「ヘルコリア スンドゥブチゲは おいしいよ」ケナは韓国が嫌いで bloodtrailさんの映画レビュー(感想・評価)
ヘルコリア スンドゥブチゲは おいしいよ
映画には関係ないレビュータイトルで済みません。スンドゥブチゲ、美味しくないですか?大好きです。
でもでもでも。ここんところの韓国映画のツマラナサに辟易してました。いや、映画そのものに辟易するってより、「つまらない割りに掛かる本数が多すぎる」こと。「結果的に欧州映画の本数が減った気がすること」に辟易です。まぁ、映画そのものにも、ウンザリするところはありましたが。一時期の、はっちゃけた楽しさがあるじゃ無し。ムネアツも陳腐化。史実捏造も妄想レベルを超えてるし。って、無茶苦茶disってますやん!
でも、これは良かったです。「ハチドリ」以降で、初めて本当に良い、って思える一本だったかも知れません。物忘れの激しい、bloodの記憶なんであてにはなりませんけどw
寒さに弱いペンギンは、仲間の中で一人だけ。どれだけ頑張っても、やっぱり寒さに耐えられない。寒さから逃れるために南の島に旅立っていく。
そこに留まって戦い続ける、なんてことしないんですが、逃げることを否定していません。それを殊更に推奨することもありませんし、美化もしてません。淡々とした語り口で、一人の女性の人生の選択を描写して行きます。シェアハウスのパーティーで、朝鮮半島情勢につういて議論する場面はありますが、政治的主張をする映画でもなく。愛とは?結婚とは?なんて問いかけを突きつける映画でもありません。
息苦しい場所から飛び出し、浮き沈みを繰り返す。過去を振り返ることはあっても、そこに捕らわれることなく前に向かう。ありきたりな幸せを求めず、かと言って崇高な目的意識があるでもなく。暖かそうだ、と言う理由だけで選んだニュージーランドで、身の丈の冒険。この、どこにでもありそうな海外移住女子の日常が、なんか魅力的に見えてきます。
映画のタイトルは、"Because I Hate Korea" です。韓国の保守派からは、憤怒の声が上がりそうなタイトルだことw
彼女が嫌ったのは、「息苦しさを我慢して生きている自分」なだけですけどね。
山あり谷ありのストーリーを、適度な不描写と、淡々とした撮り方で流すスタイル。その中身は、日常の枠を超えず、ってところが。
良かった。
結構。