「歳を重ねても幸せの味は変わらないものだよね」平場の月 ぱいらさんの映画レビュー(感想・評価)
歳を重ねても幸せの味は変わらないものだよね
50代の恋愛なぞ周囲に縁がない訳では無いが、大体が不倫。ほぼほぼ不倫。場合によっては奥さん公認の方もいるだろう。
この作品はそういうものを描いているのではなく、人生で色々なものを失ってきた独身同士の恋愛。即ち純愛映画。しかもちゃんと恋愛してたし青春してた。
ガチのおじさんの恋愛が題材なので言う事ははっきり言うし、50代の、言葉選びの絶妙な品の無さや、ちょっとキモいな、キツイな、みたいな部分もちゃんと描写されている。その上でヒロインのキャラクター像もきっちり描かれているおかげで、この恋愛の関係性を破綻させていない。
またこの映画の面白いところは地味な所。割と誰にでも有り得るような回想を主人公達が持ち合わせており、その縁がきっかけで…というのが関係性の発展の鍵となるのだが、パンくわえて道の角突っ走るくらいありきたりなものなのだが、これを昇華していくのが50代同士の恋愛となるとこれがかなり穏やかで、まぁこれだけ生きてるとそういう事もあるよね、って説得力を持たせてくれる。
だから素朴でありながらも、登場人物たちがちゃんと幸せそうにしてるなーというのを感じる事ができた。
登場人物の殆どが地に足つけた大人だからか、暖かい人達が多いのも好印象だった。
ファンタジー要素は皆無なものの、寒い時期に向けたストーブのような、ほんとりとした暖かさをもった作品という印象。
王道、というと語弊があるが恋愛映画としては全体的に大変丁寧で面白く仕上がっているので、落ち着いた映画が好きな方へはオススメしたい。
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