「夢みたいなこと」平場の月 エムぷとさんの映画レビュー(感想・評価)
夢みたいなこと
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「夢みたいなこと」ってなんだろうと考えていた。
二人の幸せな生活だろうか、などと考えてみた。
だけど、一人で生きていくと決め、それでも結婚してしまったり男に貢いだりした己の身勝手さ、だらしない自分自身を許せない気持ちがあるのかなと。
目の前の手に入れられそうな幸せと、許せない自分の狭間で悩んでいたのかもしれない。
「青砥が一緒に居たいと思うような奴じゃない」
果たして自分は幸せになっていいのかという迷いと、一人で生きていくという決意が、ああして伝えないというカタチに落ち着いたのか。
例えば、あそこで青砥が話を遮らないで病の結末を聞いていたり、もしくは別のところで違う形で出会っていたり、そもそも病にならなかったり、、そういうもしもを考えてしまうけれども、結局はああいう形になってしまったり、そういうどうしようもなさとか、まさに「いきどまり」になってしまう二人の……なんというか。
終わり方が唐突に感じる人もいるかもしれないけど、周りの人達の幸せを祝ったりして、飲み会をしたりして、しかし自分の中には深い悲しみがあって、それでも生きていくと、最後のシーンの後も悲しみを背負って生きていくであろう青砥の人生の深みを感じられて良いと思う。その悲しみを、上手く星野源が表現してくれていて、エンディング込みで素晴らしいなと。
二人の物語は「いきどまり」で、「幕は閉じる」わけだけど、残されたものは、それでも生きていかなきゃいけない…
夢というのは、掴めない幻のようなものなのだろうか
(原作を読んだらもう少し理解が進むかもしれない…)
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