平場の月のレビュー・感想・評価
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重すぎる、ちょっと耐えられない
「メイン・テーマ」を同時期に聴いていた同世代にとって
親の老い、自分の病気、そして別れは重すぎた
やっぱり映画は、ワクワク、楽しいのが好きです
綺麗事ではすまない大人の恋愛
原作未読。
大人の恋愛というだけではすまない作品だと思った。
物語が、現在→過去(中学時代もおりまぜ)→徐々に現在へ‥
の構成になっていて、効いていたと思う。
冒頭の青砥はどんな状態で自転車に乗っていたのか、
窓の外を眺める須藤を見つめる青砥、それぞれの感情など、
追ってわかっていくのが良い。
青砥と須藤の再会場面から、徐々に想いを通わせていく、
想いを紡ぎ上げ方も実に良いのだ。
それは、中学時代のふたりの想い出や、これまでのそれぞれの厳しい人生が
あったからこそ、やはり原点に戻るというか、ふたりとも相思相愛だった中学時代の
気持ちに辿り着いたのだろうと思う。
須藤が大腸がんを患っていることから、想像できるエンディングではあるものの、
やはりこの受け止めは青砥の気持ちや須藤の気持ちがわかってキツイ。
青砥の鈍感さにイライラもするけれど、現実的には男なんて鈍感なんだよな。と。
こういう恋愛のカタチを見れるのも映画ならではの体験だ。
それにしても俳優陣の演技がすごい。
堺雅人は、ちょっとおおげさというか、演劇的だなぁと思うがそれがよかったり、
井川遥は、オーラの消し方というか、サバサバした感の出し方とかすごい。
もっとも本作で演技が素晴らしいと感じた。
脇を固めた大森南朋、吉岡睦雄、宇野祥平、塩見三省などなど実に味わい深かった。
鑑賞中も鑑賞後も心にズシンときた。
けど、大事な人に想いを伝えることと、悔いなく生きねばと思った。
50代のラブストーリー
期待もしないで、なんとなく観てみようと思う程度で初日に鑑賞。
50代の恋愛だけではなく、生活の中での中年会話もリアルに描いてあり、映画の中に入り込んでしまいました。
焼き鳥屋さんで流れた薬師丸ひろ子の「メインテーマ」思わず口ずさみそうになり、同世代だな〜と思ったり…悲しくせつない作品なのになんか懐かしさを感じるほのぼのシーンは堺雅人さんの個性的な優しい笑顔のせいでしょうか。
色々な事に疲れている50代以降の方には特に是非観ていただきたい映画です。
帰り際、しばらく余韻に浸れますし、なんか生きる力も貰えるかもしれません。
【”中学生の時の憧れの君との再会。そして・・。”今作は酸いも甘いも経験した50歳を超えた中年男女の大人の恋愛映画であり、名優堺雅人さんの泣き笑いの演技及び出演ベテラン俳優が全て良き逸品である。】
■妻(吉瀬美智子)と別れた青砥(堺雅人)は、アパートで一人暮らし。近くの小さな印刷会社で働いている。彼は、胃カメラの検診を受けた時に受付に居た須藤(井川遥)と中学以来の再会をする。
二人は少し驚きながらも、青砥の”互助会みたいな感じで、時々呑まないか?”と言う須藤への提案に、彼女は素直に承知するのであった。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・序盤はコミカル要素を絡めて、物語は進む。何より妻と離婚した青砥と、夫と死別した須藤が戻って来たのは、中学の時に住んでいた土地で、そこには中学の同級生(安藤玉枝・宇野祥平・大森南朋・吉岡睦雄)等が、今でも住んでいるのだから。
そして、彼らは頻繁に会っては酒を呑み、江口(大森南朋)の娘の結婚式には皆で参列し、その後に又、呑んでいるのである。
ー 楽しそうだなあ・・。けれども、プライバシーは余りなさそうだなあ・・。ー
■彼らはお互いに気を使わないし、名字で相手を呼ぶ。青砥も須藤も相手を名字で呼ぶのである。時には青砥は須藤の事を”お前”とも呼ぶのである。須藤は少しムッとするが、それがお互いに心惹かれて行くうちに普通になっていくのである。
そして、物語は彼らの中学校時代と現在とが交互に描かれる。この物語進行もとても良いのである。
・須藤は、幼い時に母(松岡依都美)が5年家を出て戻って来るも、夫(黒田大輔)に激しく拒絶される姿を見ているからか、同級生男子に告白をされるも”興味が無いから。”とそれを受け入れない。心に鎧を纏っているようである。青砥も拒否されるが彼は須藤の頬に自分の頬をそっと触れさせるのである。少し須藤は驚くが嫌な顔はしないのである。
そして、このシーンは大人になった二人が、家呑みをするようになった須藤の部屋で結ばれるシーンにも、効果的に連動しているのである。
■今作では、上記したベテラン俳優以外に、青砥と須藤が良く行く焼き鳥屋のご主人を演じた大変な病気をされた塩見三省さんが、個人的には抜群の存在感で魅せてくれるのである。
白い髭を蓄え店の端の椅子に座り、ほぼ台詞無しであるが、彼の視線は店内の客の様子を見て店員に的確な指示を出すのである。
ラジオから薬師丸ひろ子さんの”メイン・テーマ”が流れた時にいつものカウンター席に座った青砥と須藤が”えーっと‥”と言っているとタイトルを教えてあげたりね。
そして、このシーンが再後半のシーンに効いてくるのである。
・須藤に大腸癌が見つかり、心配した青砥は体調が良い時に温泉旅行に行こうと誘う。彼女は”温泉かあ。”と言い承諾するが、一年後の12月20日にしようと言うのである。
このシーンで、冒頭の青砥の部屋に息子(倉悠貴)が尋ねてきた時に壁に掛けてあったカレンダーの12月20日の日の赤丸を問われるも曖昧な返事をする青砥の姿の意味が分かるのである。
だが、再検査の後に青砥が状況を聞くと、須藤はVサインを出すもVを徐々に寂しそうに曲げるのである。そして、彼女は突如別れようと青砥に言うのだが、青砥は”一年後に温泉旅行に行く約束をしたじゃないか。”と言い、須藤は一年間は会わないが、旅行することを了承するのである。
■だが、或る日、青砥は須藤が亡くなっている事を同級生から聞く。
彼は自転車を猛スピードで須藤のアパートに走らせると、そこには須藤の妹(中村ゆり)が部屋の片づけをしているのである。彼女は”姉から親戚以外には告げるなと言われて・・。青砥さんにはと思ったのですが・・。すいません。”と詫びるのである。
このシーン以降での堺雅人さんの泣き笑いの表情の変化の様は凄い。
青砥は同僚(柳俊太郎)の主任祝いの席で席を立ち、須藤といつも座っていたカウンター席に一人移る。
そこにラジオから流れて来た”メイン・テーマ”。
”笑っちゃう、涙の止め方も知らない。”と言う歌詞が流れる中、彼は初めて大粒の涙をカウンターに落とし、号泣するのである。
その姿を見た塩見三省さん演じる主人は、その声が回りに聞こえないようにボリュームをそっと上げるのである。
『このシーンで涙を流さない人はいるのだろうか』と思う程の、堺雅人さん演じる青砥が涙する姿は心に響くのである。
<今作は酸いも甘いも経験した50歳を超えた中年男女の大人の恋愛映画であり、名優堺雅人さんの泣き笑いの演技及び出演ベテラン俳優が全て良き逸品なのである。>
エンドロールまで見て欲しい
ラストシーンからエンドロールにかかる星野源さんの曲がとても儚くこの作品を締めくくってくれます。
切なく儚い歌詞、メロディ。彼女からのメッセージに聞こえて泣けてきます。ここまで楽曲が映画の一部と感じる作品はそうないと思います。
しかし何故1年間も‥お互い会いたかっただろうに。
考えるだけで切なくなります。
なんかちょうどいい人。
妻と別れ母の事もあり地元に戻った印刷会社勤務・青砥健将と、旦那と死別し地元に2年前に戻りパートで生計を立てる須藤葉子の話。
検診帰りに立ち寄った院内の売店で中学時代に思いを寄せてた須藤と再会する青砥だったが、病院帰りに立ち寄る公園で“たまには会おう”で始まる互助会的な2人の交流だったが…。
原作未読、中学時代に思いを寄せてた人との再会でお互いフリーの身、互いに歳を重ね大人になってからの再会…このストーリーが何かいい!いいんだけど…こんなオチかぁ。
須藤の男歴、略奪婚、年下男に惚れ貢ぐエピソードには何か残念と感じてしまったものの、後に分かる大病、病気、術後に待つ大変さを全て受け止めようとする青砥の姿には泣けてくる。
もう一度、恋と青春を楽しむ2人の姿、仕事帰りに待ち合わせの居酒屋、自転車の帰り道、お金が無いからと言って行く須藤の家での家飲みが何かリアルで切なくて良かった。
須藤の中学時代を演じた一色香澄さんにも今後期待!居酒屋大将の察しのよさと優しさ、エンドロールに流れる星野源さんの“いきどまり”も良すぎた。
11/17
2回目の鑑賞、より深く観れて良かった。
50代の青春謳歌
2人の設定が50代らしいのですが、いい歳の取り方なのかなぁと思いました。
お互いに相方に恵まれた短い期間、でもきっと青春謳歌な期間でもあったのかなと思います。
焼き鳥屋酔いしょで流れる、薬師丸ひろ子のメイン・テーマは、たまたまこの前日にカラオケで歌っていて、ちょっとびっくりしました。
お店のオヤジ塩見三省がいいかんじのふんいきでした。あのオヤジさんに相手にされたいですね。
気になるシーンは、中学生時代の部活のシーンで、「ブルマじゃないんだ」と同じ50代でも時代を感じました。
大人
原作未読。
キラキラでもドロドロでもない絶妙な恋愛が個人的に新鮮で良かった。
少し感情移入しにくかったし、関西の男の必要性が疑問だったけど、最後にはウルっと来た。
星野源の主題歌が良すぎる。
青春
いくつになっても、このような恋愛ができるって素晴らしいことだと思います。
言葉の選択がとてもよかったです。
最後、そばにいてあげられなかった青砥の喪失感が切ない。
(鈍感というご指摘が多いですが、(タイミングはさすがに微妙ですが)それで納得してくれるなら、と、すっきりさせたい勝手な男心というか⋯(^_^;))
星野源の楽曲もとてもハマっていて余韻に浸れました。
終盤になるほど、葉子が貢いでいた姿が想像つかなくなり、そこだけ違和感が残りました。
ありきたりのことをして来れなかった大人たちによる、人生最後の煌めきの物語でしたね
2025.11.14 イオンシネマ久御山
2025年の日本映画(118分、 G)
原作は朝倉かすみの同名小説
30年ぶりに中学時代の想い人に再会した中年を描いた恋愛映画
監督は坂本裕康
脚本は向井康介
物語の舞台は、日本のどこかの街(ロケ地は埼玉県朝霞市)
印刷工場で働く青砥健将(堺雅人、中学時代:坂元愛登)は、先輩社員のヤッソ(でんでん)、後輩のリリー(柳俊太郎)らに囲まれながら、中学時代の同級生・安西(椿鬼奴)たちと一緒に働いていた
彼には元妻・みづき(吉瀬美智子)との間に成人した息子・健介(倉悠貴)がいて、彼はいまだにフラフラして母親をイラつかせていた
ある日のこと、健康診断にて指摘を受けて病院を受診した青砥は、その病院の売店にて、中学時代の想い人・葉子(井川遥、中学時代:一色香澄)と再会することになった
そこには同じ中学時代のクラスメイト・海野(安藤玉恵、中学時代:古川凛)もいて、少しばかり懐かしい気持ちになった
さらに幼馴染の江口(大森南朋、中学時代:坂口琥之佑)の娘(芹澤雛梨)の結婚式にて、森(宇野祥平、中学時代:斉藤汰鷹)、後藤(吉岡陸雄、中学時代:松藤史恩)とも再会し、昔話に花を咲かせることになった
江口はかつて葉子に告白し、秒殺された経験があり、青砥も同じく玉砕していた
だが、当時の葉子は恋愛どころの騒ぎではなく、荒れた家庭環境の中でどうやって生きていくかを模索していた
彼女は「誰ともそんな関係にならない」というものの、その後の人生では金持ちと結婚したり、美容師の鎌田(成田凌)に貢いだりして、波乱の生活を送ってきていたのである
物語は、中学時代の忘れ物を取りに戻るような感覚で人生を過ごす青砥と葉子が描かれていて、ある程度人生の先が見えている大人が描かれていた
病気と死が身近になり、自分にも順番が回ってきたかと冷静に思える年頃となっていて、そんな中でも人は恋愛感情を有して、劇情に走ることもある
そう言ったリアルが描かれていて、かなり年齢層が高めの設定になっている
若者から見れば「気持ち悪い親世代の恋愛」となっていて、さらに過激なシーンもあったりするので結構キツいようにも思える
それでも、この映画は記憶の片隅に残って、30年後ぐらいに良さがわかるのかもしれない
物語は、ある程度の年齢に達しているので「体のどこかに不調が出てくる世代」となっていて、同世代の死に直面している人もいれば、親世代を看取った経験がある人もいる世代となっている
葉子は配偶者を亡くし、青砥は両親を亡くしているのだが、そう言ったことも普通に起こっていくし、いずれは自分の番が来ることもわかっている
同世代には子どもを送り出している人もいるし、第二の人生がスタートし始めていて、そんな時に「新しいこと」を始める人もいれば、「やり残したこと」を再開する人もいる
青春時代にしかできなかったことを後悔することもあり、当時は恥ずかしかったり、同調的で嫌悪があったものも「やっておけばよかったな」と思えてきたりするものだったりする
そんな中で、不意に起こった初恋の人との再会に青砥が色めき立つのは自然なことなのだろう
ぶっちゃけると青春時代の面影を残していたり、理想的な成長を遂げている人の方が稀で、夢が壊れることの方が多いように思える
そんな中で、初恋の人が想像を越える大人になっていたらというのはファンタジーかもしれない
人がどのような成長を遂げて大人になっていくのかはわからないが、親としての役割を終えた世代に起こることというのは案外ピュアで見ていられないものなのは普通のことだったりするのだろう
いずれにせよ、本作では初恋の人の終末に寄り添うという流れで進むものの、ラストには悲しいサプライズが待っている
ある意味、理想的な恋愛の終わりなどではなく、後悔だけが募る内容となっている
だが、決めて生きるということを念頭に置いた人生を過ごしてきた二人なので、葉子の選択も彼女らしいし、青砥の行動もらしさが滲み出ている
だからこそ、ああいう終わり方になるのだと思うのだが、あまりにもリアルテイストなので、距離感を感じてしまう人が多いのは仕方ないのかな、と思った
全150件中、141~150件目を表示
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