「アラフィフって難しいお年頃」平場の月 リカさんの映画レビュー(感想・評価)
アラフィフって難しいお年頃
年内の映画鑑賞は爆弾が最後の予定だったけど、星野源の歌声にいざなわれて、まったくチェックしていなかった「平場の月」を鑑賞
アラフィフの恋愛かぁ…誰かを愛することも愛されることも怖かったりするだろうなぁ
須藤が「甘えすぎた」と言った気持ち、分かる気がする
本当の本当は青砥の「だいぶ好きなんだ」って言葉を素直に正面から受け止めたかっただろうなぁ
一人で生きていく練習をしていても、どこかやっぱり愛を求めてしまうのも分かる気がする
自分を軽蔑するのもわかる気がするし、他人の話だと「たいしたことないよ大丈夫だよ」って思うのも分かる気がする
(分かる気がする…爆弾にもそんなセリフあったな)
青砥の「だいぶ好き」は本当だったと思う
だって自転車のペダルはいつもカシャカシャ軽かったし、飲み屋に到着した時の背中もいそいそとルンルンしてた、年甲斐もなく…振り返るとこのシーンが一番グッとくる
須藤にとっての平場は青砥…ちょうどいい
お金を払っていいものを飲み食いするより、アパートでマグカップに酒を入れて飲む方がちょうどいい
アパートの片隅でハーブを育てるのがちょうどいい
たまにの夜の互助会もちょうどいい
だって、月は青砥だから…決して明るくないあかりだけど、自分の存在、居場所くらいは確かなものとして照らしてくれるから
手元足元だけは見えるあかり
それをたどっていけば夢みたいなことが起きるかもしれないというかすかな希望のようなあかり
けど学生時代にふたりで見た月は満月だったけど、終盤は三日月とも言い難い細い三日月で、命と二人の関係が終わることを示しているようで切なかった
花鳥風月じゃないけど、月を愛したことで花も愛してみようかなって演出がお洒落すぎて好き(勝手な解釈です)
そして青砥が嗚咽もらして泣くシーンで終わる…完璧だ
景色もニトリもポロシャツも平場
恋愛を茶化す人も普通によくいる
心配する風で実はゲスなヤツ…これも普通にいる
まさに私たちは平場に生きている
正直なところ堺雅人と井川遥には興味がなかったので、ラブシーンは「そんな長くなくていいよ」って思ったけど、生と死を意識して互いを求めた生々しい描写は大事な場面だったと思う
忘れちゃ〜いけないのは、星野源と薬師丸ひろ子の歌ね、浸透力ったらもうね…
あと二人乗りのときに足を乗せるステップ!!
懐かしい〜!!昔あったね!!あったあった!!
令和になった今でもあるの?と調べてみたら、普通に今でもあるのね笑
でも最近見かけないですね、時代かな…
共感ありがとうございます!
自分は気付かなかったですが、月の大きさで青砥と須藤の関係性の深さを示していたという考察はさすがです。ラストで中学生の二人が楽しそうに笑いながら自転車に二人乗りしていたシーンでは、確かに大きくて明るくてまん丸の満月が川面に映ってましたね。
映画チケットがいつでも1,500円!
詳細は遷移先をご確認ください。

