杳(はる)かなる
劇場公開日:2025年2月8日
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解説
難病の「ALS(筋萎縮性側索硬化症)」を抱えたことで喪失と絶望のただなかを歩く人々の、いのちの旅路に寄り添ったドキュメンタリー。
全身の筋力が徐々に弱まっていき、病気の進行によっては発声や意思疎通も困難になるALS(筋萎縮性側索硬化症)。6年前に確定診断を受けた佐藤裕美さんは、発症前は活動的な日々を送っていたが、身体を動かすことが徐々に不自由になり、不安を募らせるいまは、自室でひとり、生の証しのように詩をつづっている。そんな裕美さんが、知人を通じて同じ病を抱える岡部宏生さんと知り合う。48歳でALSを発症して18年。岡部さんは呼吸苦のために気管切開をして人工呼吸器を装着し、声を失っているため、透明な文字盤を通して言葉を伝えている。病への不安と戸惑いを吐露する裕美さんに、岡部さんは「生きることを一緒に考えたい」と告げる。3年半にわたる撮影期間の中で、裕美さんはある日「大事な友人を紹介したい」と、岡部さんと一緒に旅に出る。その旅先で、岡部さんはひとつの願いを裕美さんに告げる。
監督は「風は生きよという」「道草」など、障がいや病気を抱えた人々を捉えたドキュメンタリーを手がけてきた宍戸大裕。タイトル「杳(はる)かなる」に使われている「杳(よう)」という字には、暗くてはっきりしない、はるかに遠いという意味があり、進行性の難病を抱えて生きることは、時に先の見通しがない絶望の日々でもあることを表す。
2024年製作/124分/日本
配給:映画「杳かなる」上映委員会
劇場公開日:2025年2月8日