「スポ根少女漫画+難病?」デュオ 1/2のピアニスト すーちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)
スポ根少女漫画+難病?
実話と書いてありますが、おそらく、手に障害を抱えた実在の双子のピアニスト、からインスパイアされた物語、ぐらいに捉えたほうがいいように思います。
舞台となるドイツのカールスルーエ音楽院は実在していますが、そこで繰り広げられるドラマがお粗末。スパルタ教授やイヤミなライバルの存在など、何番煎じ?という紋切り型のもの。ソリストの選考方法もコンサートの進行も滅茶苦茶で、リアルにあんな運営がされているとは考えにくい…
双子の青年期の葛藤とか、毒親からの解放とかも、ああ、またこういうのか、とげんなり。
目新しいネタとしては、二人で弾く奏法をどうやって編み出したか、に尽きると思うのですが、そこをサラッと流してしまったので物足りず。
見目麗しい双子が背中合わせにピアノを弾くシーンは美しかったです。
(ここは漫画なら見開き2ページを使って気合い入れて見せる場面)
フランス製作のクラシック音楽映画、近年の作品をわりと見ている方なのですが、「パリに見出されたピアニスト」「テノール! 人生はハーモニー」など、プロの「クラシックの」演奏者を目指す若者たちを描く、という意味ではどれもリアリティ皆無でファンタジーがすぎる…
今作は実話だから大丈夫かな?と思って見ましたがダメでした。
残念。
(余談)近年のクラシック音楽映画なら、TARは薄ら寒いぐらいリアリティがありました。米国製作のほうがちゃんとしてるのよ。
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