平場の月のレビュー・感想・評価
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こんな映画もいいなー
吾唯足知、私は、ね。
原作には何も触れず、観に行きました。
平日の昼間にも関わらず、結構入りが良いなぁというのが、第一印象でした。とくに熟年カップルが多いなと思いました。皆さん、何を目的に?と自分を差し置いて思いました。
私は堺雅人さんを観たくて行きました。感情の起伏が並でない役柄の印象が強い俳優さん(指摘感想)が演じる日常は、やはり、日常に埋もれがちなドラマを、浮き立たせていたように感じられました。
普通の顔して、みんな結構、ワクワクしたり、しんどい思いもしながら、生きてるんだぜ〜!ってなメッセージをいただいた気がします。
そんな生き方をしたら、いつか、塩見三省さん演じる、酒場のオヤジさんみたいになれるのかしら?などとも、考えました。
改めて、今の幸せを確認に来た行動だったのかな?とも感じました。
近所の朝霞市の風景は、見覚えのあるものでしたので、住民ではありませんが、なんか嬉しい気がしました。
元鞘?焼け木杭?悪いことは出来ない…
平場の恋
『平場の月』という映画を観に行って来た。
学生の頃、好き合っていた男女が、時を経て再会する。お互いは各々結婚し、そして離婚しそれなりに普通の生活を取り戻していた。そんな時、偶然再会するのだった。逢った瞬間、あのほろ苦い青春の思い出や、かつて好き合った心の動きが反応する。いまはお互い独り身なので、何度か食事を介して逢瀬を重ねる。やがて『再婚』を考えるようになる。ある夜、男が打ち明ける。しかし、女は断る。自分の病氣が助からないと知ったからである。一度は、2人で病魔と闘おうと頑張って、克服したかに見えたが再発してしまったのだ。男が再婚を告げた時、女はやがて死に行く自分に愛する人まで道連れに出来ないと決心したわけだ。彼は、彼女と別れてから1年後に、彼女が死んだことを知る。
この作品のいいところは、平凡な、普通の、目立たない日常生活を送っているその人間模様を通して、何が1番大切なのかを教えてくれているところにあると思う。考えてみると、生きていくのに気負いとか望外な欲望など全く必要ない。普通でいいのである。周りのことなど達観して(無関心とは違う)いればいいと思う。この作品を見終わって、そう感じた。
余談だが、セリフの多い映画だから私のように耳の悪い者にとっては、字幕スーパーを設置してくれると、より感動が伝わってくるのである。
主人公とは住所、職業、年代が同じ
なので観に行きました。
朝霞周辺はよくロケに使われるくらい環境が良いのですが、この映画は全編朝霞ロケと言って良いくらい朝霞の映画になってるのが凄い。
もちろん井川遥と堺雅人の好感度高い人気俳優を使ってるのも良いですが、演出が繊細で脚本も繊細、役者陣も繊細でアドリブ的なものも凄く良い。
だから物語に凄く説得力と共感が生まれます。予告編で観た内閣総理大臣を取り調べるTVドラマの劇場版らしいシロモノで、やたら喚きまくってるのは絶対に観ないのですが、それとは真逆の映画です。
ただ頻繁に出てくる回想シーンはドラマに上手く機能しているとは言えず、逆にテンポをやや悪くしている。冒頭にまとめて短く描くか、バッサリと切っても良かったと思う。
局制作ではない「国宝」の新記録大ヒットは素晴らしいが中身がイマイチ。
今年は邦画に良い映画が無いなーと思っていた所、この作品に巡り会えて良かった。
なんか後に残る
普通の日常の映像美
(おまえのこと)だいぶ好きなんだ!
『平場』の意味が今ひとつぼんやりしてたのでググってみました。
【特別な存在ではない「普通の場」や「一般の人々」のいる場所・立場】
そうか、青砥と須藤は(同級生たちなんかも)まさに平場の住人なんだぁ。でもそれぞれにとっては誰もが主人公って昔さだまさしさんが言ってました!
例えば秒殺振られの江口(大森南朋さん)の娘さんの早い結婚も印刷会社での椿鬼奴さんの普通のおばちゃんぶりやでんでんさんとの会話なんかもごく普通(すぎるくらい)に平場なんですよね。
そんな平場で再会した中学生時代の同級生二人!確かに劇的出会いではないかもしれませんが青砥にっては離婚して戻ってきた故郷の街では大事件だったでしょう。まさに♪ずっと好きだったんだぜ!(斉藤和義)♪の世界!
葉子(井川遥さん)は太いタイプなんですね。美容師のクズ野郎元カレ(成田凌さん)にもバレてました!色々とあったもののアラフィフの幼なじみが支え合って生きていくのも悪くない気がしますけどね。最期を看取ってもらえる人が近くにいるだけで幸せだと思います。
最後の居酒屋で同僚たちから離れた席での青砥(堺雅人さん)の絞るような泣き・嗚咽は沁みました。主人公のお二人(井川さんと堺さん)の会話、自然なやりとりで全編アドリブじゃないかと思ってしまうくらいでした。
中学時代の葉子(一色香澄さん)なんかみたことあるなって調べたらドラマで北川景子さんに誘拐され育てられた女の子なんですね。ドラマでもよくやってるなって感心しましたが全く井川遥さんの子供時代(当時から太い性格の)を見事に演じられてました。
エンディングでの中学時代の自転車二人乗りはキュンとしました。
あと葉子の妹(中村ゆりさん)ここのところドラマで大活躍で個人的に大注目の女優さんです。またこの映画でキモになると思ってます居酒屋の主人(塩見三省さん)よかったですね。薬師丸ひろ子さんの『メインテーマ』♪愛ってよくわからないけど傷つく感じが素敵♪
いいですね、二人の関係を表しているようです。(薬師丸ひろ子さん写真集持ってました。3部とも)♪そんな年頃ね♪
観終わったあと目頭を熱くしてるところへの星野源さんの曲、沁みすぎです。今年の締めになるかもしれない作品でしたが年代的にもドンピシャで泣かせていただきました。よかったです。
大人の映画
良い余韻が残る...しかしとても切ない
主人公(青砥)と、中学時代に想いを寄せ50代で再会した須藤が、互いに求め合いながらも微妙にすれ違う。絶妙なシナリオや計算し尽くされたプロットは用意されず、2人の不器用さ故に展開する、"まぁ、あるかもしれない" もどかしげなストーリー
劇的ではあるが、(最近の邦画にありがちな)用意周到な物語でも、強引に"泣かしに行くお話し"でもないのが、この映画の最大の美点
いい感じに感情移入して観ていると、「え〜、何で今その選択?」などとつい思ってしまう。しかし、常に"客観的に正しい選択をする訳ではない"のが現実の人生。そういう経験が豊富な世代ほど、ササる映画ではないかと
「平場」という言葉は自分の語彙にはなかった。「普通の」という意味だが、確かにこの映画では終始、"普通"の生活風景が描かれる
東京近郊の市街地で普通に働き、通勤は徒歩や自転車。帰りにスーパーで買い物、月に数回は飲み屋にも立ち寄るがそれ以上は経済的にちょっとキツイので家呑みも多い。みたいな
(離婚した後、)親の介護の都合から地元に戻り、職場に「おな中」がいたり、たまに同級生で集まって呑んだりする
50代にもなると、健診で引っかかって再検査を受け、ポリープやらガンやらが見つかったりすることも...
描かれるシーンは普通にある出来事だらけだが、30代以下は多少共感が難しく、40代はそろそろ実感?、50代にはあるある多し、60代以上には実体験と重なりすぎる所もありちょっとシンドイ?
しかし、井川遥さん演じる須藤は、必ずしも普通じゃない特殊なキャラクターで、これがこの物語の殆ど全てをカタチ作っている。ソトから見てどう映るかはさておき、本人は"納得"の人生。そういう"覚悟"で生きている人の人生を観る物語だと思うし、そこがまた、とてもセツナイ
(切実すぎて、泣けないけどね)
P.S.
冷静に考えると、別れた元妻が吉瀬美智子で、初恋相手&恋人が井川遥って、ちょっと"平場"ではない、かも...
P.S. (2)
同級生役の安藤玉恵さん、今回も"平場の人"を好演!!
玉ちゃん出演作に、やっぱりハズレなし
さえないバツイチ男が自己肯定感の低い女にハマる話
中学時代の初恋の女性と50歳の離婚独居男が出会って恋に落ちる話。
向井康介さんの脚本で新しい切り口に期待して観に行ったけど、監督がダサいからか退屈だった。クライマックスのラブシーン、急に手持ちカメラに切り替えるのやめてもらいたかった。同じ世代からみても美しくない。
ひとつだけ、だよね、と思ったのはネックレスとリングのくだり。男をふった女子に理由をきくと、いきなりリングをプレゼントされてドン引きしたというのが多いからだ。このあたりの描写はうまいな、と思った。
会社でも家庭でも存在感がなく、男性どころか人間扱いもされない中年男性が、自己肯定感が低い(病弱、家庭内ハンデなどあればなおよし)女性なら、助けてあげられて、感謝されるからといって、大切な家族を犠牲にしてキャバ嬢に入れ込む。
本作のヒロインは井川遥さん。この超美人の俳優の自己肯定感が低い設定を観客に納得させるため、悲惨な過去の回想シーンが必然なのもわかる。わかるからくどかった。
でも、その辺のキャバクラにいけば、超美人なのに自己肯定感が低い女子なんかいくらでもめぐりあえる。なぜなら、それが、コンプレックスを抱えた男に対して一番効果がある武器だからだ。
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