「大人の恋愛にどうしてこんなにも心が揺さぶられるのか。」平場の月 苦笑する大学生さんの映画レビュー(感想・評価)
大人の恋愛にどうしてこんなにも心が揺さぶられるのか。
予告編を見た時から、「お前、あの時何考えてた?」「夢みたいな事だよ。夢みたいな事を。ちょっとね。」というやり取りと、星野源の主題歌「いきどまり」に妙に惹かれたので映画館に足を運んだ。結論から述べると、とても良い映画だった。
中学の同級生である、青砥と須藤が病院で再会し、「励まし会」という名目で定期的にふたりで飲むようになっていき、地元に戻ってくるまでのお互いの人生を打ち明けていく。
時々、中学時代の二人のシーンが挿し込まれ、徐々にどういった関係性だったのか明らかになっていく構成であった。50代という年齢は、離婚や子供の結婚、人生の大きな節目のようなイベントを終え、どこか疲れと安堵が見える年代なのかもしれない。そんな二人が心を通わし、距離が近くなっていく様に目が離せなかった。須藤は「芯がふとい」と中学生時代からの印象は大人になっても変わらず、手術の決断もスパスパ決めてしまう。死ぬかもしれないことを青砥に打ち明けなかったのも、最後までふとく生きたんだなと。また一度離婚を経験して、アルコール中毒になってしまった青砥を気遣ったからなのかも知れない。風のうわさで須藤の死を知り、須藤の妹と喋る時の、青砥は驚きが強く、挙動の落ち着きになさが目立ち涙は流さなかったが、会社の飲み会で、須藤と励まし会をしていた居酒屋で、いつもいるマスターの前で、須藤と聞いた薬師丸ひろ子の「メインテーマ」が流れ、今は横にいない須藤を思ったのか、泣き出してしまうシーンは本当に切なかった。その人がいた場所や、その人と一緒にやったことで、その人の死を実感する。
二人乗りのシーンがなにより良かったですね。最初は「あまりにも青春すぎる」と断った須藤が乗る意味。ラストシーンは中学生時代の彼らが。星野源さん主題歌の「いきどまり」、役者陣の素晴らしい演技、全てが素晴らしかったです。
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