劇場公開日 2025年11月21日

「私にも「赦す」度量が欠けているのかもしれませんけど、、、」果てしなきスカーレット TWDeraさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0 私にも「赦す」度量が欠けているのかもしれませんけど、、、

2025年11月21日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

さて、私にとって“苦手意識”が拭えないアニメーション作品ですw特に細田守監督作品ともなると、熱いファンの皆様による“愛憎入り混じる感想”と、“やや極端な星付け”によって荒れ気味な評価に当てられっぱなし。と言うことで、毎度のことですが「自分はアニメ門外漢」と逃げ口上付きでレビューを上げさせていただきますので、何卒ご理解のほどよろしくお願いいたします。
物語の舞台はまず、16世紀末のデンマークに始まります。国王アムレット (市村正親)は穏健派として「隣国との宥和政策」「国民に寄り添った政治」に尽力していますが、強硬派の弟・クローディアス(役所広司)の策略によって失墜させられ、愛する愛娘・スカーレット(芦田愛菜)の目前で処刑されてしまいます。その後、叔父の裏切りとその所業を赦すことが出来ないスカーレットは、叔父に対する復讐心だけを生きる支えに自分自身を鍛え上げる日々。そしてそのチャンスが目前に迫るある晩、スカーレットの本心を見透かしたクローディアスの企てによって返り討ちに遭い、スカーレットが次に目を覚ますとそこは…
上映時間は111分。ですが、そのストーリーについてのみ言えば、扱われるテーマと理想が相当に大きい分、その設定や展開に強引さが否めません。そもそも、強固な意志に自分自身を支配されつくされたスカーレットに影響を与える存在・聖(岡田将生)を成立させるための“設定”は、物語上、むしろその為にしか機能しておらず、その場における“状況”に全くと言っていいはど納得が出来ません。それでもまぁ、百歩譲って言いたいことは解りますよ。ただ、それを押し通すのに音楽やカタルシスだけではさすがに琴線にまでは触れず、語られるテーマから言ってももう少し“骨太さ”が必要じゃないかな、、ちょっと雰囲気に頼り過ぎな気がします。
ただ、何と言ってもビジュアルについては驚きの連続で、その“異世界観”は初めて観たにもかかわらず「紛れもない」と感じます。特に、細田作品に共通する「宙・空」に対するこだわりに対し、本作における大胆な発想と緻密すぎる描写は間違いなく「観る者を圧倒する」こと必然。何なら、これだけは「劇場鑑賞する価値」があると感じます。
そして、今作も役の声を当てるのは声優を専業する方はほんの一部で、主要キャストは全て俳優の方々。まぁこれについては好みもあるためいちいち良し悪しを言うつもりはありませんが、やっぱり細田作品常連の役所広司さんは頭一つ抜けるクオリティー。特に“最終対決シーン”ではその凄みが溢れ過ぎていて、対する芦田愛菜さんは「さぞ大変だったろう」と想像に難くありません。
と言ことで、私の感想としては「見どころは各所にあるものの、総評としてはやや非」かな。。ボトルネックは言うまでもなく(今回も)脚本。やはりどうしても奥寺佐渡子さんが書かれていた時代の作品に引っ張られてしまうことは否めず、何なら細田さんのアート性強めな世界観を理解しようと“努力”し続けることにやや疲れ気味な私。。。恐らく、最早戻ることはないでしょうが、だとしたら、いよいよ次作は劇場鑑賞も絶対とは言えないかな、、意気消沈。

TWDera
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