劇場公開日 2003年3月21日

「【大人と”子供”のリアルな”鬼ごっこ”。憑依型の若き天才詐欺師と彼を追うFBI捜査官の物語。】」キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0【大人と”子供”のリアルな”鬼ごっこ”。憑依型の若き天才詐欺師と彼を追うFBI捜査官の物語。】

2020年6月28日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD、VOD

楽しい

知的

幸せ

■今作の魅力
 1.オープニング・シークエンスのセンス

 2.短調基調で奏でられる、一度聴いたら忘れられないメインテーマ

 3.ー 実話に”Inspirare"された物語 ー の絶妙な”Inspirare”の匙加減

 4.フランク・W・アバグネイル(レオナルド・ディカプリオ)の父を演じた、クリストファー・ウォーケンの演技をじっくり堪能できる
 ーフランクの詐欺師の天性は、父から引き継がれたものであることが良く分かる。”これは、貴女が落としたネックレス・・”-

 5.一番最初のフランクとカールが対峙するシーン
  -フランクの咄嗟の頭の回転の速さが分かり、カールがまんまとひっかった悔しさを露わにするシーン。”トムとジェリー”を観ているようである。-

 6.”クリスマス・イヴ”の描き方
  1)当初数年
   フランクからカール(トム・ハンクス)にかかって来る電話。
   ”フランク、話し相手がいないんだろ・・”
  2)逮捕前
   ・フランクのフランスの隠し印刷工場でのカールとの遣り取り。
   ・飛行機から脱出したフランクは危険な事は承知で、再婚した母親の家に足を運び・・。

  7.フランクの”憑依型性格”が露わになるシーンの数々
   ・街で、パイロットが”憧れ”の視線を浴びているのを観れば、パイロットに・・
   ・医者、検事は”憧れの職業”であることで、ニセ医者、検事にやすやすと・・。フランクに憧れてしまうナース、ブレンダ(エイミー・アダムス:ビッグな女優になったなあ・・)が可哀そうではあるが・・。
 そして、彼が司法試験に合格した理由は明かされない・・
    ーここが、ラストに効いてくる。実に上手い脚本である。-

 ■”鬼ごっこ”をするフランクとカールが、徐々にお互いの距離を縮め、奇妙な信頼関係を構築していく様も面白い。

<フランク・W・アバグネイル本人自らが”監修した”面白き、実話に”Inspirare"された物語。
 見事な作品である。
 エンドロールで流れる、”カールとフランクは今でも仲の良い友人である”というクレジットも良い。>

NOBU