平場の月のレビュー・感想・評価
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50代には共感だらけの平場の恋愛
堺雅人さん、井川遥さんお二人の自然な演技で本当に実在する人の感じがたまらなく良かったです。タイトルの平場の通りごくごく一般的な普通の50代2人の抱える人生の様々な問題の中の大人の恋愛に共感することだらけでした。なんか月9のようなファンタジー恋愛も悪くはないのですが、等身大の一般的な大人の恋愛はリアルを凄く感じて観た後の余韻がかなり残りました。決してハッピーエンドとは言えないラストでしたが、お互いを思いやる強い気持ちの上での結果だったので、悲しくて涙が出ましたが、不思議な清々しさもあり、まだこの先も人生を生きていかなければならない青砥には本当に幸せになって欲しいと強く思いました。好きな人の側にいられる、あたり前になると忘れがちだけど、それは本当に幸せなこと。
前野朋哉映画祭 前編
すんなりと受け入れられるラブストーリー
人生折り返し地点で中学時代の人と再開し、酸いも甘いも噛み分けた大人二人が、お互いに抱えてきた寂しさを紛らわせるように寄り合い、深い関係になっていく…という大人のラブストーリー。
◯人に寄り添い続けることの難しさ
幼少期から母親の愛を受け取れず、長女として気を張りながら今日まで過ごしてきたヒロインの須藤。中学時代から他人に弱みを見せることができず、愛情に飢えつつも素直に甘えることができない須藤にとても共感しました。
(もしかしたら追記するかも…)
◯親密になるまでの描写が丁寧
二人が一線を越える(コトに及ぶ)までの描写が丁寧で、納得できるような描写だった。
お互いを励ますため、互助会のような形で飲みに付き合う関係の青砥と須藤。須藤の住むアパートでの宅飲みで、須藤は中学以降の壮絶な人生(DV旦那との略奪愛と死別、美容師に貢いでいたことなど)をぽつぽつと語り、今ではすっかり孤独になっていたこと、このまま自分は孤独死するのだろう…とこぼす。この時の、寂しそうな須藤の演技が本当に上手い。
このままだと須藤は孤独の果てに本当に死んでしまいそうだと感じ取った青砥は学生時代の告白時と同じように頬を擦り合わせ、須藤に口づけする。この時の須藤の「性欲なんてこの年齢だとファンタジーだよ…」というセリフと演技が、拒絶するようでいて、どこか寂しさが抜けきれていないことを表現できていてとてもいいと感じた。
もう一度青砥が口づけすると、寂しさを抑えきれなくなった須藤が積極的に口づけをし、体を重ねる二人。
そこから深い関係になっていく青砥と須藤の、親密になるまでの過程が丁寧に描かれているため、すんなりと受け入れられる。
◯ラストシーンはもう少し感動が欲しかった
須藤がガンで亡くなったことをまだ現実として受け止められていない青砥。いつも須藤と飲みに行っていた焼き鳥屋で後輩の昇進祝いをするものの、須藤がいつも座っていた席を見つめ、須藤の口ずさんでいた曲をラジオで聴いて初めて須藤が亡くなってしまったことを認識する…というシーンで映画が終わるのだが、この時の曲調と青砥の泣きの演技に締まりがないように感じられた。日常の延長線上と考えれば納得はできるものの、もっと感動的に、情緒を揺さぶるような演出があってもよかったのではないかと感じました。
大人の恋愛
演じられている年代が自分と近いからか、共感できる部分が多々あり、悲しくもありましたが、どこか前を向いていけるようなそんな映画でした😀
綺麗事や想いだけではなかなか難しい大人の恋愛。介護、育児、病気になりやすいお年頃、自分の人生の終わりも見据えなきゃいけない。
それでも誰かそばにいてほしいし
そばにいてくれる人がいることが幸せかなと😀
まあ私が須藤なら、最期は同じく会わないかな。
青砥なら立ち直れないかも笑笑
堺雅人さん、井川遥さん、中学時代を演じた若手俳優、みんな良い演技をしてました😎
普通の、日常的な場所での恋愛
という意味で、作者はこの「平場の月」という題名を付けたそうです。
よくある地方都市(と思ったら、朝霞)の、普通の病院、普通のアパート、普通の居酒屋……特別な場所は出て来ず、まさに日常的な場所ばかり。
堺雅人と井川遥も普通っぽく、物語もわりと普通に進みますが、最後の方で「あぁ、そういう意味だったのね」と気付きます。
注意して聴いていると、懐かしい曲がいくつもも流れており、星野源の主題歌も映画の雰囲気に合っていると感じました。
目を離せない、大音量の映画ではなく、まったりと映画鑑賞したい時には良いかも。
堺雅人の頼りなさと、前髪が印象的。
ユニクロ、ニトリ……企業やメーカー名のセリフ、ちょっとしつこいと感じた。
感動するとか派手さもないけれど、悪くはなかったです。
月の満ち欠け
中学生時代に2人で河原で見た満月
再び出会ったふたりが別々に見ていた半月
青砥が須藤にプレゼントした三日月形のネックレス
二人の一緒に過ごせる時間がなくなっていくことのメタファーなのか分からないけどなにかそこに切なさを感じた。
月は欠けてしまい死がふたりを別ち人生を一緒に過ごすことはなかったけれど、また月が満ちていくように違うかたちでふたりがどこかで結ばれてほしいなと願うばかりです。
主役のお二方の演技はリアルな演技はもちろんのこと、居酒屋「酔いしょ」の大将役の塩見さんの演技が最高でした。
普段は一緒に見に行くと寝てしまう妻も寝不足だったのに最後まで観たようで、いい映画だったのだなと改めて思いました。
エンドロールで流れる星野源さんの「いきどまり」も無論最高でした。
大人の恋?の話だけれど
中学校の頃の同級生が大人になってから再会し、恋に落ちる?お話。
堺雅人さんと井川遥さん、お二人とも好きなので観てみました。
何気ない日常の中で少しずつ心が通っていく二人。
特に井川さんの抑えた演技がとても印象的で、素敵だな~と観ていたわけですが…。
原作がそうなのかもしれませんが、あのラストはないでしょう。
恋人、というか自分の好きな人が癌で療養中。
いくら6ヵ月検診で大丈夫だったと本人がVサインをしたとて、その日に別れを切り出されて2度と会わないと言われたら普通もしかして重病なのでは、自分に迷惑をかけたくない、あるいは弱っている姿を見せたくないと思っているのではと想像できませんでしょうか。
1年後の約束をしたとはいえ、それまで何の手段もとらずに癌の療養をしている彼女を放っておくのでしょうか。
挙句の果てに彼女が亡くなったことを人から聞いて、文字通り鳩が豆鉄砲を食ったような顔をして現実とは思えず酒場で泣き崩れる。
いや~、これはないです。
あらかじめ彼女本人から最期の様子を見せたくないからと言われていたならいざ知らず。
Lineが既読にならないのならなおさらです。
ああいうラストの方が綺麗で感動的になるのかもしれませんが、そこが残念で☆三つ、でした。
良い意味で
身に積まされました。自分より少し若い年代ですが、自分や家族のことで色々ある世代ですね。その上での再会。お互いに忘れていた想いが再燃することもある意味必然だったのかも。6ケ月検診の日の話の展開がああならなければ‥と悔やまれます。
切なすぎる
元々見る気はなかったんだけど星野源のMVを見てレイトショーに駆け込みで鑑賞しました。大人だけど初々しい感じ、気恥しい感じがすごく可愛らしくて良かったです。中学の初恋の相手同士でお互い独身で再開っていうのがとても運命的だけど、その幸せのままとはいかずのラストっていうのがすごくすごく悲しいんだけれど納得できるラストでした。どうやって最後終わらせるんだろうと思ってたら意図しないタイミングで、まさかの伝わり方で、まさかの報告。もう悲しすぎて。
6ヶ月検診で明らかに様子がおかしいんだから青砥気づいてよー🥲
一緒に旅行に行けたハッピーエンドも見てみたい。中学でお互い想ってて、でもきっとそれを須藤的には叶わせる訳には行かなくて、そんな須藤の考えがもどかしくて早く自分を許して欲しいと思いました。
曲中薬師丸ひろ子のメイン・テーマがマッチしすぎて最後の居酒屋はほんとに号泣でした。主題歌の星野源のいきどまりもこの2人に合いすぎてエンドロールも涙が止まらなかったです。
50代の純愛。こんなに素敵な映画だとは思わなかったです。
ほんとに心が満たされました。
私は妹推しです
評価も高いし良い映画なんだろうけど、中学時代の告白経験無し、両親は元気、私は健康体で既婚&絶賛育児中の自分とは重なる情景がほとんどなかったからか、個人的にあまり感情移入ができなかった。須藤は陰な雰囲気が良い女なんだけど、対して陽の雰囲気の妹はもっと可愛くて、後半はいつ姉の部屋で青砥と妹がくっ付いちゃうのかと変な妄想に支配されてしまった。もっと言うと、井川遥(もはや役名ではない)に「うちこない?」と言われた時点でその気配はありました。私もまだ若いのかな。ごめんなさい。丁寧につくられた良い映画なのは間違いは無いです。何よりも一番興奮したのは、普段使っている北朝霞駅がロケ地と判明した瞬間かな。
リアリティーのあるファンタジーを楽しめるが、想像だけでは補い切れないところが残念に思われる
「50歳を過ぎても『恋』ができたらいいなぁ」といった願望(妄想?)を叶えるかのような、大人のファンタジーを楽しめる。ただし、お互いに独り身だし、中学の同級生同士で、しかも告白して振られた(後に両思いだったことが分かる)仲だっただけに、あながちあり得ない話ではないとも思われて、そのリアリティーに引き込まれた。
はじめは「世間話をする会」みたいな形で2人で飲むようになり、徐々に距離を縮めていく様子には、「いい歳をした大人が」とじれったさを感じないでもないが、双方に結婚を破綻させた経験があるだけに、ここは、「同じ失敗を繰り返したくない」と躊躇する気持ちがあることを、もっと明確に描いても良かったのではないかと思われる。
やがて、彼女が進行性の癌に冒されていることが分かり、その手術の前日に、ようやく2人が結ばれるのだが、これは、病気が恋の後押しをしたのだと考えて良いのだろうか?
あるいは、彼女が、中学生の時に告白を断り、「一人で生きて行く」と決めたのは、不仲な両親を見て結婚生活に失望したからだということは想像がつくのだが、その割には、略奪婚をしてみたり、若い美容師に入れ込んだりしたのはどうしてだろうという疑問が残る。
さらには、彼女が月を眺めながら考えていたという「馬鹿みたいなこと」が、主人公との結婚生活であったということも、容易に察しがつくのだが、それなのに、どうして主人公からのプロポーズを断ったのか、その理由がよく分からなかった。
確かに、彼女は自分のことを嫌っていて、主人公が思うような人間ではないと、その理由を説明しているのだが、後に、本当の理由が、癌の再発を知ったからだということが明らかになると、益々、どうしてなのかが分からなくなってくる。
たとえ不治の病に冒されていても、それで、相手に大きな迷惑をかける訳ではないし、むしろ、残された時間を大切な人と過ごしたいと思ったり、最期は愛する人に看取られたいと願ったりするのが普通なのではないだろうか?
もしかしたら、彼女には、自分は幸せになってはならず、罰を受けなければならないといった気構えがあったり、主人公に、夫と死別した自分と同じ思いをさせたくないといった気遣いや、衰弱していく自分の姿を見せたくないといった気位があって、それこそが彼女の「太さ」だったのかもしれないが、それならそれで、もっと分かりやすく説明してもらいたかったと思えてならない。
それから、せっかく出てきたチチヤスのチー坊や、彼女が引っかかった「お前」という呼び方が、あまり伏線として機能していなかったことには、少し残念な思いを抱いてしまった。
夢みたいなこと
「夢みたいなこと」ってなんだろうと考えていた。
二人の幸せな生活だろうか、などと考えてみた。
だけど、一人で生きていくと決め、それでも結婚してしまったり男に貢いだりした己の身勝手さ、だらしない自分自身を許せない気持ちがあるのかなと。
目の前の手に入れられそうな幸せと、許せない自分の狭間で悩んでいたのかもしれない。
「青砥が一緒に居たいと思うような奴じゃない」
果たして自分は幸せになっていいのかという迷いと、一人で生きていくという決意が、ああして伝えないというカタチに落ち着いたのか。
例えば、あそこで青砥が話を遮らないで病の結末を聞いていたり、もしくは別のところで違う形で出会っていたり、そもそも病にならなかったり、、そういうもしもを考えてしまうけれども、結局はああいう形になってしまったり、そういうどうしようもなさとか、まさに「いきどまり」になってしまう二人の……なんというか。
終わり方が唐突に感じる人もいるかもしれないけど、周りの人達の幸せを祝ったりして、飲み会をしたりして、しかし自分の中には深い悲しみがあって、それでも生きていくと、最後のシーンの後も悲しみを背負って生きていくであろう青砥の人生の深みを感じられて良いと思う。その悲しみを、上手く星野源が表現してくれていて、エンディング込みで素晴らしいなと。
二人の物語は「いきどまり」で、「幕は閉じる」わけだけど、残されたものは、それでも生きていかなきゃいけない…
夢というのは、掴めない幻のようなものなのだろうか
(原作を読んだらもう少し理解が進むかもしれない…)
ああ青春よ いーつまぁーでもー!
メインテーマ。観終わった帰りの車の中で爆音で聴きました(笑)
当時野村くんの演技が凄かった(爆)
森田芳光なにやっとんねん(怒)の記憶…
薬師丸ひろ子は当時の我等の至宝でした。
切なすぎる。
男の子の純情がいつまでも続くって自身を鑑みて諾かずにはいられません。
みんなそうだとは思いますが昔からの仲間といるとあの頃のまんまなんですよね。
そこを上手く活かしつつ中学時代のエピソードも上手く織り込まれている。
井川遥。いい女だよねー。
カレンダーに◯印は付けないけど好きだった彼女の誕生日は何気に憶えている。
ラス前に落とし所簡単にわかってしまうのがちょっと悲しいかな⁉︎
居酒屋のオヤジが青砥の嗚咽を消す為?に有線のボリューム上げるのが素敵。
日常会話を照らす月の美しさ
ストーリー展開に特別な意外性はなく、日常性がある。
ゆえに身近に自分側に引き付けて見ることができるし、
同世代の友人、家族との向き合い方や
自分の体力、病気、行く末に対する感覚にはリアリティがある。
とくに井川さん役の、
他人に迷惑をかけないように、常に自律していたいと願いつつも、
現実には誰かに依存してしまっている自分を嫌悪する
という心情にはいたく共感する。
全般に会話がすごく面白い。
話が横道に逸れたり、すんなり滑らかに進まないし、
明確ではない、ときに感覚的な言葉の応酬で
なかなか意思疎通がうまくいかなかったりしてリアル。
それがまた彼らの不器用さを強調し、共感力を高めている。
ゆえに映像、音楽に派手さはないけれど、最後まで楽しくみました。
2人乗り
なぜ、主人公は最初からバックステップの着いた自転車に乗ってるんだろう?やんちゃな家系なのか?それとも自転車2人乗りの為に、最初から着いてる設定か?
と、疑問をずっと抱いていたが…
ラストにその真相がわかり、落涙。
伏線だったのか。
そりゃ、あの自転車を大切にするよ。
主人公が涙する場所、タイミングが見事だったな。
これはまるで『秒速5センチメートル』のその後のような物語なんだと感じた。あの2人がアラフィフになり、やっと再会出来たならこんな感じになったんだろうな。
秋の夜長に、胸にしみる作品だった。
日本映画らしい大人の物語
原作未読。映画として鑑賞。とても映画らしい作品でした。大作ではなく普通の人達の人生の一片を描いている感じ。特別じゃなくて何となく、人生の後半をどんな風に過ごしていくのかぼんやりと考えた時、想像していなかった偶然が起こり得る。もうこの年齢だし…とか今更…とか言わずに向き合えるのは素敵だ。中学時代の出来事と感情が適所に差し込まれる描き方が2人のストーリーに深みを与える。
個人的にドライで強めな役を演じる時の井川遥が好きだが、今回もなかなかクールで良かった。甘くないでも温かいラブストーリー。薬師丸ひろ子のメインテーマを効果的使うセンスがとてもよい。
星野源のエンディングソングで余韻をより噛みしめながら、劇場を後にした。
胸を張れよ、青砥
原作未読で鑑賞。
堺さんはめちゃ原作を読み込んで芝居するという知識と
井川さんは「見はらし世代」や「拾われた男」とかを見て、素敵に年齢を重ねているな、という個人的興味から観てみた。
最初は50代の恋愛?と思ったが、須藤(=井川遥)が大腸がんと言われ、ストマとかケモテラとかになって、大腸がんになった人の気持ちもちゃんと描いてた。
でも基本はやっぱり「すごい大人になりたい」と言っていた中学生の青砥と、少女時代周りの環境に恵まれず「1人で生きていく」と言ってそれを必死で守って生きようとしてきた須藤の、酸いも甘いも知ったあとでの再会。
冒頭部や再会したときや須藤が亡くなったことを実感したときなど、劇中何度も流れた、薬師丸ひろ子の「メインテーマ」がいい。特に最後青砥の号泣にあわせて焼き鳥屋の大将がボリュームを上げて「メインテーマ」を流し、嗚咽が他の人にに聞こえないようにするところが良かった。あの青砥の号泣は、2人の関係を知り尽くした大将がいて、中学生時代に戻っていいんだと、心を許した号泣だったと思う。
ちゃんと、須藤の頑なな心をこじ開けてたよ、青砥。
平場の月(=地上の星)に手が届いたよ、青砥。
胸を張れよ、青砥。
平場の話ということで青砥が移動などに自転車ばかり利用したり
劇中色んなところで色んな月が出ていて
テーマを強調していた。
あと全然関係ないけど、須藤の妹役を演ってた、中村ゆりさんがとても綺麗だった。
原作を早速購入した。
本当に大事にしている人だからこそ、病気のことで負担をかけさせたくな...
全388件中、341~360件目を表示
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