劇場公開日 2025年11月21日

「自分で考え進むしかない、観た後も続く苦しみ」果てしなきスカーレット prishouさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0 自分で考え進むしかない、観た後も続く苦しみ

2025年11月30日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

復讐の連鎖を断ち切ることはできるのか、裏切りを許すことができるのか。これは人類の永遠のテーマであるとともに、自国ファースト、排外的な考え方がはびこる、現代的なテーマである。

スカーレットの復讐心、聖(ひじり)の理想、2人の会話や言動を見ながら、今、私たちの周りで日常的に起きている様々なことが思い出されました。

しかし、この作品は、明るい未来も、退廃的な未来も、結局は何も示してはくれません。
主人公の2人の危機を救うのは、超越した“巨大な龍”だったり、運だったりして、最後まで何ともスッキリせず、肩透かしをされたように感じます。

過去と現在が混ざり合い、「死後の世界」を描きながらも、何ら明確な解がないことは、悲しいほどに「現実」でした。結局、明るい未来を作るのは、アニメーションの作品の中に頼るのではなく、私たち一人ひとりが現実の中で、苦しみながらも見つけていくしかないんでしょう。

テレビやネットで本作のCM映像が流れるたびに、美しい映像と共に甦るのは、感動などではなく、「自分で考え、進むしかない」という苦しみです。
それこそが細田監督の狙いだったのかもしれません。

prishou
poidowlさんのコメント
2025年11月30日

👏
手放すことが出来ず苦しむ。簡単には、手放せない。スカーレットが背負う苦しみをビターな映像で表現したシーンがありましたね。私は残りの人生であのシーンを頭から追い出せるのか、疑問に思います。

poidowl
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