「忘れられぬ呪いを今君にあげる。嘘。」平場の月 Moiさんの映画レビュー(感想・評価)
忘れられぬ呪いを今君にあげる。嘘。
感想
複雑で崩壊している家庭環境の中で育ち思春期を迎えそれでも必死で平静を取り繕い生きている須藤葉子。そんな須藤の事を中学時代から陰日向より見つめ続け好意を感じていた青砥健将。自己肯定感が低いまま成長し家族の考え方も受け入れられず、自身が選択し経験した人生さえも否定してしまう悲しく歪な心根を持って生きてきた須藤。30数年の年月が過ぎ去った後、壮年期に青砥と偶然の再会を経て次第に付き合いを深めていく2人。人に心開く事の出来ない今の須藤を優しく見守る青砥の深い思いやりと、青砥の昔からの気持ちを受け入れながらも病という重荷をも受け留めていく須藤のその当事者にしかわからない心の葛藤と、人生の奥深さを感じる行動が、その事に関わっていく人々の人生の人間心理に影響を及ぼし、痛恨とも言える不治の病であるのにもかかわらず更に他の人生をも一段と昇華する事となり忘れられない思い出となっていく物語の展開に涙し感動する。
監督:土井裕泰 脚本:向井康介
原作:朝倉かすみ
脚本は映画用に程よい改変があり平均以上の出来映えで素晴らしい。演出は安定の纏め方で安心して観る事が出来る。
配役
青砥健将:堺雅人
須藤葉子:井川遥
他 でんでん 中村ゆり 安藤玉恵 成田凌
塩見三省
星野源氏の挿入歌「いきどまり」がとても素晴らしい楽曲で心に染みすぎて泣けた。本作と共に忘れられない。この曲を聴くと私自身病を受ける者だかこの病をきっかけに関係者を巻き込みながら不思議な事に人生の喜びという昇華とも言える経験することも出来た。病は死を伴う悲しいものだが、その死の影響は人の人生感を変える事もある。心にのこるのだと信じたくなる。
⭐️4.5
共感ありがとうございます!
この作品は本当に自分の生活と重なっている部分が多くて、久しぶりにポロポロ泣いてしまいました。「いきどまり」は星野源がこの作品を観ながら作ったんじゃないかと思えるぐらいピッタリとはまった名曲ですね。
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