「形」ドールハウス ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
形
これぞジャパニーズホラーといった趣きを感じられ、日本人形の奥ゆかしさと不気味さがどう活かされるのかというところを期待して観に行きました。
所々ゾワゾワっとさせられる部分はあったんですが、ホラーにストーリーや辻褄を求めてはいけないと思いつつも違和感が積み重なってしまい、そのせいか怖さも半減してしまって首を傾げながらの鑑賞になってしまいました。
今作はジャンプスケアに頼らない演出をしており、叫び声はもちろんありますが、基本的には人や人形の挙動や表情、日常の些細な変化でおどろおどろしく攻めてくるのでしっかりビビりましたし、他の観客がどちゃしこビックリしはるので、ホラー映画だわぁという雰囲気にさせてくれました。
個人的には最初が1番怖かったかもです(ホラーではない)。
かくれんぼで洗濯機に隠れたがために、洗濯に巻き込まれて…という事故が現実でも起こったニュースを見たことがありますし、今作の母親もそういうところに気をつけていたのにそうなってしまったというのは深く傷ついただろうと思いました。
そこから骨董市でシンパシーを感じた日本人形を買ってくるまでも流れは謎ですがまぁ許容範囲内です。
そこからドールセラピーなるものを見つけて、それをきっかけに立ち直っていく様子が描かれ、そんな中で子供用品のお店の店員さんが話しかけたら人形だったというところはそうなるよなという変な納得感がありました。
そこから実の娘が生まれて、人形は雑に扱われていくといった人形ホラーでよくある展開になってくるのですが、娘がなぜか不気味がらずに一緒に寝たりするとんでもねぇ肝っ玉なのもあってどんどんホラーが加速していくというところはスムーズで良かったです。
人形の礼の無表情さ、生きているかのような動きだったりが恐怖感を煽っていたのですが、徐々に表情が変化していくまではまだしも、目ひん剥いて歯食いしばってみたいな阿修羅みたいな表情は怖いとかよりもこっちを笑わせにきたのかな?ってくらい怖くなかったです。
引っ掻くとか噛み付くとかいうのも傷や遠目の防犯カメラでの映像でしか出てこないので、せっかくならガブガブガリガリいってるところを描いて欲しかったです。
あと娘と表情がなぜかリンクするところはビックリしたんですが、なんであそこリンクしたんだ?という疑問が勝ってしまいました。
中盤から終盤にかけての展開はドッタンバッタンしていて色々と大変でした。
人形をお焚き上げでなんとかしようと思ったのに上手いこといかず、結果人形の専門家に頼むも警察が関わってめんどくさい事になり、そこから人形を探していた爺さんに見せると厄介払いされ、礼の母親の元に戻しに新潟県の島まで行くという遠回りの連発。
中々に回りくどい展開にヤキモキしましたが、そこからの流れもこれまたダルい展開が続くのでお腹いっぱいでした。
現実世界と妄想の世界がグチャグチャになったラストもあんまし怖くなかったですし、スッキリ終わるか余韻をスパッと残して終わるかして欲しかった気がします。
地味に気になったのはなぜか登場人物皆様家に鍵をかけずに出ていくので、序盤は泥棒のリスク、終盤は人形が勝手に出かける等々のリスクがあるはずなのに全員ものの見事に鍵をかけずなので、進行する上で仕方ないという訳でもなさそうなのが厄介さに拍車をかけていました。
ライトなホラーという点では「見える子ちゃん」と肩を並べてオススメできる1本だと思います。
ストーリーはアレですが、身近な人をビビらせてやりたいな〜という気分の時にはいいかも知れません。
鑑賞日 6/17
鑑賞時間 12:45〜14:50
映画チケットがいつでも1,500円!
詳細は遷移先をご確認ください。