フロントラインのレビュー・感想・評価
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日々頑張っている医療従事者の方々に敬意を。
超高齢化社会と言われる昨今。医療は、どんどん求められるものであると同時に、医療従事者の方々の負担は増えていく一方。
そんな中、日々、患者さんのために尽力してくださっている医療従事者の方々には頭が下がります...
本作は、新型コロナウイルス対策がまだ確立されていない、未知のウイルスとして扱われていた頃、ダイヤモンド・プリンセスが舞台。
大地から隔離され、身動きのとれない海の上。感染は広がっていく。
そんなみんな不安な状態の中、立ち上がったのは、感染に対して専門知識を何ももっていない医師たちの医療チーム"DMAT"、『一人でも多くの患者を救う』医療における真髄とも言われる考え方を持った方々。船のクルー。受け入れ先の医療従事者の方々。
自分たちも怖いはずなのに、『他人のために、人のために』という善意が多くの命を救いました。
医療従事者の方々も、人です。コロナ差別、風評被害、怖いことがたくさんあったかもしれません。
そんな状況で、色々考えるより、やはり、人を動かすのは、『思いやり』かもしれません。
今、生きていることが尊いものであると、そう思わせてくれる作品だと思います。
今、同じ(同様の)ことが起こったら
まだ記憶には残っている2020年1月末に発生した、「ダイヤモンドプリンセス」での新型コロナ感染者発生に焦点を当てた映画です。
5年前のできごとの記憶を記録に残しておくべきと思っていたときに、小栗旬、窪塚洋介、松坂桃李、池松壮亮、森七菜、桜井ユキ、美村里江、吹越満、光石研、滝藤賢一などの豪華キャストで制作されています。
一般に、社会で起こるできごとは視点を変えると違って見えるので、この映画が正しい事実の記録であるとは捉えない方がよい気がします。この映画の視点は、DMAT、厚労省、横浜県庁、藤田医科大側です。とはいえ、どこかや誰かを徹底的に悪者にするということもなく、全体的にいろいろ気を使った映画になっている気がしました。
松坂桃李は、『新聞記者』や『御上先生』でもそうでしたが、しらっとして言いたいことをいう官僚が似合います。また、窪塚洋介はさすがにいい味を出していました。森七菜はここ数日のうちに観た『国宝』にも『パレード』にも出ていたので、またかという感じでしたが、やはり引っ張りだこになる理由はありますね。
人間のすばらしさが描かれているシーンがいくつもあり、涙してしまいました。
帰りがけに、この映画のテーマ、つまり、何が言いたい映画なんだろうと考えましたが、関根光才監督が言うように、TV記者(桜井ユキ)がDMAT指揮官阿南(小栗旬)に問いかけた、「今、同じ(同様の)ことが起こったら」かなと納得した次第です。
(敬称略)
キレイに描かれているけど現場はもっと大変だっただろうな
何回か涙ぐみました。
映画だからキレイに終わっているけど、実際は混乱の中大変だっただろう。
最初は危機意識もあるようでなかったとも思う。
何処でも現場は頑張っている。
現場を知らない素人は黙ってろって感じます。
しかも引っ掻き回す人達って「自分の感情」を「皆」に主語を置き換えるので厄介。
マスコミって真実を伝えてはいるけど、エンタメなんだろうなって言うのはつくづく感じてはいる。
必ず「悪」を作っていて、それは真面目に頑張っている人達に向くことが多い印象。
真面目な人達は理不尽な返しをしないから標的にしやすいんだろう。
安全な場所から不安を煽るし、努力を下げる。
そして映画はトロッコ問題みたいだなとも思った。
罹患した乗船員や客を守るのか、まだ罹患していない人達を守るのか。
正義の言葉、人道的な気持ちはわかるけど、それって自分に余裕がない、未知の怖さが先に立つと正しい事を言っていても響かない。
自分が可愛い、自分を守りたいから。
だけど、現場の人達は「助けたい」その気持ちを自分に言い聞かせながら恐怖や理不尽に立ち向かい耐えていたんだろう。
自分達にしかできない仕事だから。
YouTubeに登場した医師。
あー、いたなと思い出しました。
私は気が付かなかったけど、エンドロールに名前が載っていたらしい。
許可を得たんだろうなとの事。
詳細は不明だけど、大切なシーンである事は確か。
役人は悪く書かれることも多い中、誠実に対応してくれている人は絶対にいたはずで、そういう人達は絶対にマスコミは取り上げない。
美談は話題にならないから。
怒りの方が扇動しやすいんだろう。
新しい病院を開設したから受入体制を取ってくれた。愛知の病院の責任者が缶珈琲を飲みながらかけた言葉。
これからも受け入れる覚悟が決まったんだろうなと感じて涙しました。
コロナはなくならないし、これからも変異し続けて行くだろう。
同じ事があった時に、足を引っ張る人達が現れませんようにと願う。
実際に何千、何万人も亡くなっているのだから。
その辺りはリアルを描いていないのか、描かないと決めたのか。
自分が罹患しなかった、軽症だったからと次に罹患した時にどうなるかは分からないのだから
病気は死ぬまで後遺症に悩まされ続ける人達もいるという事は忘れないでいたい。
現場で頑張ってくれた方達に感謝を
お疲れ様でした。
「偉くなれよ」を聞いて「踊る大捜査線」を思い出しました。
きちんと物事を冷静に判断できる人が増えますように。
そのためにも敵を取り込み、味方を増やして実行して下さい。
字幕の部分はとても大切な事が書かれていますね。
歴史に残る作品
日本でのコロナのはじまりとされるダイヤモンドプリンセス号で何が起こっていたかを映画化した作品です。
非常に素晴らしい作品でした。
キャスト陣の演技力も高いですし、やはり窪塚洋介さんは存在感ありますねぇ
多少の脚色はあれどこれが真実であると認識してます
メディア、SNSに安易に踊らされる現代人
考えさせられる内容でした。
改めて医療従事者の方々へ敬意を表します
またよく他作では足を引っ張ったり、無能にされがちな厚生労働省が大活躍でした
松坂桃李さんも素晴らしい演技でした
やはり上の官僚はろくでもない描写がされてはいましたが
不覚にもあのアメリカ人の子供兄弟のシーンはウルッときましたし
その後の「私は決断から逃げた」というセリフも刺さりました
あの兄弟の話は実話なんですかね?
エンドロールで
・マスク着用してない場面も実際はちゃんとしてました
・多少の脚色や、時系列の前後あります
という表示がちゃんと出ます
これがまた現代っぽいな
と
「電子レンジに猫を入れてはいけません」の都市伝説を思い出しました
まぁ事実ベースの映画という前提なので必要な表示なのでしょうね
とにかく引き込まれる作品で
胸が熱くなりました
一人でも多くの方が鑑賞して
ないことが一番ですが、またこのような事が起きた際に医療従事者たちが苦しまない環境になればいいなと
映画内でこれだけ頑張ったのに
結局日本どころか世界中に広まったコロナって一体なんなんでしょうね?
鑑賞後はそっちの方が気になってしまいました。
後世に遺すべき映画
新型コロナウィルス発生時、とくに豪華客船「ダイヤモンド・プリンセス」の件は今でも鮮明に覚えています。
あの日、あの時、何が起こっていたのか。
その答えを知りたくて、映画が公開されてすぐ観に行きました。
結論から言うと本当に観て良かったです。
よくぞ、あの出来事を映画にしてくれたと思います。
プロデューサーと監督の方のパワーが無ければ不可能だったことでしょう。
決して綺麗事だけで終わらない事態に、自身の命を危険に晒してまで他人の命のために最善を尽くしてくれた方々がいたことに感動しました。
森七菜さんが演じる羽鳥さんの通訳シーンもすごかった。
テーマがテーマだけに暗くなったり後味が悪くならないか心配でしたが、俳優さんの演技力で格好良さがプラスされてたので、そこも良かったです。
あと、やっぱり「国際問題に発展する」というカードは強いですねw
(観れば分かる)
日本の他国への誠実さも伝わってきました。
時間があれば、もう一度観にいきたいくらいにはお気に入りの作品です。
最前線
ダイヤモンド・プリンセス号から始まった新型コロナウィルス、当時はそういう認識が強く、なんとか船内で収まってくれたらいいなと他人事のように思っていましたが、感染力はとんでもなく強くあっという間に日本中へ。
パンデミックなんてフィクションのようなものとしか思ってもいなかったので、何もかも分からない状態だったなというのを今作を観ている時にふと思い出したりしました。
コロナを食い止めるためにDMATという医療従事者で集まった団体が協力してダイヤモンド・プリンセス号に乗り込み、厚生省の役人と共に未曾有の危機を防いでいくといった史実に基づいたストーリーになっています。
チームのリーダーとして指揮を取るもの、現場での指揮を取るもの、患者の応急処置を行うもの、病院への交渉を行うもの、などなどそれぞれの役割を全うしても間に合わない足りないの連鎖が新型コロナウィルスの恐ろしいところで、そこにデマを流す医療従事者がやってきたり、マスコミが煽るような報道をしたり、SNSなどでの誹謗中傷が巻き起こったりと休む暇も無い恐ろしい事態の連発に気を病みましたが、現地にいた人たちはそんなの比にならないくらい気を病んだと思いますし、そんな中でも挫けずめげずに動き続けたというところを映画を通して知れただけでも間違いなく価値がありました。
船内は外国人が多いのもあってコミュニケーションが円滑に取れないというもどかしさもあり、その中で船内のクルーと共に協力して物事を進めていくというのも大変な状況下なのに手を取り合っていて関心しっぱなしでした。
感染者を助けるのと同時に感染者の家族のフォローもあったりと、現実ではもっと過酷だったんだろうという状況がビシバシ伝わってきて中々に辛かったです。
船を抜けた後も病院まで搬送するまでが大変ですし、近くの病院だけでは足りず、様々な病院に交渉しながら患者を無事に送り届けるというのは本当に大変だったんだなと思いました。
3.11の経験則がこの未曾有の事態でも活きてくるというのは日本の歴史ここにありだなと思いました。
作品内ではやはりマスクをしてないシーンが少しでもあると違和感が生まれましたが、製作チームが紳士的なのかエンドロール前にしっかりとその旨を書いており、その誠実さにこれまた胸打たれました。
新型コロナウィルスが大まかに収束して2年と少し、最初の発生からはや5年。
あの時は何年この状況が続くのだろうと不透明な未来に憂いていましたが、こうやってマスクなしで映画を見に行けたり、ライブに行けたりする日々はありがたい限りです。
エンタメとしても面白く、あの時知らなかった事を知れて勉強になったりとでまた一つ日本で起こった出来事について詳しくなれたなと思いました。
こうやって最初の発生を食い止めようとした人々たちのエピソードを綴ってくれて感謝しかないです。
鑑賞日 6/16
鑑賞時間 17:50〜20:15
DMATの信念とマスコミの淡い良心
改めてあの当時の最前線の緊迫感が感じられる映画になっていて、見てよかったと思っています。阪神大震災からDMATが出来た当時のニュースで「この人達の使命感ってすごいんだろうな」と思っていましたが、あの状況での理不尽なまでの投入状況はもっと早く知るべきだったなと思いました。そして5年の間に何が変わったのか?何が進歩したのか?問われている気がします。
最後のエンドロールでの、演出の為マスク無しでの撮影しましたは、もっと大きく表示するか、最初に流したほうが良いと思います。じゃないと一部映像で判断してしまう人が出ないとも限りません。個人的には演出も関係なく実際のマスク姿でも良かったかな?と思います。
あと私見ですが、ブルーゾーン、イエローゾーン、レッドゾーンは、出来るだけ早く岸壁にプレハブでも作り、分けたほうが良かったかな?と思っています。中国では病院まで作れるのに、あれでわかったのは、ワクチンも作れない、防護服も作れない、マスクも自国で作れなくなっていたということでした。
丁寧に作られた良作
日本で初めて新型コロナウイルスの集団感染が発生した豪華客船「ダイヤモンド・プリンセス」での実話を基にした物語。
勿論、映画化するにあたって多少の脚色はされているのでしょうが、当時は未知のウイルスであった新型コロナの最前線で奮闘した人達のリアルな苦悩や葛藤が丁寧に描かれていて、見応え十分でした。
未知のウイルスと向き合い、目の前の命を救おうと奮闘する現場の医師や看護師、受け入れ先の病院や搬送ルートの確保に奔走する官僚、乗客の心に寄り添い少しでも不安をやわらげようと尽力する船内のクルー。
何が正解か分からない中、1人でも多くの命を救う為に、それぞれの立場で出来ることを精一杯やる人々。
そんな中、無責任な報道や動画の投稿もあり謂れの無い差別や中傷に晒される現場の医師や看護師とその家族。
反論したところで、マスコミに都合の良いところだけ切り取られ、その訂正にまた時間が取られる。
そんな余裕はない。
船の乗客の心配はみんながしてくれる、では現場で奮闘する医師や看護師の心配は誰がしてくれるのか?
誰が寄り添ってくれるのか?
そんな葛藤を抱きながらも、優先されるべきは世間体や自己の保身ではなく目の前の命だと、多くの乗客を救う為に闘った人達の物語でした。
俳優陣の演技もなかなか良くて引き込まれました。
劇場で観られて良かったです。
結局敵は人間かぁ
未知のウィルスは怖い。そして無知な人間はもっと恐い。
パニックになって冷静な判断がつかないなんて言い訳聞き飽きたな。
あの時もそして今時も。
攻撃する奴ばかりで味方になろうとしないし助けようともしない。ただ叩くだけ。
嫌なことでも誰かがやらなきゃならない時は普段の生活や色んなシチュエーションで必ず発生はするよ。
なのに立ち向かって行く人を馬鹿にしたり蔑むのは愚の骨頂だよ。
小さな船……まるでこの国そのものやな。
有事だからこそ一丸となって戦わねばならない。
そう気づかされる作品です。
目の前の命か国益か 医療従事者の本分
小栗旬演じる結城とその右腕のような存在の窪塚洋介演じる仙道の関係性が良かった。二人は時には言い合う関係だけどお互いのことをよく理解しあっていて互いをフォーローし合い見事に未知の感染症対策という難題をクリアして患者たち全員を医療機関に送り届けた。
仙道は目の前の患者の命を最優先に考える。しかし官僚の立松は国益のために感染症対策を優先する。どちらも正しいと言え、その立場上考えが異なるのも致し方ない。しかし同じ医師の結城もやはり仙道と同じ考えで、彼は立松に規則に縛られない柔軟な対応を求めた。そんな結城の熱い思いにこたるように立松も協力を惜しまなかった。現場と役所が一体となり、この事態への対応が万全なものとなってゆく。
しかし感染は待ってはくれず次々と感染者が増え続け一刻の猶予もない。そんな中で隊員たちは思いもよらぬ妨害を受ける。
ただでさえ手ごわい未知のウィルスとの戦いに加えて彼らに浴びせられる誹謗中傷。もとはと言えば彼らDMAT隊員たちは災害対応を希望して自ら申請して隊員となった人間である。
しかし未知のウィルスへの恐怖が人々を不安に陥れて、不安に駆られた人々は無意識に隊員やその家族に対して心無い言葉をぶつけてしまう。そのために病院からの受け入れ拒否や隊員の補充に支障がきたしてしまう事態に。この時にもご多分に漏れず風評被害が生じていた。
国を揺るがすほどの災害、何が起きているのか正確な情報の発信が報道には求められる。もちろんジャーナリズム精神に基づき正確な情報発信を心がけていても誤報などによる報道被害は起こりうる。ましてや今回のような未知のウィルスによる脅威に対してはいち早く国民に正確な情報を与えてその行動指針につなげられるようにしなければならない。しかし報道はもろ刃の剣でもある、時には不確かな情報を流してより世間を混乱に陥れる可能性もある。今回それが最悪の形で出てしまう。
しかし、もはやこの情報化社会では情報を受け取る側にも節度が求められる。常にその情報を丸々信じるのは危険だということを常に頭の片隅において受け取らなければならない。これは特にネット社会で真偽不明情報が飛び交う今の時代だからこそより受け手側に要求されるものである。
また報道を受け取り、それを自分たちの不安から人命のために身を犠牲にしている隊員や家族に対して差別的な言動を行うことはこのコロナ禍に始まったことではない。3.11でも原発事故に見舞われた被災者への差別的な中傷は絶えなかった。
報道だけではなくこれら被害者や関係者たちへの配慮を欠く言動がまかり通るのはいつの時代も同じだ。
何度災害に見舞われても同じ過ちを人間は繰り返す。人間は簡単には進歩できない。だからこそ結城のモデルとなった阿南医師の言葉がより深く突き刺さる。
主人公結城は、患者受け入れを拒む病院に対して医療に携わる資格はないと発言する、それらを含めて劇中主人公が少々かっこよく描かれすぎではないかと思っていたが、彼のセリフはモデルとなった阿南医師の口から実際に出た言葉だったそうだ。
ウィルスが怖くて受け入れたくないという発言を同じ医療従事者である人間が発したことに対してそんな人間は同じ医療に携わる仲間とは思いたくなかったという。
またやはり劇中の通り隊員やその家族が差別による中傷を受けたという。DMAT隊員の看護師をばい菌呼ばわりしたのが同じ病院の看護師だったらしい。裏を返せばそれほどまでに未知のウィルスに対して人々は脅威に感じていたんだろう。今となってはコロナについてはほとんど知識が蓄えられて人々が恐怖することもなくなったが当時は致し方ない部分はあっただろう。
しかしだからこそ阿南医師は訴える。恐怖や不安は無知からくるものだと。人は恐怖や不安に駆られると愚かな間違いを犯す。
我々医療従事者は感染症について学んできた。たとえ未知のウィルスであろうとも自分たちの蓄積してきた経験や知識でもって理性を保ちそれに見合う行動をしなければならない。一般人が脅威に感じるのは致し方ないとしても。
そのような言葉を述べておられる。しかしこの言葉はやはり医療従事者でなくとも肝に銘じるべき言葉だと思う。
人間社会における差別は常に相手に対する無知や無理解から生じてきた。同じ人間なのに、無知から相手を危険な存在だと警戒して猜疑心を高めてゆく。そして災害が起きた時にはそんな不安や疑心から一気に攻撃的な言動が噴出する。それは災害などが起きればいつも起きうるもの。平時の世界でも自分たちの生活への不安から移民を蔑み攻撃が加えられる排外主義が横行している。
災害時ではない平時であっても我々は普段から互いのことを理解し合い憎しみ合うことを避けるべきだということがこの阿南医師の言葉から感じられる。残念ながらイランとイスラエルは今にも戦争状態に突入しそうではあるが。
本作は未曾有の集団感染を引き起こした豪華客船で人命のために闘ったDMAT隊員、現場で闘う彼らをフォローした役人たち、船内クルー、隊員を支えた家族の姿をそれぞれの立場から満遍なく描いた力作。
また船内外国人クルーに対する差別の問題も取り上げていて今の日本社会における外国人労働者問題への配慮もなされていてとても好感の持てる作品。
こういう史実を基にした作品はとかく虚実をないまぜにして世論誘導に利用される危険をはらんでいる。過去には福島事故を扱った作品のように。しかし本作は現場で当時指揮した阿南医師が監修を務めていて細かなところまでチェックが行き届いており、製作者側の事実をありのままに伝えたいという真摯な態度がその作品から感じられた。
劇中で結城が使用していた聴診器が阿南医師から借り受けたものだと聞いてさらに胸が熱くなった。
マスコミも医療チ-ムの一員であるべきだと、強くそう思う。
今日、偶然にも備蓄米を手にした。5kg1980円。
農水相が変わってどうとか、味がどうとか、農家が守れるのかとか
批判めいた発信が多い今日の社会だけども、
正直に有り難いと感じたよ。
最初3月の備蓄米放出から実に3ヶ月過ぎの事。
人は生きられてナンボ。
死んでしまっては元も子も無い。そう思う。だから
誰かの行いでそれが実現したなら 素直に認めるべきだと思う。
丁度5年前、あのコロナ禍始まったころ、これからの未来に
こんな米騒動が待ち受けている何て一体誰が想像出来たであろうか・・・
今日は「フロントライン」の鑑賞です。
関心が高いのか、場内は色々な年齢のお客様が多い様に感じました。
5類感染症指定になって2年が過ぎて。マスクしてる方も殆ど減って。
映画”サンセット・サンライズ”に コロナ禍時の過剰な対応していた時の表現があって、今思えば メッチャコミカルだったの覚えてます。
3密、ソーシャルディスタンスとか (;^ω^)
今思えば あれは何だったのでしょうね。
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2020年2月。横浜港に着いた豪華客船ダイヤモンド・プリンセス。その船内で新型コロナ感染症に集団感染していく人々と、それに立ち向かう災害派遣医療チーム (DMAT)の姿を描く本作。すべて実話に沿った内容です。
映画の内容として感じた事は、福島の原発事故映画”Fukushima 50”を少し思い出しました。あの吉田所長の様な役どころが、今作の仙道行義(役:窪塚洋介さん)かなと思いましたね。
久し振りの彼の活躍(役者)ぶりを拝見しましたが 一言カッコイイ~と、感じましたわ。
この映画を観る上で どうしても見たかったのが、実際の感染対策が実はどうであったのかです。
映画にも出て来る 専門家がおらず感染者と非感染者の区分けゾーンが出来てない指摘。あの報道を覚えてますよ。
その報道の為にどれだけの方々が苦しんだのか。その事実。
未知への対応に協力するならいざ知らず、批判をしていただけでは何も解決はしない。今の米騒動とよく似た点が在ると思うのですよ。
宮田(役:滝藤賢一さん)下船した乗客の隔離を新棟の病院で受け入れる医師。
彼の言う ”ここでの対応経験が次に起こる事態にきっと役に立つ~”
ウィルスを恐れて回避していては経験が積めず未来には対応できない、この強い信念が 後に続く医療従事者を勇気づけたと思うのですよ。
管轄外の専門だから・・・だから何?
日本にはCDC(アメリカ疾病予防管理センター)の様なものは無い。
だから誰かが行って指揮しなきゃならない。この思い。
感染者(患者)の命を守るのは私達。でも自分の命や、自分の家族は一体だれが守ってくれるんですか。
嘘、デマ、噂、風評被害などの流言飛語。これらが正常な精神を蝕む。
誰も子供を預かってくれないから、病院へ仕事に行くことが出来ない。
住んでる場所が特定されて、ココに住めないし、仕事にも行けない。
医療従事者の抱えた苦悩、その思いが一番本作で訴えたかった事なんだと
そう感じます。
未知なる新型コロナウィルスで 命落とすのと同じくらいに、
誤った流言により 他人が発する憎悪で命を落とすのが同じだと、
それがこの映画を観て一番気付いた事ですね。
この噂などを上手くコントロ-ルして、ケア出来るのが報道マスコミに託された部分だと思うのですよ。
つまり マスコミも医療チームの一員であるべきだと そう思います。
ラストでDMAT隊員の真田春人(役:池松壮亮さん)がやっと過酷な任務を終えて無事に帰宅する。そこに待つ妻と家族。
安堵し優しく抱擁する二人を見て、 愛ある生きてる実感がそこに存在しているんだなと そう思います。
人は如何なる場合でも これを失っては いけないのだと感じます。
今、とっても旬な作品です。
ご興味ある方は
是非 ご家族揃って
劇場へ どうぞ!
こ、これは!
いわゆる、政治的な事情を感じる駄作。
見どころが......申し訳ないが、無い。
観終わって恋人と目が合ったら「・・・・。」思わず無言になり、その後話題に触れることなく、無かったことにする。いわゆるノーコメント映画。そんな映画でした。
DMATと厚生労働省の功績を称えるだけの映画。
やや極端に美化し過ぎなのが、気になりました。
安定の名俳優たちの芝居。イケメンたちで揃えてタッグを組んだ正義の味方チーム。対するは、明らかに意図的に悪意を込めた桜井ユキ以下マスゴミチーム。
ちっちゃい。ちっちゃいよ。その争い。
序盤に桜井ユキのセリフ。「面白くなりそうですよ。」
あまりに不謹慎過ぎるセリフが観る人を不快にさせる。
吹越満演じる教授が暴露動画をアップしたというくだりも
やや彼がなんの話をしているのか、説明が分かりづらく、
何がそんなに問題なのか、論点が理解しづらかった。
最後の方に、「それでダメなら脅してみます」「あの医者には騙されましたね」という誰かのセリフがあったが、これもまた悪意を感じるセリフで、不快感を覚えた。
あと気になったのが、
聴診器を患者さんの胸に当てるシーン。
芝居上医者の設定とはいえ小栗旬演じる偽医者にあのように直に
聴診器で胸を触られているのを見るのは不快感を覚えた。
それに、果たして正しい聴診器の当て方なのか... なんだかセクハラ感があった気がした。背中で良かったのでは?
なんというか、観てよかったと思えなかった。
アングルも割とルーズで、まぁ確かに役者の肉薄した演技などは少なく、それよりも状況を伝えるカメラアングルが最適解だったのかもしれないが、、ドンヨリはほぼ無く
メリハリに欠け後半少し眠気を感じた。もうちょっと一人一人をフューチャーさせて、眼差しをヨリで見せてキャラクターを立たせても良かったのでは。滝藤賢一とかただの性格のキツい脇役で終わった感。
そういえば、最後の締め方として
「乗員乗客無事退院して事なきを得た」的な終わり方で、
さも平和が訪れた、という終わり方だったが、
いやいや、、「後遺症で今も苦しんでいる人がいる」みたいなネガティブな話もこの病気を語る上では忘れてはいけないのでは?
美化された正義の役人医者ヒーローチームと悪意をわざと含まされた報道マスコミチームとの対比がちょっといただけない脚本で、チャレンジングなキャスティングも一切無く、イケメン俳優たちの安定した芝居も相まって、思い返しても見どころが全然思い出せない映画でした。高評価なのがちょっと謎。ますます事情を感じます。
実際にあった物語なのに
DMAT役の面々がかっこよすぎたからなのか?
役者が浮きまくっていたように感じました。
例えば、お医者さまの集まりのとき。小栗旬さん以外は白髪混じりの年寄りだらけとか。
以上です
追記
日本の映画に出てくる外人さんて大根ですよね。
セリフ棒読み。
日本の映画に外人さんが出てくると同じ匂いしかしない。
最前線での最善戦
地元のことだけに、逆に無力感から逃げたくて実はあまり知らないままだったあの出来事。
主要キャラが美男美女過ぎるのは気になったが、それを受け流せばなかなか見応えがあった。
大枠は知ってることだし、きっちり整理されてるので非常に分かり易い。
ただ、登場時の立松や乗客など序盤でイライラさせる描写があからさま過ぎるのは少し気になった。
中盤でメッセージカードで掌返しし、直後にメディアやネットの悪意を見せるなど印象の誘導はかなり安易。
あんなひと言で態度を改める上野は、まさか面白がってた自覚なかったんですか?
とはいえ、終盤の展開は(これも分かりきってたこととはいえ)ジワッときた。
終始カッコよかったのは、窪塚洋介の演じた仙道。
軽さと信念のバランスが絶妙で、エンドロールのトメに来るのも納得。
静かに淡々と使命を全うする真田や、感情的にもなるが思いやりに溢れ、引き際も弁えた寛子も好き。
出番は短いが滝藤賢一の表情や声色も最高で、作品の印象が一気に上向く起点になった。
そして何よりアリッサが天使。
最後の兄弟も悪くないが、親が許可するかという部分も含めてちょっとあざとい。
結城と立松の優秀さやバディ感も嫌いじゃないが、ケレン味がなくてやや印象が薄かった。笑
スタッフ側の疲弊はもっと描くべきだったかも。
知識もなく行動も出来ないなら、命懸けで頑張る人間を信じて支えるべき、という考えに変化はない。
でも、最前で最善を模索する方たちへの尊敬を新たにした。
ましてや未知に挑んでくれてるなら、自分が不安や恐怖に晒されてても、彼らを攻撃する側には絶対ならない。
エンタメではなく社会派
まだほんの5年前の日本の話。
キャストに惹かれての鑑賞でしたが、良作でした。
DMATは聞いたことがある程度でしたが、ボランティア組織とは知らず、またあの客船での対応がDMATだったのも知らなかった。
観てて1番強く思ったのは、外から何かを批判するのはやめようってこと。
災害や事件が起きたとき、テレビやネットからの情報しか知らない、知れない立場で外から批判するのは良くないなと。
コロナ禍の最中、県内の初感染者がどこそこの⚪︎⚪︎に勤めてる人らしいよとかあそこのお店の店員感染したらしいよなどと噂になったりしてたのを思い出しました。
日本人は普段は差別とかあまり無いけど、こういう時とことん排除しようとする国民性があると思うので、自分自身にそういう本質があることを自覚し、人を傷つけることのないように努力する必要があるなと。
作品自体はキャストが素晴らしく、小栗旬と松坂桃李の関係が良かったし、小栗旬と窪塚洋介の掛け合いも良かった。
滝藤賢一のブチギレから徐々に落ち着いて池松壮亮と会話するシーンの演技力凄いし、印象に残る役どころでした。
実話がベースなので、派手なドラマ性やエンタメ感は抑えてたが、脚本が良く途中で飽きることもなくラストまで没入して観られました。
こういう映画久しぶりに見たかも
感想
まず日本映画にしては珍しくたぶんアイドル系の人が出ていない!
まあこういう映画にアイドル系の人が出てたら見に行かないけど
どこまでが実話かはわからないけど面白かった
あと船はcgなんでしょうか
キャストは結構良かったです!
感情がまとまらずレビューが難しい
過去の出来事を元にした作品を今までも見てきたけど今作は、その時代を生きてきたという自分もいるので何か変な感じになった
政府、医療従事者、乗客、クルー、マスコミ、一般者などなど色々な人物の心情や目線があり、鑑賞後なんとも言えない感じになりレビュー出来なかった(今作のその後の展開を体験してきたわけで…)
自分または身近な人が当事者になった時と他人事の時とでは違いが大きすぎて感情移入した時に何も答えが出なかった(難しい)
医療従事者の人たちには感謝しかないのはたしかかな
映画作品として
単純だけど真田先生(池松壮亮)と奥さんの抱擁シーンは泣いた
ブラウン夫妻のところは尺が長い
小栗旬と松坂桃李の関係性の歩みをゆっくり見たかった(急にタメ口に😁)
滝藤賢一と池松壮亮のシーン好き
というか真田先生のキャラが好きすぎた
出来ればその後の展開をダイジェストでいいから欲しかったかな
地味ながら濃厚で見応えはありました
でも単純な作品ではなかった
自分には、ある意味難しかったです
こんなことがあったと知って欲しい
世界中で蔓延する前の感染症。
お隣の国で猛威を振るっている感染症が、日本の港に停泊している大型客船で爆発的に蔓延している。
日本本土に感染症が確認されるのは時間の問題だろうと思っていたまさにあの時、大型客船で起こっていた出来事。
覚えてるところつらつらと
日本に感染症対策、処置できる組織ないの?????
感染症学んでる人らおりますよね????
未知のことを医療組織ってだけのDMATに押し付けてたの?????
みんな未知ならDMATじゃなくてもいいよね????
有識者おらんかった?????現地指揮してもらえます????
爆弾処理よりも感染症のが現実的に思えるけど、そうでもないのかね。
詳しいこと分からないからあれだけど、今知った新事実に驚きと怒り。
感染症に対する恐怖感。恐怖感による除外。感染症蔓延時を思い出す。
地域じゃないナンバーの車があれば叩かれてたし、おちおち外出もできなかった。
治療薬が無いというのはこんなにも怖いことなのだと思い知った。
多くの有名人が助からなかったというニュースもよく見てた。
周りに感染者はいないのにめちゃくちゃ怯えてた中で、まさに現場の真っ只中に身を置いて治療にあたった医療従事者の方々がいたことは忘れてはならない。
未知の感染症にかかり家族と離ればなれ、しかも生きるかどうかの瀬戸際を体験した方々の気持ちを考えると本当につらい。
日本中が苛立ちのある鬱々とした暗いムードはもう2度と体験したくない。
25.6.15 映画館
ドタバタだけではなくメンタル面にも言及
良質なドキュメンタリーを見ているような作品。
2020年入ってすぐダイヤモンドプリンセス号でコロナ患者が発生。
まだ日本には持ち込まれていないことから、DMATが出動。ただ、災害時の対応が専門であってウイルス対策が専門ではないため、ウイルス学の専門医からするとずさんなゾーン分け(ウイルスがある・可能性がある・クリーン)がされていないという指摘があったものの、現場対応ではそんなこともできる状態ではない。その指摘はごもっともだが、まずは現場の混乱や進捗状況でものをいうべきだな、と思った。
メンタル面の心配もあることを教えてもらった。
患者の重篤度合いで診察が順番が変わってくるのはもちろんであるが、
重症患者の同部屋の家族、中学生以下の子ども、スタッフのメンタルは元気でストレスが溜まっているいる乗客以上に大変である。
患者対応にも時間かかるが、メンタルサポート面でも時間が取られ、その場合は心理士・スピリチュアルケア師・臨床宗教師などの出番ではないかなと思いながら見ていた。
あとはマスコミの興味本位、世論が傾くといい悪い関係なくそっちになびく、という風潮。当時のニュースやらを思い返してみると、見たままのことや愛知県での受け入れのことはちょっと報道されたものの、中でどんなことになっているのかということまでは報道されなかった。リアルタイムでこのことを国民が知っていれば、コロナに対しても受け止め方が違ってきたかもしれない。まぁこれは終わったから言えること。
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