フロントラインのレビュー・感想・評価
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試された対応
この映画は観るか観まいか悩んでいた
それはこれらの緊急事態に対応できるかは自分自身も心許なく、先ず自分自身が咀嚼出来ていない状況を追体験することをおっくうに感じたからに他ならない
映画は真摯にクルーズ船の状況を追いかける形で、感情移入出来る余地は極力排除してある
唯一例外はアメリカ人夫婦のエピソードであるし、両親が感染し兄弟のみが船に残り助け合うエピソード位なのかな?
これに反して硬直化した制度や縄張り意識に対しての考察は、この現場にしてかなり比重をさいて盛り込まれていてポイントは高い
制度も医療も人を助けるという原点から、乗り越えようという気概がテーマだし、これから生きていくためへの羅針盤になるべき映画だった
よい映画を上映して下さってありがとうございました。
5年間を振り返りながらも泣ける
窪塚かっけ〜!
見えるもの聞こえてくることの裏側にあること
彼らの使命感にただただ感動した
2020年から始まったコロナ禍。日本での始まりはダイヤモンド・プリンセス号だった。今から5年前の物語。すでにそこそこ過去のようにも感じるが、まだ5年前とも感じる。
医療ボランティア組織のDMATを中心に描かれた脚本がいい。どこも引き受けてくれないからDMATに依頼が来たという流れ。彼らは業務で来ているわけではない。あくまで医療関係者として必要だと思う行動をとっただけだ。しかも役人たちが持ち込むルールと法律に制限されることになる。それでも彼らはブレない。行動原理が確かだから。
メインビジュアルに使われている4人の俳優がとにかく素晴らしい。特に現場で指揮を執る仙道を演じる窪塚洋介がよかった。ちょっとふざけたような態度なのに使命感がめちゃめちゃ強い。小栗旬演じる結城との関係性もいい。そこに松坂桃李演じる厚労省の立松が絡んでくる。役人らしからぬ柔軟性と押しの強さ、そして仕事が早いところにシビレた。
実はちょっとチープな話になっているんじゃないかと観ることを迷っていた。観ることになったのもスケジュール的にちょうどよかったから。でも、こんな熱い思いを抱えた彼らの奮闘に感動しないわけがなかった。いや、ここで泣かせます!みたいなシーンがあるわけではない(泣かせるシーンがあったと感じた人もいるかもしれないが)。ちょっとした彼らの言葉にいつの間にか頬を濡らしてしまった。DMAT隊員が受けた風評被害的なものは、その後日本全土の医療関係者が受けることになる。そんな理不尽さを思い出しながら、彼らを含めた医療従事者へのリスペクトを強く持たないとなと改めて思う。
最優先は患者の命を救うこと
2020年、ダイヤモンド・プリンセス号での新型コロナ集団感染は、今もなお記憶に新しく、わざわざ映画で見る程でもないかもと思っていたが、鑑賞後は本当に見て良かったと思う。
感染症の専門ではないDMATが対応にあたったこと、切迫した状況でも隊員やクルーは逃げずに一人でも多くの命を救おうとしたこと、コロナによる差別やマスコミによる偏見報道など、この映画を見なければ知らなかったことがたくさんあった。
当時最前線で対応したDMATの方々に最大限の敬意を払うと共に、今後未知のウイルスが国内に来たとき、今回のような偏見や差別が起きないよう、さまざまな情報を鵜呑みにせず、自分で調べることも重要だなと感じた。
あと余談ですが、滝藤賢一さんの役どころが「見える子ちゃん」に引き続き泣かされました。
ドラマスペシャル
メディアは批判ばかり、でも実際は。
あのとき日本中が注目していたので、これを見ると皆さん何かしらの想いが込み上げてくるのではと思います。
私も当時、どうなってしまうんだろうと不安になっていたことを思い出しました。
メディアでは対応の批判などネガティブなことばかり報道されていましたが、実際の現場ではこんなことが起きていたんですね。
日本史上にも残る大きな出来事の中で、現場の方たちがどのように尽力されたかを知れる良い作品だったと思います。
ちなみに、私はハンカチ無しでは観れませんでした。
作品自体は
骨太で見応えがあって素晴らしい。
マスゴミが製作委員会に入っていないこともあって、違和感なく観られた。
DMATをはじめとする関係者の方々のヒロイズムには涙した。
そこから始まったコロナ禍下での彼らの献身には感謝してもしきれないし、
尊崇の念を禁じ得ない。
小栗旬や松坂桃李、池松壮亮の演技にも引き込まれた。
その上を行って異彩を放ったのが窪塚洋介で見事だった。
良い映画だろうということは想定していた。
興味もあった。
それでも足を運ぶことに二の足を踏んだのは
今まさに感じているようなどす黒い感情が渦巻くから。
本作の中にあるようにマスゴミは確かにひどい。
これでも何らかの忖度をしていて描き切れていないだろうと感じるほどに。
そして、その後押しをしているのがワイドショー民と揶揄される
小泉の米パフォーマンスに踊らされるような方々だろう。
このテーマを扱うからにはここを避けては通れない。
派手でない分ある意味リアルで上記の感情が次々湧いた。
観客の皆様は自分はそうじゃないと思ったのかな。
ほとんどの方はもうマスクはしていなかったし、
ワクチンも打っていないだろうけれど・・・・。
折角観賞したのに気分がだだ下がりなのは本意ではない。
今だからこそ観るべき作品
あの現場に関わった方たちを尊敬します
あの時、未知のウィルスで対策もわからない状況で命を最優先に動く方たちが本当にいた事を忘れません。ダイヤモンドプリンセスのクルー、DMATのドクターやナース、船外からのあらゆる支援を厚労省や自治体の方たち…本当に現場は大変だったんだろうな…と。外野がぐちゃぐちゃ言う中で色々な立場があり、その中で自分の正義や使命感で判断して動く事は本当に心を動かされました。
あのコロナ禍で従事された方を本当に尊敬します。
また女性記者がなんか改心したような描写がありましたが、それはフィクションで本当は外野から都合の良いように面白おかしく真実を報道せず編集してたんでしょうね。実際はもっとゴミだったんだろうなーって見てました。
そとの人の無責任さが際立つ事件だったと思う
この映画はドキュメンタリー風のエンターテインメントと思う。Fukushimaと同じだね。
Fukushimaとの違いは,例のポンコツ総理が自分が主導するんだとめちゃめちゃにしたのに対し,今回は前例のないウィルスとの戦いを政治家ではなく現場の医者やクルー,官僚などが道を切り開いていく物語だったと思う。
その意味で,結城医師(小栗)は精いっぱい頑張っていたし,立松(松坂)は一見クールで四角四面な官僚かと思いきや,虚実をうまく使って周りの者たちを動かす辣腕ぶりを発揮した。こんな医師や官僚なら,きっとこの先の未来は明るい・・・はずだった。
そうだね六合医師(吹越),いたねー。確かに専門家かもしれないけど,結局この状況の経験は全くなかったことが露呈して,ただ,混乱と悪意を振りまいただけのア〇医師。
この映画では,現場の足を引っ張るヒーロー気取りのマスコミやユーチューバー,あるいは事なかれ主義と保身しか考えない政治家や官僚はあまりでてこなかった。そこはいいところ。
エンターテインメントとしてみると,映画が始まったときに感じた「チリチリとした皮膚感」は当事者だった経験が当時のことを想起するからだろうか?また,一番の盛り上がり場面は藤田総合病院に輸送する場面か?しかし緩い。事実だとしても演出次第で心に残るものになっただろうに,なぜか尻すぼみに感じた。役者はとても誠実に丁寧に演じていただけに演出的な緩さを感じた。とはいえ,ハリウッド映画のように血を吐いたり,パニックになったり,ゾンビが登場したり,殺し屋とハントの一騎打ちがあったなんてことはない。だがしかし,そこが惜しい(必要だとは言っていない)。ひたすらお仕事に徹しているだけの映画にも見える。
じゃあどうしろと?事実に近づけば地味になるし,過度な演出を付ければ嘘くさくなる。この辺が落としどころなのかな?
無力感を味方につけた傑作。
最前線での人の道、医は仁術
通常スクリーンで鑑賞。
ノベライズは未読。
DMAT、ダイヤモンド・プリンセス号のクルー、そしてマスコミ。それぞれのパートの描き方が濃密で、1本にまとめず3作に分けても良かったのではないかと思えたほどだ。
実話に基づいているからこその重みが、ずっしりとのしかかる。謂れのない差別や誹謗中傷に曝されながらも、未知の脅威の最前線で戦った人たちに頭が下がりっぱなしだった。
本来DMATは、ウイルス災害に対応する組織ではなかったことを今回初めて知った。では尚更尊いことだと感じた。
医療従事者だけでなく、クルーズ船のクルーも、誰かがやらねばならないことだからと、各自の役目を全うしていた。
自分たちの成したことを、まるで大したことではないかのように、「仕事」をしただけだと言えるのもすごいな、と…
驚いたのは、立松のような優秀な官僚が現場をバックアップしてくれていた、と云う点だ(最初に登場した印象では、この人の言動が現場を混乱させるのかもと思ってしまった)。
マニュアルの無い未曾有の事態に直面すれば右往左往してしまうのが官僚の勝手なイメージなのだが、現場の声を受け柔軟に対応してくれる姿は、理想的な官僚像を体現していた。
それぞれの場所で、簡単には想像し得ない苦悩と葛藤があったと思う。コロナ患者を受け入れたくない、受け入れるなら病院を辞めると言った医療従事者を批判する勇気は無い。
だが、結城が放った一言―「そんなことを言うなら医療の場から去るべきだ」は納得出来る。仙道の「こんな時のために俺たちは医者になったんじゃないのか」も胸を打つ。
医は仁術なり。医師の仕事とは、人命を救う博愛の道であるとする言葉だ。そして医師である以前に、彼らも人間なのだと云うことを痛感し、改めて感謝の念が湧き上がった。
映画「Fukushima50」を思い出す。あの時何が起きていたのか。恐怖と戦い、職務を果たそうと奮闘した人々に敬意を。
内実を知らず、物事を断片的にしか捉えないで好き勝手なことを言った当時のマスコミやネット民の行為は許し難い。
そして、報道やSNSに踊らされていた当時の自分にも腹が立つ。物事は多面的に見ないといけないと云う教訓である。
ここで留意すべきなのは、当時のマスコミを非難する目的でこのような描写をしているわけではないと云う点だと思う。
桜井ユキ演じる記者は、上司の命令と現場の事実の間で葛藤し、取材を行っていた。彼女も「仕事」をしていたのだ。
患者を愛知へ移送するシーンで車列を追跡しないと決断した彼女の心に、「マスゴミ」の一言で括れないものを感じた。
コロナ禍を経て、日常とは決して当たり前のものではないことを知った。その日常を守ってくれている人々がいることを知った。この映画はそんな名もなき人々の戦いの記録である。
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