ドールハウスのレビュー・感想・評価
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呪禁師が登場してのちのシーンは、現実離れした怪奇な展開が続き、奇をてらいすぎていると感じました。
「ウォーターボーイズ」「スウィングガールズ」の矢口史靖監督が長澤まさみを主演に迎え、亡き娘に似た人形に翻弄される家族の恐怖をオリジナル脚本で描いたミステリー映画。
主演の長渾まさみと人形を配した本作のチラシは不気味で、両者の無表情が怖いのです。けれども、製作サイドによると、本作は「ホラー映画」ではないとのこと。「新たなジャンルの映画」として、「ドールミステリー」と呼ぶようです。
●ストーリー
鈴木佳恵(長澤まさみ)は5歳の娘・芽衣(本田都々花)を不運な事故で亡くして以来、落胆して日々を過ごしていました。ふとしたことから骨董市で芽衣に似た人形を見つけて衝動的に購入します。看護師の夫・忠彦(瀬戸康史)は、人形を連れ歩く佳恵を訝しがるが、佳恵が元気を取り戻すならと一緒に可愛がり、外にも連れ出していたのです。人形を我が子のように愛情を注ぐことで佳恵は元気を取り戻していきます。
そんな中で2人目の娘・真衣が生まれると、忠彦も佳恵も人形に見向きもしなくなります。ある日、人形と寝かせていた真衣の首に髪の毛が巻き付いており、気味が悪いと感じた佳恵は、人形をクローゼットの奥にしまうのでした。
やがて、5歳になった真衣(池村碧彩)がひょんなことから人形を見つけ出し、「アヤ」と名付けて一緒に遊び、アヤと会話するようになっていきます。真衣の幼稚園の先生は、この年代の子にはよくあることだと言いいますが、先生からは母子が首つりをしている場面や着物姿の女児が釜茹でにされている場面を描いた真衣の絵を見せられます。不気味に感じた佳恵はその絵とともに人形をゴミの収集に出したのですが、ゴミ分別に細かい管理人によって人形が戻って来てしまいます。
ついには家の中で人形により真衣が負傷するという事態になります。でも、人形の怪異に対して半信半疑の忠彦は佳恵の真衣に対する虐待を疑うとともに精神状態を案じ勤務先の病院に入院させ、心療内科医・竹内良子(西田尚美)の治療を受けさせます。そして真衣を佳恵と切り離して人形とともに母親の敏子(風吹ジュン)の家に預け、佳恵の希望もあり人形供養の依頼することにします。しかし、敏子の家でも怪異が起こり、敏子が負傷してしまい、付近の防犯カメラには幼い子に敏子が暴行された映像が残っていたのです。 傷害事件として敏子は逮捕されて、刑事の山本(安田顕)が担当することになります。
一方供養を依頼された人形が著名な人形師の安本浩吉作で高額で取引されることを知った寺の関係者である僧侶・寺嶋(今野浩喜)が横流しを企んで持ち出します。しかしその寺嶋も怪異に遇い負傷して忠彦の勤務する病院に搬送されるのです。寺の住職からは我々の手には負えないと謝罪され、人形は忠彦の手元に戻るのでした。
山本が人形を証拠品として押収したところに、寺から紹介された呪禁師の神田(田中哲司)がやってきます。こうして佳恵と忠彦は、神田の助けを借りながら、人形に隠された秘密を解き明かしていくのです。
●解説
序盤の展開はホラー映画風だ。成長した真衣が人形と遊ぶようになると、不可解な出来事が次々起こるまでの展開は、正調ホラーに近いです。出色なのは、人形からは何も仕掛けないこと。あくまで観客の想像力をかき立てる演出で、人形のアップだけで恐怖感を描き出しているのです。
ところが、人形を巡る謎がつまびらかになり、呪いを解く段になって、転調し始めます。マニュアル的な説明と安田顕、田中哲司らがきまじめに演じる人物によって、奇妙な味わいが、そこかしこに広がり始めます。それもそのはず、監督が「ウォーターボーイズ」「スウィングガールス」などの矢口史靖なのです。テンポの良さは矢口映画の真骨頂。中盤以降、皆がジタバタして、物語が転がっていくさまは、初期の監督作「ひみつの花園」などを思い出させ、うれしくなりました。同作で主演した西田尚美がちょこっと出ていて、ニヤリ😏。軽みのさじ加減は、確かに「ドールミステリー」と呼ぶのにふさわしいと思います。
●最後に一言
ただねぇ、人形が何度も戻ってくる展開は、この手の話ではお約束のことなのかもしれません。でも中盤以降の戻り方は、かなり強引だと思います。管理人がゴミの分別違反だと主張して、わざわざ捨てられた人形だけ持ってくるものなのでしょうか。
そしていくら著名な人形師の作品で高値が見込めるからといって、人形供養を売りにしている寺の僧侶が、お祓いの依頼を受けた曰く付きの人形を勝手に持ち出し、売り飛ばそうとするものかと疑問に思えてなりませんでした。
とにかく呪禁師の神田が登場してのちのシーンは、現実離れした怪奇な展開が続くのです。ラストの人形のアヤが自分を大切にしてくれる新しい父母が欲しかったのではと気づくというところは、かなり捻くりすぎているのではと感じました。
久々面白いJホラーに出会えた
矢口監督っておそらくホラー映画ってこれが初めてだと思うけど、やっぱ天才なんだなって思わされた
見せ方や物語の展開が分かりそうでわからない。久々食い入るように映画館で没入できた。
過去のホラー映画を彷彿とさせる展開もあり、ちゃんと理にかなった展開でしてるから違和感ないし、上手だなと感心させられた。
矢口監督恐るべし
超見やすいホラー
ホラーではあるが、ミステリーでもある。ホラー映画初心者にはとても易しい作品だった。ホラー映画見始めの人にぜひおすすめしたい!!最後の方の旅館でカメラ撮影📸のシーンは意味不明すぎてちょっとウケてしまったけど、それ以外はふつーに怖い。でもジャンプスケア的なのも少ないしホラー耐性ない人もいけるレベルだと思う。長澤まさみの演技が上手すぎて、最初の洗濯機のシーンから一気に惹き込まれた。幼い子を持つ親にとってはリアルに感じられるであろう事故の恐怖と、生きる人形という非現実的なものへの恐怖が見事にマッチしていて面白かった。最終的に物理で怪異を撃退!とか、全部まさみの夢オチでした!とかではなく、なんとも後味の悪い感じで終わったのが逆に良かった。そっちの方がリアルだよな、と。あやちゃんの行動と目的が一貫してたのもGoodでした!
とっかえっこできるものとできないもの、で考察
洗濯機は新しいのと交換(とっかえっこ)できて代わりがきくのに母親はそれを怠った
結果として代わりが効かない娘が洗濯機の中で窒息死してしまった。
しかし両親は新しく生まれた子を死んだ娘の「代わり」のように育てるというタブーをおかした
死んだ娘であるメイとドールセラピーとして一時的に愛されていたアヤ人形はどちらもそれ以降無下にあつかわれ続けたため、次第に両親を憎むようになる
アヤ人形は幻覚などを使い母とその新しい娘を喧嘩させ引き剥がそうとした
最後のシーンはメイとアヤ人形が「母親をとっかえっこした」と解釈できる
メイがアヤ人形の代わりに墓に入り、両親には幻覚を見せてアヤ人形を持ち帰らせたのだ
アヤ人形の母親は虐待する毒親だが、メイにとってはもはやどうでもいいことなのだ それよりアヤ人形の「お母さんを交換したいという希望」をメイは優先したと考えられる
めいさく
この作品だけじゃないけど
ホラー系の映画は、ストーリーを考えるのは難しいですね。
新たな、誰もがビックリするような展開は、なかなか思いつかないと思います。
ホラーの元祖エクソシストから、ラストの衝撃オーメン、なるほどそうだったのかの傑作シックスセンス、これらを抜ける作品はかなり、難しいでしょう。
この作品も、どうにかして新たな展開を作ろうとしているのは、分かりますが、ごちゃごちゃして逆に鬱陶しくなってます。
ラストで、まだ物語は解決してませんって感じで終わってますが、あれは止めた方が良かったですね、素直に解決された物語の方が、スッキリして良かった。
唯一、この作品で今までのホラー映画より良かったのは、ポラロイドカメラで現像された写真が、物凄くおぞましい物だった所でした、あれは斬新。
コメディとホラーは紙一重だ!
大声でそう言いたい作品です。コメディーが上手な監督は常々ホラーも上手いと思っているんですが、良い証明になりましたね。トータルすると軽いホラーなんですけど、ちゃんと感情を刺激する要点を押さえてあって流石だなぁと思う。凄く怖いわけでは無いし、色々考えることができる作品だ。
役者の演技も見事なもので長澤まさみがお母さん役をやるってなんかしみじみ時間を感じます。
一つ残念なのが見終わったあとの、後味が軽いことだ人形に騙され夫婦幸せそうな顔がなんとも言えない後味の悪さを演出したんだろうけどもう少し残るものがあると良い。
最近の予告編作る人は下手になったかな、ホラーの話なのにドールミステリーと煽って予告を作る意味はなんだろうか?そこを強く思った。
リング2でも見ながら、最近のホラーについて考えようかと思うきっかけの作品と消化しようと思う
驚かそうとはしない恐怖があった
極上のホラー映画!
恐怖と考察しながら見るホラー映画
自分自身ホラー映画は得意ではなく
予告編やネットで調べ、心の準備をして見に行きました笑
結果だけ言うと、終わり方はハッピーエンドで終わるはずがあれはきっと夫婦が洗脳されて終わったバッドエンドな感じなのかなと思いました。
人形に入れられた遺骨(娘さん)と島の墓に入れられてたお母さんが一緒になってはいけなかったのにも関わらず真相を知らないまま一緒のお墓に入れしまったことで…と思うと。。。
いい方向に進んでいた時の終わり方は?!何で考えるとちょっと面白いななんて。
ホラー映画苦手な人はお勧めしませんが、考えるのが得意というか面白いって感じる人は是非見に行って欲しいです。
あと、長澤まさみさんの演技が本当に上手過ぎてこれまた怖いです、。
めちゃくちゃ恐いじゃないか
家族連れでも楽しめる、どこか滑稽なホラー映画
矢口史靖監督作品。第45回ポルト国際映画祭でグランプリ(Best Film Award)受賞作品ということで鑑賞。
子どもを事故で亡くし、骨董市で手に入れた日本人形に愛情を注ぎ元気を取り戻す主人公。新たに娘が誕生することで、人形は放っておかれるが、その人形を娘が可愛がるあたりなら、人形に翻弄されるようになる家族を描くミステリーホラー映画。
人形が動くというお定まりの設定、過去からの因縁がそれに絡むという流れで物語は進み、人形供養という方向に展開していく。溺愛の連鎖に気付くかどうかは観るもの次第。
ゾワゾワ、ハッとさせられる場面が織り交ぜてあるが、適度にホラーで、不気味な滑稽さを表情を変えない人形を巧みに使って演出している点が興味深い。
主演の長澤まさみは、最近この手の配役がよくハマるなと感じる。義理の母親役を風吹ジュンが好演。
家族で見られる映画に仕上げている点で、商業映画としてはうまく作っているなと感じた。
軽めの娯楽としてはマル、映画ファンとして刺さるものなしという感じの映画。人形という存在自体が、ホラーであることを再確認。
劇場に飾ってあった人形に「さわらないでください⚠️噛みつきます(時々)by 矢口史靖」の注意書き😂
怖すぎないけどちゃんとホラー
悲しい事故の導入部から、序盤はコメディ要素も含む展開で、だいぶ駆け足で進んでいきます
中盤、人形が人形扱いされるようになってからが本番
どんでん返しが繰り返されるホラー文法は丁寧に踏襲していて、このパートのストーリー展開も人形ホラーのお約束を外さない、「ちゃんとしたホラー」です
終盤に登場する田中哲司さん、「来る」の比嘉姉ほどの強者感はありませんが、怪異に対峙し抑える力がある能力者や専門家が活躍するシーンはアガりますね
ただ、バトルは繰り広げないので、「来る」や「サユリ」のようなムネアツ展開はありません
全体通して、とても丁寧に作ったという印象です
ストーリーも定石は外さず、かつ人形ホラー展開としても陳腐過ぎないので、観ていて飽きない2時間でした
また、スケアジャンプやスプラッターシーンが殆どないので、それらが苦手な方でも多分楽しめるんじゃないかなと思います
それにしても、ここまで誰も死なないホラーは記憶にないかも…
今後のJホラーへの期待を込めて。
久しぶりにテンポが良くてストーリーテリングが上手いJホラー作品を見た気がする。怖いというよりもミステリー映画だったが見応えがあったので最後まで飽きずに十分楽しめた。
ネタバレはしないが「エルム街の悪夢」のオマージュ的なシーンがあって嬉しかったしちょっと笑ってしまった。完璧とは言えなかったが「リング」の頃のJホラーにあった過激な描写よりも物語を大切にするタイプの作品だったので今後への期待も込めて3.5。個人的には田中哲司が良かった。彼が登場するとなんか安心して見れる。印象に残るようなアイコニックなシーンがあればホラー映画として完璧だったがとりあえずはJホラーが向かう先に良い影響を与えそうな予感のする質の高い作品だったので今回は良し。グロさは無く、人はあまり死なないのでホラーが苦手な人も安心して見れる。
タイトルがしっくりこない
他の方たちのレビューも読んで
まあやっぱ「礼ちゃんをもうちょい丁寧に扱ったれよ」ってのが……
そりゃご都合というか、そうしなきゃお話にならんというのは分かるけど
幼い子供の霊・ドール・"かつて我が子として扱ったもの"のどの視点においてもなんかちょっと不快感のある雑さを感じてしまった。
だからあのオチに対しても「そりゃそうでしょ」が先に出る。
ただまあ、なあ……
じゃあその辺のお気持ちを礼ちゃんに喋らせるかっていうとそれは色々台無しだし
なんか無理やりにでもアクション起こさないと「見てない間に動いてる!」以上のネタも出来ないし
人形モノって難しいんだなと改めて感じた。
意外な怖さ
矢口監督は明るい作風のイメージでしたが、いい意味で予想を裏切る作品になっていました。
ゾクゾクくる怖さ。ホラー苦手な自分にはちょうどいい塩梅でした。
以下、強烈に印象に残った場面を挙げます。
・強烈な怨念を持っている礼。その想念は真衣にもどんどん影響を及ぼします。祖母の腕を噛んだか父・忠彦が確かめる時にカッと目を見開いた真衣がかなり怖かった笑
・礼ちゃんが関わる人によって構い方を変えるのが面白かったです。ゴミ収集員や煩悩僧侶は殺しかけるのに、なんで刑事には自ら車の車輪に挟まりに行くんかい爆笑
しかも「い…た…い」て。誰が見ても分かるわ!
次は、気になった点です。
・箱に貼ってあった「呪詛返し」ってつまりどういうことか?何に向けての呪いを礼に返したのか?サラッと流されてわかりませんでした。
・礼と母親の関係の真実について最終盤で明かされる
→なら人形として作った意味は?虐待を知っていたのか?作者と妻は不仲だった?それとも娘を不憫に思った?単に気が触れた?解釈しろ、ということでしょうか。
結局夫婦は礼との因縁を断ち切るどころか、逆に呪いに取り込まれてしまいます。でもそこまで不憫さは感じませんでした。そこで冒頭の芽依の死が効いてくるんですね。おやつの買い出しのためだけに母・佳恵が家の中を子どもだけにしたせいで、実の娘が洗濯機に閉じ込められてしまった。一応刃物やガス栓に気を配る描写はありますが、まだ想像力が足りんなと(独身ですが)。廻り廻って因果応報になる、という終わりになりましたね。家族を持つって難しい…。
礼はあの後、どうなるんでしょうか。あの夫婦を破滅させたら、また新たな親を探すのか…?どうやったら本人が怨念から解放されるのか…?
考える余地のあるホラーでした!
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