「設定と脚本どちらもそれなりによかった」フライト・リスク kenshuchuさんの映画レビュー(感想・評価)
設定と脚本どちらもそれなりによかった
メル・ギブソン監督の肩書よりも、予告編でマーク・ウォールバーグの演技に見て鑑賞することを決めた本作。パイロットが実は偽物だったという設定だけで、セスナ機の中がシチュエーションスリラーの舞台となる面白さ。
上空で取り残される飛行機もののスリラーもあったが、本作はどちらかというと心理戦に重きを置いた内容。偽物だったパイロットと保安官補の駆け引きだけでなく、移送される証人のことをどこまで信用できるのか、また内通者は誰かといった要素も絡めて展開していく脚本はなかなか緊張感がある。若干無理があったとしても押し切れる勢いがあって、細かい設定はどうでもいいという割り切りを感じた。
そしてやはり予告編で感じた通り、マーク・ウォールバーグのイカれた演技が最高だった。移送される証人役トファー・グレイスとの無駄口対決もなかなか見どころがあったし、死をも恐れず相手を揺さぶろうとする姿が魅力たっぷりだった。ものすごく高い評価にはできないが、十分満足できる映画だった。
CGの予算があれば、設定と脚本次第でこんな映画はいくらでも作れる。この手のシチュエーションスリラーは定期的に作られるが、客をどれだけ引き寄せるのかは設定次第、どれだけ満足させられるかは脚本次第と思っている。本作はどちらもそれなりによかった。B級と割り切れれば損はしないはずだ。
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