「スカーレット」果てしなきスカーレット かえでさんの映画レビュー(感想・評価)
スカーレット
いつも読む専ですが初めてレビューします。
SNSであまりに低評価が多すぎたために観に行った。細田監督作品はすべて履修済み、ダントツに好きな作品はないが『バケモノの子』の熊徹のあのラストで、気持ちやメッセージ性の強いものを描かれるんだなと感じた。
「成長」と「愛」がテーマ。どの作品もそれは一貫して変わらない。時にラストありきのストーリー構成になったとしても、それがご都合主義に見えたとしても、この作品で伝えたい言いたいのはこれだ!ととても強い思いを感じる作品が多い。
元々私はジブリが好きで、今回の『果てしなきスカーレット』鑑賞中もそのエッセンスをずっと感じていた。
『もののけ姫』『風の谷のナウシカ』『君たちはどう生きるか』
祖父から孫たちへ「どう生きたい?」とゆっくり考えさせてくれる優しさは今作になく、死に際という生の極地で何を為すか、その一瞬一瞬の問いかけが多かったように思う。
全編通しての生死の争いと、あの渋谷でのダンスシーンの異次元なほどに噛み合わない温度感に不謹慎にも笑ってしまったが、もし私が渦中に、死者の国のようなあの場所にいれば感じ方は変わっただろうか。
あの渋谷が現代日本でないのが少し切ない。殺し合い、復讐の連鎖に現代日本は入っていることになるから。
言語の垣根を超えた歌やダンスを神のため、時に隣人のために披露するシーンがある。
人が人を癒し、人が人を殺す。そういう人もいる。その世界で何を選びどう生きるのか、問われた気がした。
予告編のスカーレットの声が実はあまり好きでなかった。映画館でわざわざ観なくていいかと思っていたのに、公開初日のSNSでアンチが多すぎて自分の目で確かめたくて観に行った。
結果、芦田愛菜が非常によかった。
誰だ経歴の汚点になると言ったのは。代表作の1つになるじゃないか。
細田作品で1番好きなキャラクターはスカーレットです。
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