「サイゼリヤ」フライト・リスク 安田大作さんの映画レビュー(感想・評価)
サイゼリヤ
古今東西「設定」が面白い映画というのは
出オチとの戦いであると思っていて
話が進むにつれ、宣伝を見てこちらが期待したものから減点方式で評価されるのはこの手の映画の宿命であると思う
つまり100点以上は出ないようになっていてこの映画も例外ではない
わりと些細な演出ミスや間延びが入るだけでゴリゴリ点数は削られていき、大概の作品は結局見終わって見れば50点位、予算や規模感、新人監督の力量不足でそれ以下になるのもザラだと思う
本作においてはあらゆるアプローチが的確で設定が持つ面白さを最大化出来ていると思った
展開の順序、真相の出し方、時間、登場人物の演技テンション、視線、舞台の大きさ、レイアウト、3人の立ち位置、環境音、被写界深度等々
全てが面白さに直結していて見事だったし、それらが分散的に存在しているのではなくそれぞれが横断的に絡み合いながらある着実にある一点に向かっていく強固なツル植物のようであった
明らかに低予算映画ではあるのだがそれが逆にサスペンスを助長していたとも思うし、そのおかげでスペクタクルシーンにはちゃんと必要なお金を潤沢にかけれたのではないかなと思う
というか思い出してほしいのが、安っぽさを感じるものがそのまま不安感に繋がるようになっているとも思ってて、飛行機の大きさも内装の簡素さもドラマとの兼ね合いを考えてめちゃくちゃ計算されてると思う
暴力演出もどれも痛そうで苦しそうで流石メルギブ
まとめると絶対に100点以上が出ない作りの映画で史上初の100点が出たということでした
見終わったら飛ぶ前から最初から撃ち殺せやとも思わなくもないけど
見てる最中は観客は真相知らない訳なので不問とす