「好きだから一緒にとは限らない!甘えられない自分を押し通す寂しさを感じた。」平場の月 The silk skyさんの映画レビュー(感想・評価)
好きだから一緒にとは限らない!甘えられない自分を押し通す寂しさを感じた。
夜空の月や星を眺めながら物事を考えるなんて~
人生幾度在ることだろうか。
今日は そんな人生の終焉を悟る時、
誰と迎えたいのか、
そして 何を優先しどう生きたいのか。
「平場の月」の鑑賞です。
率直に言って、若い人向けの恋愛映画ではありません。
よって、そこには憧れも華やかさもありません。
真っ直ぐな想いと純粋な生き方だけが ただ在るのだと感じました。
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・青砥健将 (役:堺雅人さん): 50歳、地元の印刷会社で働く。母親の介護をしながら一人暮らしをしている。
・須藤葉子(役:井川遥さん): 青砥の中学時代の同級生(初恋)。病院の売店で働き、夫を亡くした後、一人で生きてきた。
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病院の精密検査を受けに行ったときに 偶然昔の思い出の彼女に出逢う青砥。
50代に成ってから 彼女との交際が始まるのだが
彼女もまた悩みを抱えた人生を送ってきた人だった。
そして彼女には癌が見つかる。お互いを支え合って生きて行く中で彼は彼女へこの先を一緒に生きようと告白するのだが・・・
彼女は 全てを断ち切って行く選択をしてしまう。どうしてそうするのか。
最後に迎える二人の心を 夜空に欠けた月だけが知っていたのだった。
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(感じた事)
・まぁまぁ50代過ぎの生活感などはリアルな描写であったと思います。
価値観なども上手く合わせてあって その辺り演出的には違和感は強いては感じませんでした。ただ、目立たない大腸ガンを表に出してきたのですが 女性なら乳ガンの方が共感得たかなとは思います。
あと、やっぱり幾度の抗がん剤治療で髪の毛は抜けるかと。転移後2度目治療ははそんな描写でしたが、最初の段階でも 綺麗な長い髪は抜けるだろうと思います。
・男性から視点で、昔告白した彼女が晩年 こんな感じで再会出来たら良いな~っていう 都合の良い表現に成ってると思います。
女性側を綺麗に見せようとしていて、最終 死の病気別れにも成るし。
ちょっと狙い過ぎかなと感じました。
よって 終盤展開は共感しませんが、違和感なくすべて読めてました。
・幾つに成っても男は常に馬鹿者で、装飾品的な物をあげようとしたり、何処かへ一緒に旅行に行こうと誘ったり。彼女の大病を気遣うなら 無理強いは出来ないだろうと思いますね。
彼の本気度が伝わった時、彼女は迷惑を掛けられない決心をしてしまうのです。
1年も全く気づかない青砥は大馬鹿者そのもの。
普通はこの状況なら相手の病の具合を悟りますね。
気付かないのは それだけ完全な相思相愛では無かった事が伺えます。
・表現が面白かったのは、母の葬儀場で 元妻(役:吉瀬さん)へ須藤がハンカチをワザと渡して、一瞬視線がバチバチする所ですね。
この女が次の人か~ な想いと、この人が捨てた前の女か~ な想いの所ですね。
ここは一番 面白かったです。
・須藤が亡くなった事を告げられた 青砥の表情がダサい。
もっと上手くなくて良いから、 心の奥底に残念でならない想いが届く様な表情にして欲しかった。演出が感動に至って無いのが惜しいと思います。
・青砥の中学生を演じた坂元 愛登さん、イイ感じでした。
そして須藤の妹役の中村ゆりさんですね。次回作も応援です!
中年代の恋の話ですが、人は幾つに成ってもドキドキはしたいもの。
人生後悔しない最良な想いに成るのなら、それならそれで良いかと思います。
ご興味ある方は
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