「いや、これが!」フライト・リスク AMacleanさんの映画レビュー(感想・評価)
いや、これが!
「めるる見てくる」と言い残して会社を出た。私的には当然メル・ギブソンだが、周囲がどう捉えているのかは、知ったことではない。
さて本作。結論として非常に面白い。
狭いセスナの機内で、ほぼワンシチュエーションで繰り広げられる心理戦+肉弾戦。登場人物はほぼ3人。加えて通信の向こうの数名。それだけで90分間、ドキドキ、ハラハラの連続だ。狭い機内では、拳銃の撃ち合いはなく、武器はせいぜいナイフくらいの接近戦となる。接近戦といえば、頭に浮かんでくるの「リーサル・ウェポン」というメル・ギブソンの代表作だ。もちろん、観ている自分はそれを期待しているのだが、期待に違わずリアルな接近戦をみせてくれる。
ちょっと古いがワンシチュエーションの典型「フォーンブース」を、思い出した。あちらは電話ボックスだったが、こちらはセスナ機の狭い機内で、お互いを信用できない3人が搭乗。アラスカの雪山上空を飛ぶ、短距離フライトの中で、心理戦あり、肉弾戦あり、裏切り者あり、これでもかというほど、ネタを詰め込んでいて、あっという間の90分だった。
これでもかという危機が次々と襲う作りは、少し古い感じがしているが、そこが味となっているように思えた。1970年代のパニック映画を、小さなセスナの中に詰め込んだような、最高のエンタメ作品だ。
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