「「誰かと一緒にいるってことは当たり前じゃないんだよ」」平場の月 Qooさんの映画レビュー(感想・評価)
「誰かと一緒にいるってことは当たり前じゃないんだよ」
平場の月
大人のラブストーリー
なんとなくそういうものかと思い
共感できるものがあるかもしれない
そんな思いで鑑賞
主人公2人の再会から
2人の中学時代を織り交ぜながら
話は進んでいく
この作品
私の心にすごく沁みてしまった
夫と死別して地元に戻り
パートで生計を立てる須藤葉子
慎まやかで無駄のない地味な生活をしている
離婚して地元に戻り
印刷会社に再就職した青砥健将もまた
決して派手ではなく
同僚や同級生とたまに楽しく過ごす日々
2人は偶然
須藤のパート先である病院内の売店で再会
それから
日々の出来事や他愛もないお互いのことなど
会って話すようになるが
須藤の大腸がんが見つかるあたりから
これはただの大人のラブストーリーではなく
自分にとっても
等身大のストーリーで
入り込んでしまった
年を重ね出てくる体の不調も
他人事ではないし
自転車の二人乗りは
あまりに青春すぎるし
大人の恋愛というには軽すぎる
痛恨の極みの現実
ただ好きというだけでは
やり過ごせない過去
少なくとも須藤にはあった
でんでんさん扮する
青砥の同僚八十島の
「誰かと一緒にいるってことは当たり前じゃないんだよ」
この言葉
びっくりするほど突き刺さってしまった
「そんな人がいたら何回傷ついたっていいよ」
誰かと一緒にいるってことは
すごいことなんだ
まして
ずっと一人で生きていくと決めていたのだったら
今
誰かと一緒にいるってことは
とてつもなく大事なこと
最後の結末は
予想できたけれども
余りにも
呆気なく
青砥の
どこに持っていったらいいのか分からない
困惑する気持ちが伝わってくる
あとから知る
須藤の気持ち
いろいろと青砥の頭の中を巡っただろう
ずっと2人を見守っていた
居酒屋店主の前で
とうとう泪が溢れてしまった青砥に
相当なもらい泣きをしてしまった
最後まで添い遂げたかったであろう
だが悲しくも叶えることのできなかった2人
なんともやりきれない
華やかなものは何もないが
お互いを大事に思う気持ちが
ただただ切なかった
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