劇場公開日 2025年11月21日

「斬新で大満足の細田作品!」果てしなきスカーレット ケン坊さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0 斬新で大満足の細田作品!

2025年11月21日
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鑑賞方法:映画館

興奮

幸せ

斬新

実は鑑賞前「今回の新作は大丈夫だろうか?」と不安があり、正直あまり期待はしていなかった。

…というのも、細田監督が脚本を単独で手がけるようになってから、前作『竜とそばかすの姫』は自分にはあまり刺さらず『未来のミライ』に至っては面白さをほとんど感じられなかったためだ。

それでも本作を観ようと思ったのは、これまでの細田作品にはなかった"斬新な演出"と"ダークな世界観"に興味を惹かれたからだ。

細田作品といえば「影のない明るい人間描写や世界観」が特徴的だが、本作は《復讐》をテーマに"死者の国"を舞台とした、従来のトーンを反転させた《ダークな物語・人間・世界観》となっている。

その作風を細田監督がどう描くのか・・・
その一点への興味から、公開初日の初回上映で鑑賞。

そして結果は…驚くほど《大満足》だった。

おそらく『ハムレット』を題材にしていると思われるが、事前に聞いていた通り、ダークな世界観が、3DCGによる挑戦的で斬新な演出と非常に相性がよく、まるで観客自身も"死者の国”"に迷い込んだかのような没入感を与えてくれた。

内容も、一切の引っかかりがなく「生きるとは?」「愛とは?」といった誰しもが抱える想いを、主人公スカーレットの物語とともに、細田作品らしい"優しさと温かいメッセージ性"で昇華してくれた。

ネタバレを避けながら言うなら、テーマが《復讐》であっても、あのエンディングを見れば「復讐なんてもうどうでもいい」と思えるほど。

表面上はダークな作品に見えて、実はきわめて細田守らしい「優しくて温かい人間ドラマ」だったことが、鑑賞後に強く心に残った。

気になる点を挙げるとすれば、スカーレット役:芦田愛菜の“声”だろうか。

評論家や他レビューでも指摘を見かけたが、自分としては「それほど気にならない」という印象。

ただ、キャラクターとの相性については、複雑で判断が難しく「良いのか悪いのか分からない」というのが率直なところ (黒木華さんでも良かったかも)。

そしてもし、細田監督が次回作を制作されるなら、ぜひ脚本家:奥寺佐渡子さんと再タッグを組んだ作品を観てみたいと、やはり細田守作品には、奥寺佐渡子さんの存在が欠かせないと、強く思っている。

また次回作にも期待しています!

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ケン坊
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