フロントラインのレビュー・感想・評価
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自分事として振り返り
未知のウィルスに、いま出きる最善で向き合わざるを得なかった人たちの日々。そこにいる誰もが、命の危険や家族にかかる差別の恐れを抱きながら、自分の役割を全うし、イレギュラーがはっすれば、役割を越えて共闘したことが、上映時間いっぱいで伝わります。平時はルールで物事がうごくが、非常時は想像を越えることが起こり得る。葛藤を越えるためには、何を優先すべきか、それぞれの倫理観と決断の積み重ね。言霊が溢れる映画で、事実からつむぎだされたことがよくわかる。
あらゆる人たちに観てほしい。私は医療者ですが、医療以外にも、クルーや、予期せぬ隔離に対応した関連業者にも敬意を払いたい
影の支え手
もう過去のものになった感もある新型コロナの
パンデミック。思い起こすと、未知のものへの
恐怖感が国内全体、いや世界全体を覆っていました。
日本ではやはりプリンセス号が着岸した際に、
乗客が陸に上がれずその異常さが国民の関心を煽り、
より一層「怖いもの」と言う見方が始まったと
思います。しかし、その後あれだけ日本中を
コロナ禍に引きずりこむ事になるとは、まだ想像できなかった。
本作は、そんな未知の恐怖感に逃げる事なく戦い
続けたDMATを中心に、官僚、メディア、家族、
国民(マス)の関わり方が丁寧に描かれています。
映画である以上脚色はあると思いますが、でもあの時、
我々が知らない戦いが大きな船内、そして船外で
繰り広げられていたことを知ることができます。
人道的に正しいことをする、と言う一貫した信念も、
私の人生に大きな学びを与えてくれました。
メディアの放送に踊らされる事なく、冷静な判断が
できる物事の見方も、改めて大切だなぁと感じました。
良作です。
すっかり忘れていた…
2020年2月。
なんだかクルーズ船について報道されているなぁ…と思った。
感染症という言葉すら語彙の片隅でぼんやりとした認識しかなかったあの頃。
映画の終盤で医師の一人がつぶやきます。「これから日本はもっと大変なことになるよ」
そう、ダイアモンドプリンセス号の10日間には地元横浜市民ですらほとんど危機感を感じていなかったのです。続く2年間の出来事など思いもせず。
そのような状況下で未知のウィルスに対する十分な知識もないままクルーズ船内で患者の対応を努めた医師や看護師、帰宅すると一般社会からバイキン扱いされはじめた派遣医師団たちをバックアップする医師団のリーダ、寄港中のクルーズ船という特殊な状況下で医療措置の法的規制にあの手この手の対応を繰り出した厚生労働省のキャリア官僚、更には検疫官、陽性患者を受け入れた医療機関、クルーズ船のスタッフたち、マスコミ…様々な関係者たちをそれぞれの立場と利害関係で丁寧に描き出しています。
ダイアモンドプリンセス号事件を受けて、感染症に対する法整備とリスク管理対策は格段に進んだと思います。
けれど、自分を始めとした一般市民の感覚は…そしてマスコミの捉え方は…
また、新たな未知のウィルスが発生したときに
自分は「人道的に」振る舞えるか。
自信がなく、俯いて映画館を後にしたことを告白します。
マスクを外した生活が当たり前になり冷静に当時を振り返ることができる...
是非見てほしい映画です。
パンフレットを最初に買ってみてから、本編を見ました。それぞれのモデルになった方の思い出になったシーンが、しっかり分かるためには、1回だけでは、難しい。
淡々と表現されているが、一つひとつのシーンが、とても、考えされられた。
あれだけの状態で1ヶ月船にいて、また、次の現場に向かうDMATの凄さも感動でした。
飛沫を浴びるシーンは、福祉職員として関わってきただけに、感慨深いです。
そして、いわれなき差別が一番怖い‼️と言うシーンも。
真実を見る目が問われている。だからこそおおげさではない演出だったと思う。
火傷するほど熱かった
日本で初めて新型コロナウイルスの集団感染が発生した豪華客船「ダイヤ...
日本で初めて新型コロナウイルスの集団感染が発生した豪華客船「ダイヤモンド・プリンセス」での実話を基に、未知のウイルスに最前線で立ち向かった医師や看護師たちの闘いと、日本の偏向報道の醜さをオリジナル脚本で描いたドラマ。
DMAT隊員の勇気ある決断に敬意の念を抱いた。映画としては、もっとエンタメに寄せて、盛っても良かったような気もするし、これぐらいが丁度良かったような気もするし、どっちかよく分からない (^^)。
「限られた選択肢の中では最善を尽くした」
DMATの指揮官·結城 (小栗旬さん)が終盤に言ったこの言葉に尽きると思う。心に滲みて印象に残った。
もちろん、この映画みたくトントン拍子に事が運んだわけがないのは想像に難くない。しかし今、当時を振り返ってみても、ダイヤモンド・プリンセス号の対応に当たった人は、DMATを含めて、ホントによくやったと思う。
映画にも出てきた感染症対策の不備や、薬、PCR、病院、政府や厚労省の対応などに、「なかなか上手く進まないよな」などと思いながらテレビニュースを見ていた記憶がある。
しかし、冒頭のセリフをもう一度繰り返すが、「限られた選択肢の中では最善を尽くした」 ことに間違いはない。
松坂桃李さん演じる厚労省の役人·立松が、マジ超優秀で、さすがエリート官僚。
感染症の災害が、自然災害(台風など)や人為災害(火災・事故など)と違うのは、災害に対応する医療従事者の命が危ぶまれる点だと思う。つまり、自分も感染して命を落とすかもしれないのだ。
未知のウイルス感染症に対応ることは、当時のDMAT(災害時派遣医療チーム)の想定外だ。確かに大規模感染やパンデミックも災害ではあるが、感染症に対応することを想定していないのだから、訓練も研修もしていない。
感染症の現場は、死ぬかもしれないという意味で、銃撃戦やミサイル攻撃がある地域と同じだ。
隊員は、まさか自分が命懸けで災害対応をやるとは思っていなかったはずだ。
医療従事者だから感染症の知識があるぶん素人の何倍も怖かったと思う。ましてや、そのウイルスが、感染力、致死率、治療法も分からない新種の未知のウイルスと来たもんだ。
だから、僕はDP号に乗り込んだDMATの方々の勇気ある行動に敬意を抱く。
たぶん、DMATの方々は「誰かがやらなければならないのなら、私がやる」という気持ちでDP号に乗り込んだのだろう。この志は尊いものだと思う。
ただし、この気持ちは個々人が自主的に心に思うことであって、上に立つ者が、訓辞か何かで部下に言うとなると、僕は「大変なことをやらせるために下の者に自己犠牲を強いるのか」と思って鼻白んでしまう。
流れてくる情報と真実は=ではないことを常に頭に入れておく必要がある...
フロントラインにしてファーストコンタクト
船内で起きた事がこれから日本中に広がるという絶望は避けられませんがエンディングは希望の持てるものでした
実際はここから多くの医療現場の地獄が始まる訳ですが
思い起こされるのは福島原発の映画のような災害ノンフィクションです
前線は常に未知であり英断と愚行が状況と立場により目紛しく変わります
今回は人道という視点が一つの答えでした
メインどころは皆自身の得意なキャラクターを演じていたと思います
窪塚洋介は若い頃の浮世離れの印象が強かったのですが今回の適度にリアリストな演技も板についてました
国宝の陰に隠れず評価されて欲しい映画です
⭐︎4.5 / 5.0
どこまでが本当でどこからがフィクションなのか分からないけど、あの頃...
未知のウィルスの対応の最前線
劇中で、夫が病院に運ばれ船に残された妻が、夫の状況が分からず不安定になるシーンがある。
検疫官の言うルールに従わず、「現場のDMATが勝手にやったこと」として、下船させて夫と同じ病院に入院調整を行っていた。
ルールを守ることはもちろん大切なことであるが、信念を持って考えることができるかどうかが必要になってくる。
厚労省やマスコミ、世間を気にするのではなく、目の前の人に向き合う姿は敬服する。
誰かのために戦ってくれる人たち
医療従事者とその関係者に感謝
気になってた映画でしたので鑑賞!
未知のウイルスに最前線で立ち向かったのは、我々と同じ日常を持ちながらも、 眼の前の「命」を救うことを最優先にした人々だった。
船外から全体を指揮するDMAT指揮官・結城と厚労省の立松、 船内に乗り込んだ医師の仙道と真田、 そして羽鳥をはじめとした船内クルーと乗客たち。
TV局の記者・上野らマスコミの加熱報道が世論を煽る中、 明日さえわからない絶望の船内で、彼らは誰1人としてあきらめなかった。全員が下船し、かけがえのない日常を取り戻すために――。
というのがあらすじ!
この映画はDMATを中心的に描かれていくのですが恥ずかしながら初めて知りました…
災害派遣医療チームで感染症ははじめてらしく地震の時とは違ってかなり大変だったろうと思います
当時はダイアモンド・プリンセス号のニュースはちらっと観てただけで大変そうだなと他人事のように観てたと思います
厚労省の立松は最初はめちゃくちゃ冷たくて自分たちのことしか考えてない感じかと思ってたら全然そんなことはなかったですね!
むしろ冷たそうに見えて中には熱いものを持ってましたし柔軟に対応して命を助けようとしたましたね
こんな役人がいっぱいいたらましな世の中になるかもです…
それに比べてマスコミは…笑
邪魔しかしない!笑
動画の時はちゃんと裏を取らずに放送したりするし盛り上がればいいという感じでしたね
しかも防護服の脱衣所を1メートルずらしただけで動画を削除するとは…笑
不安や恐怖から医療従事者が差別されるのはつらいです…
ただただ目の前の命を救おうとしてるのに…
個人的にはいつ自分が感染してもおかしくないのに人の命を救おうと働いてる医療従事者とその関係者の方々には尊敬と感謝しかないですね!
この映画ではクルーや医療従事者の家族のことにもスポットが当たってて改めていろいろ考えさせられました
この映画は実際にあったことを元に制作されています
目の前の命を救うために最善を目指す人たちの葛藤と苦悩が痛いほど伝わってきました!
ほんとみなさんの演技がすごかった!
このダイヤモンド・プリンセス号での経験が今後に活かされてほしいですね…
素晴らしい映画をありがとうございました😊
知りたかったことの一部
映画にするだろ〜と思ってた。
報道を見た時から、客船内で何が起きているのか知りたかった。脚色入りとはいえ、命のために使命を果たせる人と、煽られるがまま批判だけする人の闘い(?)があったんだよな…。
感染源扱いされたくない、ここから死者が出たらこちらの人生も終わる、という悪く言えば責任逃れ。充分気持ちが分かるし、簡単に言えること。感染したくないし、いわれなき差別に遭うのが怖いし。
楽しい旅行が一変隔離生活になると、我先に救えという気持ち+ストレスで怒るだろうけど、苦しいのは自分だけではないのよ、と客観視が必要だ。感情があるからややこしいなぁと思いながら見ました。
医師看護師の奮闘や、それぞれの家族への想い、通路側の扉に貼られた感謝の言葉の数々にはジーンときました。その辺りから他の観客がそわそわし始めるのが分かりました(鼻詰まりの人が元々多い上映回だった?)。
が、それ以上に客室クルーの隔離と「家に帰りたい」がキツかった。乗客は異国の地且つ船に閉じ込められた状態で、未知の感染症に苦しむけれど、クルーも異国の地で働いて狭い所で苦しむ、というのはこの世の終わり感だろうなと。(彼女らのその後は見れず残念。)
作中のテレビ画面からは批判批判批判…だったけれど、未知のウイルスに立ち向かうには、今出来るだけのことをやるしかない、それだけなんだと。そこに反省や批判はお門違いで、収まってからやるべきことだった。船内と船外本部のやり取りは全人類心に留めるべきでは。
わかんねー仕事は、やってみないとどうにもならないけど、やり遂げたら良いことがあるよ、ということも心に留めておきたい。
医療従事者の真実は語り継がれて欲しい。
コロナ禍で離職した医療従事者は多かっただろうなと思いつつ、また、「辛い仕事は辞めて良い逃げていいあなたがやらなくても良い」の風潮の中、命のために動ける人には頭が上がらない。
真実に心震えた
最初の非常事態宣言が出される2ヶ月前の最前線
「客船に何日も缶詰なのか、大変だな、可哀想に」
5年前、毎日報道される豪華客船の映像を観て思っていた感想。最初の非常事態宣言が発令される2ヶ月も前の2月のこと。
行きつけの居酒屋で「マスク品薄になったねー」とか、コロナ感染マップを見ながら「パンデミックなんてゾンビ映画みたいだね」なんて呑気な会話をしたり、
それでいて、マスコミがダイヤモンドプリンセス号の対策を批判してたら「医療従事者の人が努力してくれてるのに批判はおかしい」とかも言っていた自分もいた。
この映画を観て、「最前線で未知のウイルスと戦ってるDMATや関係者を批判するマスコミは最低だな」と強く感じた。
しかし同時に、当時心の奥底では「中国から出た謎のウイルス」「世界的なパンデミック」「SNSで繰り広げる根拠不明の陰謀論」というパニック映画のような非日常感に、一種の娯楽のような興味を向けていたことも思い出した。
片面だけ見て100知った気になっていた。想像力がなかった。
この映画に登場する上野舞衣テレビ記者は、当時の私だ。
呑気な会話をしていた自分を恥じる。
DMATや客船クルー、尽力してくれた日本政府の人々は目の前の人たちの人生のために身を削って昼夜働きかけてくれていた。
この映画を観て、DMATを知れて、当時の前線の状況を
知ることができて心から本当によかったと思う。
前線で人を必死に助けていた方々、そしてこの素晴らしい映画制作に携わった皆様、本当にありがとうございます。
全346件中、221~240件目を表示
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