「ひたすら待ち続ける男+ドッグ君」平場の月 giantstepsさんの映画レビュー(感想・評価)
ひたすら待ち続ける男+ドッグ君
テレビドラマなどで、若い普通のサラリーマンやOLが、都内のだだっ広いマンションに住んでいることが多い中、身の丈に合ったアパートや家に住み、仕事に取り組む姿を含む生活の日常を丁寧に描き、自転車の二人乗りが冒険になる慎ましやかな恋愛模様が心に染みわたりました。
ただ、癌の治療中の恋人をおよそ1年間、誰からも情報を探ろうともせずにひたすら約束のその日を待ち続けている男の有り様が理解できず腑に落ちませんでした。原作からしてそのようなのですが、何かもう少しエピソードがあって納得させてほしかったです。こういう思いは、この1年位の中で「秒速5センチメートル(実写版)」の彼女をひたすら待ち続け、ご丁寧に約束の日に約束の場所に赴く主人公や海水浴場の浜辺に錆びて動けなくなった友達のはずのロボット君をおよそ9ケ月もの間放って置いたドッグ君(「ロボットドリームス」)にも感じたことで、なにか空寒い気持ちになってしまったのも事実です。それは、自分もまた何もしない男の一人であることを自覚した上で抱いた感情でした。
主役の二人をはじめ俳優陣はみんな良かったし、特に、ヒロインの同僚かつ同窓生役の安藤玉恵の演技は、娘に疎まれる程の底意地の悪さや嫉妬深さが滲み出ていてよかったですが、興収を度外視すれば、もっと華の無い地味な役者に主役二人を充てた作品も観てみたいと思いました。
giantstepsさま
以前『国宝』の追記にコメントをいただきました🙂
『平場の月』は、今は家族の事情で“映画”として鑑賞できそうもないので、まだ観ていないのですが…
『秒速5センチメートル(実写版)』と『ロボット・ドリームズ』はレビューを上げているので、このレビューに共感してしまいました🫡
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