平場の月のレビュー・感想・評価
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本質的な心の豊かさとは。幸せとは。
近い将来変わってしまう「池袋東口」の光景。
遡って彼等が中学時代の学校や教室の空気感。
貼られてた「宇宙の地図」などの掲示物。
視界の移り変わり。気持ちの移り変わり。
同じ時間を生きてきた人間として全てがリアル。
忘れかけていた記憶や感情を映画のスクリーンに、
いきなりバーンと大画面で映された印象をうけた。
星野源さんの「いきどまり」を聴いて
これは…一切の情報を入れず観たいと来たが、
素晴らしい作品だった。
井川遥さんが本当に素敵だし、
同僚と仲良くストレスなく働いている堺さんが、普遍的な幸せを何より気づかせてくれる。
個人的に全てのバランスが絶妙だった。
本質的な心の豊かさとは。幸せとは。
近年1番胸に刺さった作品。
キチンと「大人」で「平場」。だからこそ残る余韻
とてもよかった。
号泣タイプのドラマチックな作品とは一線を画し、予告編が伝えてくる世界観そのままに、登場する役者たちの滋味深い演技が、静かにしみ込んでくる一作。
堺雅人、井川遥2人のセリフまわしや振る舞いの一つ一つが、愛おしくなるくらい、登場人物そのものとして立ち上がってくる。
周囲の役者たちも実力者揃いで、特にでんでんと塩見三省の2人が、今作の味付けをより豊かにしていた。
この季節にピッタリの良作。
<ここから内容に触れます>
・予告編がとてもよく出来ていたと思う。「予告編を超えたか超えないか」がその作品の評価として語られることがある中、観終わってみると、予告編が本編そのもののエッセンスを、ぎゅっと絞ったという感じがして、度々見返して浸りたい出来だと思った。
・例えば、予告編にもでてくるが、居酒屋での井川遥の手の挙げ方が、もう大好き。あれだけで、彼女の「人には頼らないと覚悟して生きている凛とした感じ」や「素直に青砥と会って話せる喜びや緊張感」が伝わってきて愛おしい。
・「お前、あの時何考えてたの?」「夢みたいなことだよ。夢みたいなことをね、ちょっと」というやり取りの切なさ。観終わると一層切ない。
・須藤と青砥が人として対等であるところ(あろうとしているところ)が肝。
例えば、青砥は須藤に「なんで青砥は、お前って呼ぶの?」と詰められる。青砥からすると「友達のところはみんなお前と呼ぶ」というだけの話なのだが、それ以降はちゃんと「須藤」と呼ぶようになる。そういう、気楽に相手に依存していかない、大人さ加減の積み重ねがいい。
・「それはもうファンタジーだよ」という言葉の納得感。その後の「恥ずかしい」「俺だって恥ずかしいよ」もよかったなぁ…。
・立教を出て、金融機関で長年勤めてというキャリアも都内の家も全てを清算し、地元に戻って病院の売店でパート勤務をしながら、アパートで清貧な一人暮らし。
「死んだ時に片付けやすいように」と、余計な荷物は増やさず、青砥と家飲みをするようになっても、一つずつのコップとマグカップを貫き通す須藤の頑なさ。
突然の決断の理由も、須藤は一応口では説明するものの、青砥のみならず、観ているこちらもやっぱり「どうして?」と思う。(成田凌演じる鎌田に貢いだのだって、「推し活」と考えれば、そんなに自分を責めることも無かろうに…)
・12月20日には、赤い○がついていた。そして、最後の一言も、やっぱり青砥を思ってのものだった。それなのに、須藤はなぜ1人で生きていくこと死んでいくことを選んだのだろう。
どんなに太陽のように照らし続けても、月の裏側は決して見えないように、残された青砥にとって(つまり観ていた自分にとって)の納得解は、当分見つかりそうにない。
若い2人のラストシーンの意味とあわせて、しばらく残しておくことにする。
・奇しくも、数日前に突然知人の訃報が届いた。今作でも病気や死を扱っているが、ドラマをつくるためというより、あくまでもその年齢だったらあり得るモチーフというところに意味がある。出てくる人々の造形も含めた「平場」な感じが今作の命なのだろう。ちゃんと自分に重なった。
原作は未読なので、原作の世界もじっくりと味わってみたい。
50代はだんだん別れが多くなる年代
同じ世代目線だから涙うるうるでした!
タイトルなし
結構、期待しただけにその点は外れた。セックスしているのに2人の間に性愛的な感情が流れない。そういう設定ならそれでもいいけど。作り方に問題がある気がする。堺は、とても作り込んでるし、自然な感じがちゃんと構築されてる。しかも壮大なトンチンカンなのだ。検診でまずかったなら普通は気づくのではないのか。
井川も壮大な意固地をうまく作っている。でも、セックスしてるのに、好きなのに、ここまで意固地なのだろうか? 月をみてどこかここにない感だとしても、もう少し解離的にもできるはず。男性的と言うことと、受動性は決して矛盾しない。井川はあまり演技がうまい人ではないのかもしれない。
居酒屋の男はとても良かった。
あとは、堺くんと前の妻の関係がさっぱりわからない。
太いと言うほど太くないというか。井川さんもいい俳優のはずなのに、うまく使えてないのか。
劇中で流れる薬師丸ひろ子の歌がめっちゃ沁みた。。
大人の恋愛映画、良い映画でしたね。
堺雅人と井川遥、二人ともめっちゃ良かったです。
見終わって、心にドンっと響いた映画。
やっぱり心に残る映画は良いですね。
中学時代にあんなやり取りがあって再会してお互いシングルだったら、そりゃあ、盛り上がっちゃうだろうな。
映画ではサラッとしか語られなかったけど、彼女の壮絶な過去。
本当は、これがこの話のキーなんだろうけど。。
このキーに関しては映画での描かれ方が薄く感じた分、二人の出会いから恋愛までがメインでラストはともかく楽しく見る事が出来た。
それと劇中で流れる薬師丸ひろ子の歌がめっちゃ沁みた。。
『メインテーマ』、久しぶりに聞いたと思う。
世代というか彼女のレコードは何枚か持ってた私。
ちなみに、よく思い出すのは『Wの悲劇』なんですけどね。
野村宏伸との『メインテーマ』は見返した記憶はなかった。
凄い今回の映画にマッチしてましたね。
50代の男性は皆、薬師丸ひろ子にはハマった時期があるんじゃないでしょうか。。
堺雅人は泣きの演技はダメですね。
そう思ってしまったかな。
井川遥の手を上げてのオイって言うシーンが良かった。
彼女の役柄の性格を太いって表現していたけど、劇中では『太い=男っぽい』と表現しているような気がして。。
律儀、責任感がある、頑固って言うのか表現が難しいけど、なんか違う気がした。
そこが少し気になりました。
ふと、昔みたアル・パチーノとミシェル・ファイファーの『恋のためらい/フランキーとジョニー』を思い出した。。
そして、塩見三省に助演男優賞をあげたい。
今年のベスト1映画です。
CМから逆算して構築したような映画
堺雅人が居酒屋の暖簾をくぐり、井川遥が酒をゴクリとくれば、もう完全に酒のCМの世界、もっと正確に言えばサントリーのコマーシャル。実際エンド・クレジットに協賛と提示されるわけで。まるでCМから逆算して構築したような映画に少し私はトーンダウン。外食では金が勿体ないからと、推奨するかのように、家飲みにスライド、もちろん飲むのは「金麦」。井川遥は昔はアサヒビールのキャンペーンガールでしたのにね。さらに言えば、吉瀬美智子はアサヒビールのCМに出てますから、別れた妻の役なのかも知れません。
すっかり超一流の役者となった堺雅人のラブストーリーなんて、もとより映画は少ない彼ですので、ある意味新鮮で、よくぞ取り組んだ。歳不相応に前髪たらし、男らしさとは対極にある彼の個性をどう活かすのかが本作の肝でしょう。そもそも前妻役が吉瀬美智子って、何をどうこじらせ離別したのかの説明はほぼなく、男性観客には苛つきの元でしかない。倉悠貴扮する頼りない息子が触媒役となるのかしらと期待しても、まるで主題に息子は入ってこない。そんな草食系男子に男前過ぎる美女が絡む設定からして定番を逸脱で、ちょっと理解が進まない。それを補完するためか、中学時代の様相に随分と尺を割く。そこではひたすら井川遥扮する須藤の少女時代の不幸を描き、同情を集約するかのように学校でも家庭でも虐げられた過去をこれでもかと描写。そこへ頼まれもしてない堺雅人扮する青砥の少年時代が白馬の王子様を演ずる。これって高校時代ならいざ知らず、埼玉県の朝霞市では青春のピークを中学で謳歌し、卒業後も密接に繋がっているってこと?なわけないですよね。
そんな過去を持つ二人が偶然再会しゆっくりとゆっくりと大人の恋を育むのが本作の主題。であるならば、中学時代から「私は誰とも付き合わない」宣言をしているのですから、35年後とて青砥の一人相撲を予見さているわけで。実際、青砥のペースに引きずられるようにして須藤は溶けているわけで。さらに共に結婚生活に破綻した二人に何ら障害はないどころか、青砥の同僚も須藤の妹も応援以上に望まれていた状態。障害のない恋なんて、目出度い目出度いで終わりでしょ。
と言うわけで本作での障害は「禁じ手」のようなもので決着をつけようってのが、私は気になるのです。確かに「余命いくばく」は数多の映画の殺し文句のような常套手段。折角芸達者な大人の二人を据えたのであれば、その苦い終焉も大人の結末にして欲しかった。不満はさらに、青砥の四人組も大森南朋までキャスティングしながら全く主題に入り込まない勿体なさ。さらに須藤の元カレ役として登場する成田凌はもっとチャラ男でいて欲しかった、なんですかあれでは好い人でしかないじゃないですか。
12月20日をキーポイントに、その二年前から描きだし、一年付き合って、「温泉へ行こう」が「やっと普通の生活に戻れたの、だから来年にね」と素直に納得。須藤が相手をおもんばかって唐突な拒絶に出られたら、優しき男は信じてしまいますよ、可哀そう過ぎますよ。鈍い野郎だなんて彼を責めることは出来ませんよね。逆に言えば須藤の方こそ配慮がないと私は思うのです。一緒にいる事の幸せを最後の最後まで二人で噛みしめてこそ、と私は思います。噂話づたいに初めて知るなんて衝撃でしかないじゃないですか! 原作もののようですので、プロットは脚本と言うより原作に所以しているわけで、原作者さんの感覚には違和感ありありでした。
最後に、平場って言葉の使い方まで気になります。確かに庶民もその通りで、ましてや女一人病院売店のパートでしたら、さぞや苦しい生活ですよ。でもそれを都会の一角だろうと、上から目線で平場と称する感覚が少々厭らしい。
いつだって青春
心に響いた
自転車二人乗り。ホントはダメなんだろうけど良い笑顔。
『VIVANT』や『半沢直樹』、『南極料理人』など、ちょっとキャラクター強めの役が多いイメージの堺雅人さん。個人的には『クヒオ大佐』が一番好き。
そんなクセつよ俳優が、普通のおじさん役。
今でもあるのか謎なパイプベッドでの起床から、弁当箱に入りきらない余りをつまむ、ありきたりな風景で幕を開ける、ごくごく普通の日常。
共演も大森南朋さんや、でんでんさん、柳俊太郎さん、宇野祥平さんなど、やらかしそうな俳優さんばかりなのに普通の人々。
暴れなくていいのか吉岡陸雄⁈と、逆に心配になるくらい、みんな普通に良い人。
葬儀の後の、一目で悟って見えないマウント争いをする、今カノVS元妻のシーンはゾクゾクした。
井川遥さんも吉瀬美智子さんも、気の強そうな雰囲気があるから、なかなか良いキャスティング。
住んでる所も、行きつけの店もオシャレ要素は皆無、大袈裟な演出やダイナミックな劇伴曲もない、市井の人々のしっとり切ないラブストーリー。
特に過不足なく、腑に落ちない所もない。
意外な結末もなく、エンディングで塩見三省さん演じる大将の、気の利いた演出も素晴らしかった。
結果、普通に良い映画だった。
いくつになっても恋したっていいじゃない
■ 作品情報
第32回山本周五郎賞を受賞した朝倉かすみの同名恋愛小説の映画化作品。監督は土井裕泰。主要キャストは堺雅人、井川遥、中村ゆり、でんでん、安藤玉恵、塩見三省。脚本は向井康介。
■ ストーリー
妻と別れて地元に戻り、印刷会社で働く青砥健将は、ある日、中学時代の初恋相手の同級生・須藤葉子と再会する。須藤は夫と死別し、地元でパートをして生計を立てていた。再会をきっかけに、互いに惹かれ合うようになった二人は、空白の時間を埋めるように親交を深めていく。しかし、須藤が経験してきた波乱に満ちた人生や、それぞれの現在の立場が、二人の関係に複雑な影を落とす。互いに過去を語り合い、再び芽生えた感情を抱きながらも、現実の厳しさに直面し、大人の不器用な恋愛における葛藤が描かれていく。
■ 感想
大人になってからの恋の機微を繊細に、そして深く描いた本作に心揺さぶられます。大人の落ち着いた恋愛の中に、中学時代の初恋の初々しさが確かに息づいているのを感じ、誰もが遠い記憶に思いを馳せることと思います。
はたから見れば、人生の酸いも甘いも知った中年男女。しかし、記憶の中の初恋相手の姿は、いつまでも色褪せることなく鮮明に残っているものです。再会した二人が、現在の姿に昔の面影を探し、たちまち輝きを取り戻していく様は、胸を締め付けられるようです。もっとも、アラフィフであの美しさを保つ井川遥さんは反則級ですが、誰しも自分の初恋相手は、記憶の中ではこれぐらい魅力的に映るのではないかと深く共感します。
しかし、人生経験を積んだ大人だからこそ、あの頃のように何も考えずに恋に盲目になることはできません。健康や将来、世間体など、さまざまな現実的な要因が頭を巡り、それが相手に負担をかけるのではないかと、アクセルよりもブレーキを強く踏んでしまう。その葛藤は痛いほどよく理解できます。それでも、人はいくつになっても何も諦めなくていいのではないかと思え、二人の姿を眩しく見つめていました。ほろ苦くも切ない、本気の大人の恋の物語を堪能させてもらったような気がします。
そんな大人の本気の恋に説得力をもたせているのは、主演の堺雅人さん、井川遥さんを始めとした俳優陣のすばらしい演技です。その佇まいから台詞回しまで全てが自然で、まるで本当に彼らの日常を覗き見ているかのように、作品世界に深く没入することができます。個人的には、居酒屋店主の塩見三省さんの存在感が非常に印象的で、あの店で旧友とゆっくり酒を酌み交わしてみたいと感じます。
ホントは心が繊細だったと思った
堺雅人と井川遥どちらも、華のないやや低層な庶民の役にピッタリハマってだと思いました。
台詞がなかったら主役が埋もれるくらい有名人がオーラを見せず普通に見えるって逆に大変そう。
と言うのは吉瀬美智子が出た時、我々の暮らしの中にいない大女優の美しさ感じてしまった。
でも、その吉瀬美智子を含めてハリ艶のない50代の中でもくたびれた肌感がそのまま映し出されていたので、どっぷりストーリーに入り込めた。
葉子は心が太いという表現なるほどなぁと思った一方で、強く見えるようで、迷惑かけたくない、弱る姿を見せたくない、実は人一倍繊細で誰よりも怯えているように感じたのは私だけ?
人生折り返し過ぎると、歩んできた歴史もそれぞれ、背負ってるものもそれぞれ。
「神様は乗り越えられない運命は与えない」「神はみんなに平等の人生を」とか色んなポジティブな言葉があるけど、実際は乗り越えられない運命も与えるし、不平等であることを痛感するこのお年頃にはリアルに映る作品でした。
きみの顔では泣けない😎
2025年11月14日の公開日は満月が右から欠けて、ちょうど三日月から新月になるあたり。レイトショーから帰る途中、晴れて星は出ていたが、 とうとう月は見つけられなかった。ハコ(須藤葉子)は完全にお隠れになってしまったんだなぁと、むしょうに鶏から揚げで角ハイボールが飲みたくなった。
井川遥といえば、すぐに思い出すあのCM。
朝霞の商店街のあの店に行きたい。
自転車の二人乗りや月夜の晩に青砥がアパートの下から物憂げに窓の外を眺めるハコを見上げるシーンなどはキヨシローの初期の曲(僕の自転車のうしろに乗りなよ、夜の散歩をしないかね)をイメージして、センチになってしまった。
堺雅人。恋愛映画初主演らしい。
ツレがウツになりましては恋愛映画ではないってことか。
キスシーンがないと恋愛映画ではないのだろうか?
堺雅人と井川遙のキスシーンはとてつもなく恥ずかしかった。なぜなんだろうか。
井川遙の妹役には雰囲気も似ている中村ゆり。
元嫁役には吉瀬美智子と完璧過ぎる布陣。
脚本は向井康介。
ジワる夜ドラ。
塩見三省、でんでん、宇野祥平、安藤玉恵、栁俊太郎、椿鬼奴、大森南朋、倉悠貴らの脇役に惹かれて鑑賞。
でんでんのセリフと最後のほうの井川遙のセリフで泣きそうになったが、堺雅人の顔がアップになると·····
惜しい❗
昭和のワタシは薬師丸ひろ子のメイン·テーマからセーラー服と機関銃の渡瀬恒彦、その兄の渡哲也(大腸癌で人工肛門)を思い出していた。
エンドロールもメイン·テーマの曲で押してくれたら、鼻ジュルジュルになってしまったかもしれない。
🎵 わ〜ら〜ちゃう 涙の 調節ができない〜
60年も生きてきたからね〜
月に願いもいきどまり。
自分にも起きちゃいそうなラブストーリー
原作は知らないので、ラブコメディに違いないと想像しながら着席。堺雅人演じる青砥健将が、離婚して地元に戻ってきて印刷会社に再就職。結構忙しそうだったけど、残業はなかったのかな。まず驚いたのは、認知症の母親に会いに行ったら、息子は死んでいると言われるシーン。息子が何をしてるか分からないのは仕方ないんだけど、亡くなっていたら、その事を忘れるのがリアルなのにな。井川遥演じる須藤葉子は夫が亡くなって1人になっていた。まだ50代なのに悲しいよね。青砥が友人達と食事会を繰り返す。家だったり店だったり、皆んな実家に住んでるのかな?青砥と須藤は付き合ってる様に見えなかったけど、チューしてて驚いた。それにしても中学時代の思い出を何度も何度も見せられる。苦手な演出なんだけど、毎回楽しかった。こりゃハッピーエンドになると思っていたら、予想と違いラストは泣けちゃった。
キャスティング
ままならない人生も良しと思える映画かな
この年になると、1年後の約束など恐くてできなくなる。
今までは、「また、こんど」と言って、何年先になるかわからない今度が信じられたのにね。
映画「平場の月」は、そんな気持ちを起こさせる映画でした。とってもしっとりとした良質の映画でした。
特にあのキスシーンは、邦画ではめったに見られない美しさと情感の籠った素晴らしいキスでした。あー、私ももう一回でいいから、あのようなキスをしてみたい♡
井川遥さん素敵でした。特に、中年になってからの良さ、中年女性に独特な色気は、抜群ですね。相手役に堺雅人(めっちゃ久しぶり)を持ってきたが、やはり彼独特の「作った顔」が、やや気になります。しかし、では他の役者がこの役をどう演じられただろうとも考える。 堺雅人だから、この映画にある種のスパイスを効かせられたのかもしれないとも思った。
井川遥の中学生時代役の女の子、セリフ回しも上手いので、将来が楽しみですが、この役どころである精神的な「太さ」を表現できていたかと言えば、演出や脚本も含め、物足りなかったかもしれない。それが故に、その資質を受けた井川遥の振る舞いに、十分な説得力がなかったかもなーという点が、少し惜しかったでしょうか。
終盤の吉岡里帆の語りのシーンで安易に過去回想シーンを入れないのが、...
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