「イキたいって言え!イギダイッ!!」果てしなきスカーレット りくさんの映画レビュー(感想・評価)
イキたいって言え!イギダイッ!!
ところどころ、笑いを堪えるのに必死な映画でした。
とてもシュールな笑いを誘う映画です。
もしかしたら細田監督は、途中からあまりの物語のつまらなさから方向転換を狙ったかな?と自分は思いました。
物語の軸は、スカーレットというとある王女が、父を殺した弟に対して、復讐を誓って旅に出るというありきたりな物語です。
"本当に復讐をしていいものなのか?"と旅の途中で、スカーレットが悩み抜き、結局復讐せずに相手を許す、、ここまでは小学生でも考え得るようなストーリーです。
よくあるようなバトル映画もので、1人倒したらまた次の強敵が徐々に出てくるような、これもまたチープな映画の定番です。
…おそらくこの時点で映画作成している最中にスタッフは気付いたのではないでしょうか?
この映画はつまらなくなると。
そこで、一種の方向転換をしました。
予告編では一切顔を出していなかった、"聖くん"という、とある看護師が登場します。
スカーレットの物語上、明らかに異質なスペシャルゲストです。
場違いなキャラクターだから、場所も時代も時空もすべて同じになる世界線(死後の世界)でいこう!という設定にも変えてしまい、ひっちゃかめっちゃかするキャラで、もうどうにでもなれ!としたのかと思いました。
聖くんというキャラクターが出たおかげで、比較的真面目で重い映画だったはずが、シュールな笑いを誘う良きアクセントとなりました。
聖くんというキャラクターがいるだけでも面白いんですが、他にも彼の行動には心を震わせます。
①登場シーンで、死後の世界という誰もが困惑するような暗い山道の中、歌を歌いながら颯爽と登場。
②砂漠で盗賊に襲われ、黄色いリュックを盗まれたはずが、その後の物語で何事もなかったかのように取り返しており、リュックを携帯する。
③とあるおばあちゃんから大事なものとしてウクレレを貰い、露店の食料の代金代わりに、平気でウクレレを売っぱらう。
④看護師という性質上、"人をころすな!"とスカーレットにいうキャラなのですが、物語の後半で弓を使って平気で人をあやめる。
⑤腹を割かれて死ぬほど痛いはずが、汗ひとつ垂らさず最後に平然とそのまま消える。
正直、聖くんがいてくれたおかげで、果てしなきスカーレットという映画がコメディとして楽しめるようになった映画でした。
本来は⭐︎1をつけたいところですが、聖くんの活躍によって、⭐︎2で!
シュールな笑いが好きな方におすすめな作品です。
②に関しては、雷にやられた遺体からスカーレットが回収してましたね。
その他は共感ですし、馬鹿の一つ覚えのように「やめろ〜」を繰り返しボコボコにされるのはヒドかった。
終盤の仇敵を眼の前にしたスカーレットの迫真の表情すら、既に面白く感じていた次第…
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