重いかな
原点回帰の最高傑作。文学とエンタメの奇跡の融合。
久々の王道かつハムレットとの融合最高でした〜。シェイクスピアのハムレットに新解釈を入れて、地獄を舞台に話を展開するあたり驚きました。「時かけ」も「ハムレット」も好きなので、原点回帰という感じでした。映像も音楽も良くて、あっという間の2時間でした。本当に見れて良かったです。結末は読めていましたが、それでもスカーレットのこれまでの思いを想像すると、涙が止まらなかったです。号泣の嵐でした。特に、生か死の選択は…。個人的には、これまでの作品で一番良かったです。良い作品作ってくださり、本当に感謝です。生きてて良かったです。ハムレットも再読して、もう一回見に行きます。最近は万人向けの作品多かったので、少しニッチな作品だと監督の熱量感じやすくて嬉しいです。全部説明せずに考える余白を残してくれる作品は素晴らしいと思います。監督とのシンクロが試される(観る人を選ぶ)映画です。
これまでの作品の女性の中で、スカーレットは一番魅力的な女性です。最後の最後まで不条理により大切なものを失い続けます。それでも、今あるもの、残されたものを尊いと思い、一歩前に進んで行きます。このような人物に私もなりたいです。
この作品は繰り返し観ることで、少しずつ味が出て来ます。この感想を書いている段階で、私は2回視聴を終えています。3回目も行きたいと思います。生きるために、人生を謳歌するために、必要なものは実は僅かであることに気づかされます。美味しい食べ物、歌、ダンス、人との触れ合い、原始時代の幸せが本当は一番大切なのかもしれません。
若干文学に寄っていますが、、それでもエンタメと見事に融合した良作です。近年では珍しい作品なので、「つまらなかった〜」と感じてもいいので、ぜひ映画館に足を運んでください。貴重な体験出来ると思います。
最後に、ストーリー、映像、音楽、すべて完璧ですが、「時かけ」と「ハムレット」の予習は必須かと思います(笑)。知らないと話置いていかれるかも⋯しかし、予習頑張った分、素晴らしい感動が待ってます!!
全558件中、461~480件目を表示
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