平場の月のレビュー・感想・評価
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等身大の中年
原作既読にて鑑賞。
結末を知っているが故にあらゆるシーンで泣けてしまって、最後号泣。
エンディングに流れる星野源で涙止まらず。
堺雅人は大袈裟な演技をする俳優みたいに思われがちだが、半沢直樹より前の感じを取り戻してとても良かった。
中年として、出てくる人みんな等身大だった。2人の恋も地元で再会する中学の同級生も。
青砥も須藤も順風満帆じゃない人生歩んでて、そこが全然映画っぽくないんだけど、でも人生ってそうだよなって思わせてくれて。
ちゃんと堺雅人からは加齢臭も感じられたし、井川遥からは拗らせてる中年感も出てた。
全体的な映像の色もキラキラしてなくて、眩しくなかった。
今年一番の映画だった。
もう一度、原作を読みたくなった。
帰り道は星野源を聴きながら、月を見上げた。
静かに強くそして弱い(3.8)
50代には刺さるかもね
私には違和感ある【あるある話】?
平場では無い
何の事前情報を入れていかなかったのだけれど、やはり人が死んでしまう事は、まだ平場とは思えない。(タイトルの平場が、そういう事を表していない事は分かっているけど、これは比喩として書いた)
この年代になると、知人が死ぬ事は、特別な事ではなくなるのだけれど、やはり死は特別でドラマチックになってしまう気がする。人がしななくても、ハッピーエンドにならなくても、成立する物語だった気がするのだが、そこらあたりが残念だった。
そして、CMでも使われている、ヒロインが月を見ながら考えていた「夢見たいな事」とは、なんだったのだろう?
映画の中では、完全な回答は無いのだけれど、映画を観た直後は、単純に「主人公との結婚」と考えていた。主人公のその後のプロポーズも、主人公がそう感じた演出かと思ったのだけれど、しばらくして、そんな単純な事では無いのでは?とも、考えた。
男が女の考えを推しはかっても、おそらくは無理で永遠に手の届かない月のようなのかもと、長く思いを続けられる映画であった
白髪の櫛
原作未読ながら楽しみにしていた本作。全体の世界観?は楽しめたが、最後の一年の処理は何か一つ引っかかるものが欲しかったなと、またもないものねだり。
堺雅人の感情表現が過剰で唐突な気がするが、学生時代の役者のオドオド感で補完される。井川遥、それなりにお年を召されていて化粧気もない役柄たが流石に魅力的。ころり。最近ヒロイン役も増えて嬉しい中村ゆりも妹感あって良かった。そして元嫁が吉瀬美智子ってアンタ、どういうこと?モテすぎ!
先日実家に行き、30年以上触れていなかった写真や雑誌や小物の整理をようやく始めた。メルカリでお金になった思い出もあるし、誰かに話したくて仕方がないストーリーも色々見つけた。仲間内の飲み会のシーンで共感したところ。この歳になると中には今更それを話せる相手がいないものも。
こんな映画見たことない、、、
空気感がリアルで、、、
登場人物たちの会話や仕草が妙に生活に根ざしていて、作り物ではない
日常の匂いがする。見ているうちに、自分もその場にいるような
感覚に包まれます。
甘さよりほろ苦さ?
初恋の再会という設定は、勝手にロマンチックな展開を想像すると、
実際はもっと現実的。強がりながらも心の奥にある弱さや寂しさが滲み出て、
こちらの胸にじんわり来る。
二人の存在感
堺雅人、井川遥が演じる二人は、華やかさよりも日常の
生活感を表現する姿で、リアルさが逆に魅力的、こちらは自然と
彼らの心の揺れに寄り添うことになります。
映像と音楽の余韻
星野源の主題歌いきどまりが、物語の余白をやさしく包み込み、
映像と音楽が響き、心に残る“余韻”を長く引きずる作品です。
こちらの人生に重なる話
離婚、死別、親の介護、孤独…。人生の節目で誰もが経験するような
出来事が背景にあり、観客は自分自身の記憶や感情を重ねながら
物語を受け止めることになります。
平場の月は、派手な展開や劇的なラストはなく、人生の隙間にある
温もり、切なさを丁寧に表現する映画。鑑賞を終えたあとも、少し寂しく、
でもどこか少しだけ温かい気持ちになる。そんな感覚を味わえる一本です。
若い頃の恋愛映画はもう少し距離がある、と感じるなら、きっとこの作品は
今の自分に寄り添ってくれるものとなります。
リアルとファンタジー
原作未読ですが、予告編と主題歌に惹かれて観ました。
も少し感動するかなと思ったのですが、後半ちょっと納得いかない展開や演出があり、そこまで入り込めませんでした。いくら姉が拒否しても、あんなにいい妹が姉の最期を全く知らせないなんてあるだろうか?とか、ストーマ付けてセックスとか現実的なのだろうか?とか、ラストで堺雅人が一番いい芝居してる時にスローモーションは要るのか?とか。些末な部分ではありますが、他が丁寧な描写だっただけに気になってしまいました。
でも大人の恋愛というか、大人の現実がよく描かれていたし、過剰にドラマチックな演出がないところや、堺雅人と井川遥と塩見三省の演技が素晴らしいところ、星野源のエンディング曲が世界観にピッタリ合っていたところなど、観賞後にも深く残る作品でした。
作品でものすごく感動したわけではないけれど、私も独身のアラフィフ、しかも兄弟姉妹がいないので、私の現実はもっと厳しいだろうなと、ある意味襟を正されました。あんなよくできた妹が私にはいないのだから、終活およびその準備はちゃんとしておかないと、と。そして青砥(堺雅人)みたいに、病気やめんどくさい性格も丸ごと引き受けて恋愛してくれる人なんて現実にはほぼいないので、ここが一番のファンタジーかもしれません。
普通
そばにいるって当たり前じゃない
大事なことをもう一度ちゃんと確認してくれって祈りながら見ていた。
良くも悪くも人はなかなか変われないもので、もっとうまく生きれたはずなのにって思うばかりだけど、それが愛しくも人間なんだろうなとラストの結末を見ながら思った。
この映画の中でもっとも印象に残った言葉が、でんでんさんが言った「人がずっとそばにいてくれるって当たり前じゃないからな」という言葉。(意訳なので言葉尻は若干違うかも、、)
井川さんが初めて部屋で飲んだ時に、この話を誰かにしたかったと言っていたけど、誰かに話したいけど誰にでも言えることではない事を聞いてくれる人がそばにいる。
これだけでもう十分人生は豊かで幸せなんだとしみじみと思う。
この映画の良さを考えてみると、とてもバランスが良いと感じる。
病気もの、中年の恋愛モノ等どれか一つのテーマで感動的に書ききっても成立するが、仕事も恋愛も親の問題も子供も自分の身体の事も地元ならではの仲間も中学生の頃から続くヒエラルキー的要素も、人生には抱えきれない程の多くの側面と共に進んでいく。
そういった現実の中に恋が生まれていく感じがとてもリアルだ。
学生時代の、年を取ってその時代と離れれば離れるほどにかえって色濃くなっていくような思い出とともに、いま改めて向き合い、質素なアパートで二人が過ごす所がこの上なく現実的で、とてもむず痒い様にも照れくさい様にも感じる生々しさがある。
最後に、2014年に病気をされてお痩せになられた塩見三省さん。
年齢を調べるともっと若いと思っていたが、77歳ということに驚かされた。
後遺症もあってなのか、ほとんど座ったシーンで声も小さかったが、それがとても味わい深くて、何かを察してボリュームを上げるシーンはとても素晴らしかった。
これからも無理はされず、少しのシーンでもいいので見たい役者さんだなと思った。
歳を重ねても幸せの味は変わらないものだよね
50代の恋愛なぞ周囲に縁がない訳では無いが、大体が不倫。ほぼほぼ不倫。場合によっては奥さん公認の方もいるだろう。
この作品はそういうものを描いているのではなく、人生で色々なものを失ってきた独身同士の恋愛。即ち純愛映画。しかもちゃんと恋愛してたし青春してた。
ガチのおじさんの恋愛が題材なので言う事ははっきり言うし、50代の、言葉選びの絶妙な品の無さや、ちょっとキモいな、キツイな、みたいな部分もちゃんと描写されている。その上でヒロインのキャラクター像もきっちり描かれているおかげで、この恋愛の関係性を破綻させていない。
またこの映画の面白いところは地味な所。割と誰にでも有り得るような回想を主人公達が持ち合わせており、その縁がきっかけで…というのが関係性の発展の鍵となるのだが、パンくわえて道の角突っ走るくらいありきたりなものなのだが、これを昇華していくのが50代同士の恋愛となるとこれがかなり穏やかで、まぁこれだけ生きてるとそういう事もあるよね、って説得力を持たせてくれる。
だから素朴でありながらも、登場人物たちがちゃんと幸せそうにしてるなーというのを感じる事ができた。
登場人物の殆どが地に足つけた大人だからか、暖かい人達が多いのも好印象だった。
ファンタジー要素は皆無なものの、寒い時期に向けたストーブのような、ほんとりとした暖かさをもった作品という印象。
王道、というと語弊があるが恋愛映画としては全体的に大変丁寧で面白く仕上がっているので、落ち着いた映画が好きな方へはオススメしたい。
窓辺に佇む井川遥は反則である
「何を考えてたの?」と堺雅人が問うて「夢みたいなことだよ」と冒頭で返す、その脆く儚げな予感が漂うだけでフラフラっとしてしまった。
『花束みたいな恋をした』『片思い世界』の土井監督なので正直「こんなの映画じゃないな」と思って見てはいる。同じシナリオ使ってもっと引き出し、もっといい編集で攻めることもできることは容易にわかる仕上がり。なので基本は惜しい、と思って見ている。自転車二人乗りも、とある別作品に比べればしょぼい。シネマルックの仕上がりからしたら記号を超えていない。『花束〜』の京王線沿線感の薄さ(勿体無い)と今度は西武線沿線かな? その土地感覚もやはり上手くはない。この辺はインディペンデント映画の若き旗手たちはとても上手いのに勿体無い。
でも、である。これだけゆる〜くテレビを見るように見てしまう同級生の地元再会&恋愛復活劇はそうはない。確かにこれは土井演出でないと出ないものもあるかな、と思い直しているうちにラストがくる。しかし見ていれば途中からどうなるかはほぼ予想はつく。おまけに個人的に知人がその井川さんと同じ年齢で同じように亡くなったので完全に現実がダブってしまいもうその先は見えるのである。そんなこともたくさん経験してるであろう同年代の観客にはグッときていた気もする。で、ラストである。
本当はラストシーンひとつ前で終わってエンドロールが流れたら「アノーラ」並に喰らってたと思う。メインテーマね。あそこであれは反則に近い。今思い出しても泣ける。堪えられるわけがない。しかも塩見のおっちゃん、、何度も何度もあのさもない居酒屋を思い出している
話の移り変わり、そして最後の展開が雑
同世代である50代の
ラブストリーということで
妻と観賞させていただきました。
ストーリーとして、
主人公達の関係は序盤、
うらやましくもあり、
ワクワクさせられるものでしたが、
中盤に出てくる子供の頃の話が
必要以上に長く、その割には、
後半であまり回収できていないように
思われ、私には
残念な作品に感じられました。
また、先が読める流れも
致し方ないとは言え、最後の展開が
あまりにも想像を超えない上に、
あっさり、終演を迎える印象で
もったいなく感じられました。
ただ、彼女のカレンダーにも記念日が
赤く印されていたのは、
とても感動しました。
そして星野源さんも曲も感動的でした。
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