「恋愛映画、だけじゃない」平場の月 やあやあさんの映画レビュー(感想・評価)
恋愛映画、だけじゃない
分類上は恋愛映画になるんだと思う。
それは正しいんだけど、私の中ではそれだけではない思いがあります。
登場人物と世代が近いからだと思う。原作を読んでいたのもあるかもしれない。
もし私が若かったら
「なんて切ないラブストーリー!」と感涙したと思います。
または「まーた病気で死んじゃって泣かせる系ね」と突き放したか。
今は病気も死も、若い頃よりは現実的になりつつありでも高齢者よりはまだ想像の範疇。
そんな近すぎず遠すぎずの立ち位置から「もし私に同じことが起こったら、差し出された手を振りほどいて一人で立ち向かえるだろうか」とか考えてしまった。
井川遥さんが良かった。きれいなんだけど人生の雨風を被ってきたアラフィフらしかった。
私の中で須藤は「太くて孤高の猫」のイメージで(猫は死期を悟ると飼い主の前からいなくなる、の言い伝えの影響)そうそうきっと須藤ってこんな感じ、と思いながら見ていました。井川さんってもともと私の中では猫っぽくて、月夜を眺めているのが似合ってた。
対して、堺雅人のラブシーンはあまり見たくなかったかな。どうも日曜劇場のイメージにひっぱられてしまい「おいおい半沢、何やってんだよ」と心の中でツッコんでしまった。
でも、原作を読んだ時は平面に感じていた物語がすごく立体感をもって描かれていて、ジワッと染み入る映画でした。結果的には悲恋なんだけど、人生も後半になった人の心を月明りでポッとを照らすような、映画っていいなぁ~と思った。
原作は最初から最後まで青砥目線で書かれているのだけど、映画を観ることで伝わった須藤側の心情もありました。
そして今は、薬師丸ひろ子の「メインテーマ」が頭をぐるぐるしながらこのレビューを書いています。この映画に合ってたなあ。どうせなら「50年も生きてきたのにね~」と2人で歌ってほしかった。
しかし、須藤は青砥をあんな断ち切り方をしたら、もしかして青砥は一生須藤の影に囚われたままになってしまうかもね・・・。
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