平場の月のレビュー・感想・評価
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胸を張れよ、青砥
原作未読で鑑賞。
堺さんはめちゃ原作を読み込んで芝居するという知識と
井川さんは「見はらし世代」や「拾われた男」とかを見て、素敵に年齢を重ねているな、という個人的興味から観てみた。
最初は50代の恋愛?と思ったが、須藤(=井川遥)が大腸がんと言われ、ストマとかケモテラとかになって、大腸がんになった人の気持ちもちゃんと描いてた。
でも基本はやっぱり「すごい大人になりたい」と言っていた中学生の青砥と、少女時代周りの環境に恵まれず「1人で生きていく」と言ってそれを必死で守って生きようとしてきた須藤の、酸いも甘いも知ったあとでの再会。
冒頭部や再会したときや須藤が亡くなったことを実感したときなど、劇中何度も流れた、薬師丸ひろ子の「メインテーマ」がいい。特に最後青砥の号泣にあわせて焼き鳥屋の大将がボリュームを上げて「メインテーマ」を流し、嗚咽が他の人にに聞こえないようにするところが良かった。あの青砥の号泣は、2人の関係を知り尽くした大将がいて、中学生時代に戻っていいんだと、心を許した号泣だったと思う。
ちゃんと、須藤の頑なな心をこじ開けてたよ、青砥。
平場の月(=地上の星)に手が届いたよ、青砥。
胸を張れよ、青砥。
平場の話ということで青砥が移動などに自転車ばかり利用したり
劇中色んなところで色んな月が出ていて
テーマを強調していた。
あと全然関係ないけど、須藤の妹役を演ってた、中村ゆりさんがとても綺麗だった。
原作を早速購入した。
本当に大事にしている人だからこそ、病気のことで負担をかけさせたくな...
おじさん・おばさん には刺さる映画
どうするんだよ。
さんざん傷つき傷つけてきたから、
もうこれ以上誰も傷つけたくなかった。
ひとりで死んでいくと覚悟を決めていたから、
もう誰も巻き込みたくなかった。
傷ついてもいいから、
一緒に生きていこうときめた。
約束は破らないと信じていたから会いに行かなかった。
悔やんでも悔やみきれない。
しあわせになってほしかった。
須藤の部屋のカレンダーにも約束の日に○がついていた。
ふたりでいつも行った焼き鳥屋、
見守ってくれる大将がいて、
流れているのは薬師丸ひろ子のメインテーマ🎵
🎵愛って、よくわからないけど、傷つく感じがすてき、笑っちゃう涙の、止めかたも知らない、二十年も生きてきたのにね🎵
隣りにおまえはもういない。
予告でほとんど見せられていたけど、
泣いた。
思いのほか豪華なキャスト。
焼き鳥屋の大将塩見三省の存在感。
成田凌なら貢いでも仕方ない。
サブスタンスのデミ・ムーアじゃないけれど、女優さんは年をとると良い役に恵まれない。
この映画の井川遥のように、年を重ねた大人の女性が主役となる作品がもっと作られるといいな。
堺雅人、井川遥のラブシーン。
星野源の歌でまた泣いた。
二人乗り
二人乗り。
ムビチケ頂いたので初日初回に観賞してきました。原作未読。大人の恋愛映画かな〜って軽い気持ちで観始めたら結構重かった。
初恋の相手との偶然の再会で心を通わせていくお話なんだけど、過去の色々とか現在の色々とか…小さな幸せを抱きしめて生きるのもままならないって辛いね。
付き合い始めても青砥(堺雅人)と須藤(井川遥)って呼びあってるの、今更呼び方変えられない不器用さが出てて好きだった。それにしても青砥は鈍感だな…6ヶ月検診でアレだったら気付いてよ。
泣けなかった青砥があの席であのタイミングでかかったメインテーマに号泣しちゃうの切なすぎて…。あの店の塩見さんが本当に良い。自転車二人乗りのシーンがめちゃくちゃ素敵だな〜って思ってたので、ラストにアレ持ってくるのはズルいな。さすが土井監督。
エンドロールの星野源の『いきどまり』が胸に刺さって余韻が抜けなかった。映画のために書き下ろしたのかな?歌詞も素晴らしかったですね。
平場から見える月
50歳にもなれば人其々の人生の
バックヤードがある。
再会から続きが始まったラヴストーリー。
大人の恋愛はとてもスマートではない。
病気、将来の問題、生活観も漂う
リアルな中年の純愛。
でも長い時間が過ぎ、また出逢った二人は
心を寄せあっていく。手探りで思いを
取り戻していく姿は微笑ましい。
そりゃキスも照れるし震える。
自転車に二人で乗るシーンは過去も現在も
最高だった。
あの居酒屋での一人泣き。
店主が然り気無く音楽のボリュームを
あげる。素敵な人情。
脚本は向井康介さんなんだ。
愚か者の身分といい、上手に描くね。
自分の人生から見える平場の月も普通に
輝かしく綺麗に思えるなら満たされている
証でもある。
ちょうどよくあわせなんだ、それが一番の
幸せなのかもしれない。
しかし元妻が吉瀬美智子さんで恋人が
井川遥さんなんて羨ましい。
ハンカチを忘れて渡すシーンは
インパクトがあった。あの時の堺雅人さん
の表情が心情の複雑さを物語っている。
大人の純愛ラヴストーリーでした。
重すぎる、ちょっと耐えられない
「メイン・テーマ」を同時期に聴いていた同世代にとって
親の老い、自分の病気、そして別れは重すぎた
やっぱり映画は、ワクワク、楽しいのが好きです
50代のラブストーリーが同年代には非常に心に刺さる。わけのわからな...
綺麗事ではすまない大人の恋愛
原作未読。
大人の恋愛というだけではすまない作品だと思った。
物語が、現在→過去(中学時代もおりまぜ)→徐々に現在へ‥
の構成になっていて、効いていたと思う。
冒頭の青砥はどんな状態で自転車に乗っていたのか、
窓の外を眺める須藤を見つめる青砥、それぞれの感情など、
追ってわかっていくのが良い。
青砥と須藤の再会場面から、徐々に想いを通わせていく、
想いを紡ぎ上げ方も実に良いのだ。
それは、中学時代のふたりの想い出や、これまでのそれぞれの厳しい人生が
あったからこそ、やはり原点に戻るというか、ふたりとも相思相愛だった中学時代の
気持ちに辿り着いたのだろうと思う。
須藤が大腸がんを患っていることから、想像できるエンディングではあるものの、
やはりこの受け止めは青砥の気持ちや須藤の気持ちがわかってキツイ。
青砥の鈍感さにイライラもするけれど、現実的には男なんて鈍感なんだよな。と。
こういう恋愛のカタチを見れるのも映画ならではの体験だ。
それにしても俳優陣の演技がすごい。
堺雅人は、ちょっとおおげさというか、演劇的だなぁと思うがそれがよかったり、
井川遥は、オーラの消し方というか、サバサバした感の出し方とかすごい。
もっとも本作で演技が素晴らしいと感じた。
脇を固めた大森南朋、吉岡睦雄、宇野祥平、塩見三省などなど実に味わい深かった。
鑑賞中も鑑賞後も心にズシンときた。
けど、大事な人に想いを伝えることと、悔いなく生きねばと思った。
ド直球大人のラブストーリー
50代のラブストーリー
期待もしないで、なんとなく観てみようと思う程度で初日に鑑賞。
50代の恋愛だけではなく、生活の中での中年会話もリアルに描いてあり、映画の中に入り込んでしまいました。
焼き鳥屋さんで流れた薬師丸ひろ子の「メインテーマ」思わず口ずさみそうになり、同世代だな〜と思ったり…悲しくせつない作品なのになんか懐かしさを感じるほのぼのシーンは堺雅人さんの個性的な優しい笑顔のせいでしょうか。
色々な事に疲れている50代以降の方には特に是非観ていただきたい映画です。
帰り際、しばらく余韻に浸れますし、なんか生きる力も貰えるかもしれません。
【”中学生の時の憧れの君との再会。そして・・。”今作は酸いも甘いも経験した50歳を超えた中年男女の大人の恋愛映画であり、名優堺雅人さんの泣き笑いの演技及び出演ベテラン俳優が全て良き逸品である。】
■妻(吉瀬美智子)と別れた青砥(堺雅人)は、アパートで一人暮らし。近くの小さな印刷会社で働いている。彼は、胃カメラの検診を受けた時に受付に居た須藤(井川遥)と中学以来の再会をする。
二人は少し驚きながらも、青砥の”互助会みたいな感じで、時々呑まないか?”と言う須藤への提案に、彼女は素直に承知するのであった。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・序盤はコミカル要素を絡めて、物語は進む。何より妻と離婚した青砥と、夫と死別した須藤が戻って来たのは、中学の時に住んでいた土地で、そこには中学の同級生(安藤玉枝・宇野祥平・大森南朋・吉岡睦雄)等が、今でも住んでいるのだから。
そして、彼らは頻繁に会っては酒を呑み、江口(大森南朋)の娘の結婚式には皆で参列し、その後に又、呑んでいるのである。
ー 楽しそうだなあ・・。けれども、プライバシーは余りなさそうだなあ・・。ー
■彼らはお互いに気を使わないし、名字で相手を呼ぶ。青砥も須藤も相手を名字で呼ぶのである。時には青砥は須藤の事を”お前”とも呼ぶのである。須藤は少しムッとするが、それがお互いに心惹かれて行くうちに普通になっていくのである。
そして、物語は彼らの中学校時代と現在とが交互に描かれる。この物語進行もとても良いのである。
・須藤は、幼い時に母(松岡依都美)が5年家を出て戻って来るも、夫(黒田大輔)に激しく拒絶される姿を見ているからか、同級生男子に告白をされるも”興味が無いから。”とそれを受け入れない。心に鎧を纏っているようである。青砥も拒否されるが彼は須藤の頬に自分の頬をそっと触れさせるのである。少し須藤は驚くが嫌な顔はしないのである。
そして、このシーンは大人になった二人が、家呑みをするようになった須藤の部屋で結ばれるシーンにも、効果的に連動しているのである。
■今作では、上記したベテラン俳優以外に、青砥と須藤が良く行く焼き鳥屋のご主人を演じた大変な病気をされた塩見三省さんが、個人的には抜群の存在感で魅せてくれるのである。
白い髭を蓄え店の端の椅子に座り、ほぼ台詞無しであるが、彼の視線は店内の客の様子を見て店員に的確な指示を出すのである。
ラジオから薬師丸ひろ子さんの”メイン・テーマ”が流れた時にいつものカウンター席に座った青砥と須藤が”えーっと‥”と言っているとタイトルを教えてあげたりね。
そして、このシーンが再後半のシーンに効いてくるのである。
・須藤に大腸癌が見つかり、心配した青砥は体調が良い時に温泉旅行に行こうと誘う。彼女は”温泉かあ。”と言い承諾するが、一年後の12月20日にしようと言うのである。
このシーンで、冒頭の青砥の部屋に息子(倉悠貴)が尋ねてきた時に壁に掛けてあったカレンダーの12月20日の日の赤丸を問われるも曖昧な返事をする青砥の姿の意味が分かるのである。
だが、再検査の後に青砥が状況を聞くと、須藤はVサインを出すもVを徐々に寂しそうに曲げるのである。そして、彼女は突如別れようと青砥に言うのだが、青砥は”一年後に温泉旅行に行く約束をしたじゃないか。”と言い、須藤は一年間は会わないが、旅行することを了承するのである。
■だが、或る日、青砥は須藤が亡くなっている事を同級生から聞く。
彼は自転車を猛スピードで須藤のアパートに走らせると、そこには須藤の妹(中村ゆり)が部屋の片づけをしているのである。彼女は”姉から親戚以外には告げるなと言われて・・。青砥さんにはと思ったのですが・・。すいません。”と詫びるのである。
このシーン以降での堺雅人さんの泣き笑いの表情の変化の様は凄い。
青砥は同僚(柳俊太郎)の主任祝いの席で席を立ち、須藤といつも座っていたカウンター席に一人移る。
そこにラジオから流れて来た”メイン・テーマ”。
”笑っちゃう、涙の止め方も知らない。”と言う歌詞が流れる中、彼は初めて大粒の涙をカウンターに落とし、号泣するのである。
その姿を見た塩見三省さん演じる主人は、その声が回りに聞こえないようにボリュームをそっと上げるのである。
『このシーンで涙を流さない人はいるのだろうか』と思う程の、堺雅人さん演じる青砥が涙する姿は心に響くのである。
<今作は酸いも甘いも経験した50歳を超えた中年男女の大人の恋愛映画であり、名優堺雅人さんの泣き笑いの演技及び出演ベテラン俳優が全て良き逸品なのである。>
エンドロールまで見て欲しい
ラストシーンからエンドロールにかかる星野源さんの曲がとても儚くこの作品を締めくくってくれます。
切なく儚い歌詞、メロディ。彼女からのメッセージに聞こえて泣けてきます。ここまで楽曲が映画の一部と感じる作品はそうないと思います。
しかし何故1年間も‥お互い会いたかっただろうに。
考えるだけで切なくなります。
合わせる顔はあったんだよYou 【did】 have a face to show him
本当に好きな人に対しては臆病になり、
本当に好きな人のことや思いは
自分の思いとは裏腹に
尊重してしまう。
原作未読。
堺雅人さん、井川遥さんはもちろんですが
二人の中学生時代を演じた
坂元愛登さん、一色香澄さんが素晴らしかった。
ちゃんと二人の過去になっていたので
物語に違和感が全くなかった。
「お前、あのとき何考えてたの?」
「夢みたいなことだよ。夢みたいなことをね、ちょっと」
観終わった後、
「夢みたいなこと」は
あのシーンだったんだなと思うと
胸が締め付けられた。
空がとても美しく、
二人きりで、
まっすぐお互いのことを
楽しそうに語り合っている。
そして、
誰憚る(だれはばかる)ことなく
とびきりの笑顔で青春している様は
とても眩しかった。
だからこそ切なかった。
この後に、星野源さんの
「いきどまり」は
あまりに辛く美しい。
生々しく
儚く
そして、美しい。
二人が一緒に過ごしたかった青春の片鱗。
それがこの映画だった。
When it comes to someone you truly love,
you become timid,
and your feelings for them—
no matter how strong—
turn into a kind of respect that ends up overriding your own desires.
I haven’t read the original novel.
Masato Sakai and Haruka Igawa were wonderful, of course,
but Aito Sakamoto and Kasumi Isshiki,
who played their middle-school selves,
were truly outstanding.
They felt unmistakably like the past of the two,
and the story carried no dissonance at all.
“What were you thinking back then?”
“Something like a dream. Something dreamlike… just a little.”
After the film ended,
realizing that that scene was what she meant by
“something dreamlike”
tightened my chest.
The sky was breathtaking,
just the two of them,
speaking joyfully and sincerely about each other.
Their unreserved, radiant smiles—
the very picture of青春—
were dazzling.
And that is why it hurt.
And then comes Gen Hoshino’s
“Ikidomari.”
Unbearably painful,
and unbearably beautiful.
Raw,
fleeting,
and achingly beautiful—
a glimpse of the youth they wished they’d had together.
That was this film.
大人向けの等身大の「悲恋」映画です
中学生時代に同級生だった二人青砥健将と須藤葉子がひょんな事から出会って恋に落ち、悲恋で終わる大人向けのラブストーリーです。大人の青砥役が「堺雅人」、須藤役が「井川遥」が演じています。ラブストーリーの名手「土井裕泰監督」の業が今回も冴えています。
・中学生時代は青砥が須藤に一方的に思いを寄せていたが(須藤も思いはほのかにあったかもしれない?)、大人時代は両想いになります。
・堺は印刷工場に働くごく普通の工員で、井川もレジで働く店員で、どこにでもいる「等身大の普通な」大人です。互いに「青砥」「須藤」と名字で呼び合っているところに両者の親近感をよく表しています。
・デート場所は、近所の「居酒屋」が多く、たまに街中に出かけます。「居酒屋デート」はお金がかかるため、やがて井川の住むアパートに堺が出向いていくことになります。
・中学生時代の様子も、体育の時間の体操着、堺の横カバンなど、時代をよく反映しています。
・中学生時代、大人時代にともに「自転車の相乗り」の場面がとても印象に残ります。
・堺の前妻役の「吉瀬美智子」はお高く留まったキャラクターを好演、井川の妹役の「中村ゆり」は質素な妹を好演しています。
・この映画は40代後半~50代の方々にはよく刺さる恋愛映画だと思いました。
・ラストについては詳述は避けますが、悲恋で終わると述べておきます。
・この映画で得られた教訓としては「健康診断」は重要だという事でした。
全390件中、361~380件目を表示
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