劇場公開日 2025年3月21日

「物語が弱く、振れ幅が小さくなったかな」その花は夜に咲く La Stradaさんの映画レビュー(感想・評価)

物語が弱く、振れ幅が小さくなったかな

2025年5月9日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 互いを思いやりながらもすれ違うボクサーとトランスジェンダー歌手との苦難の愛情物語です。ベトナム人監督であるアッシュ・メイフェアは、前作の「第三夫人と髪飾り」(2019)でのベトナムの温度と湿度を感じさせるエロティック映像が素晴らしかっただけに期待が高まります。ところが本作では、キーとなる場面の幾つかを映像表現だけにし雰囲気しか伝わらないので物語が弱くなり、振れ幅の小さなお話になってしまいました。また腑に落ちない無理な展開も気になります。更に、「LGBT物語は最後は結局そうなるのね」というペシミズムだけではない力強さも欲しかったな。

La Strada