フライト・リスクのレビュー・感想・評価
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B級シチュエーションスリラーと割り切って楽しむのが吉
メル・ギブソン監督作だから、マーク・ウォールバーグが出演しているから、と期待値を上げすぎないほうがいい。本編の9割方がアラスカ上空を飛ぶ小型輸送機(セスナ208Bグランドキャラバン)の機内で進行する、ちょっと変わったワンシチュエーションスリラー、しかも予算もそれほどかかっていないB級娯楽作と割り切って観るなら、相応に楽しめるだろう。
パイロットのダリル役でウォールバーグが1番にクレジットされているが、実質的な主人公は女性保安官補ハリス。演じたミシェル・ドッカリー、移送される重要参考人役のトファー・グレイスをあわせた3人のアンサンブル演技も悪くない。メルギブはバイオレンス演出も得意なはずだが、拘束されたダリルをハリスが何度もぶん殴るシーンは実際には当ててないのが見え見えで、やや迫力不足。それでも、コックピットでの取っ組み合いなどは機体が急降下する状況も相まって結構ハラハラさせられた(ところで、ほぼ真っ逆さまに落ちている機体の中で、気を失った人物が機内の後方に数メートル放り出される場面があるけれど、これは物理法則に反している。走行中の新幹線の車内で手に持っている物を放しても、後方に飛んでいかないのと一緒)。
機上のシークエンスは大きなスタジオの中で撮影されている。回転台の上にセスナを設置し、そのまわり270度の範囲を大型LEDパネルでぐるりと取りかこみ、そこに機内から目にするアラスカの山々や雪原といった景色の高精細映像を映し出したという。撮影のために何度もセスナを飛ばすことを考えれば大幅なコストダウンになったはずだし、キャストとクルーを揃えて飛ばしたのに悪天候で撮影できないというリスクとも無縁。ハイテクを活用する撮影技術の普及によって、B級スペクタクルのバリエーションも広がっていくなあ、なんてこともしみじみ感じた。
90分地獄のフライトは上々のエンタメ・フライト
メル・ギブソン“監督”は『ブレイブハート』でオスカーを受賞し、『ハクソー・リッジ』でもノミネート。『パッション』や『アポカリプト』も意欲作。一級作品を手掛けるイメージなので、B級設定風の本作は意外。色々あったし、お金に困っていたのかな…?
監督引き受けた理由は脚本の面白さ。確かにB級風だけど、その設定を存分に活かしている。
ある事件の重要参考人ウィンストンをアラスカからNYへフライト輸送する事になった保安官補のマドリン。
パイロットと言う男ダリルが現れ、離陸。約1時間半のフライト。
上空1万メートルに差し掛かった頃、ウィンストンが座席の下からパイロット・ライセンスを発見。顔写真と今操縦席に座っている男は別人。
この男は何者…? ウィンストンはマドリンに知らせようとするが…。
まずツッコミ所。
身分証明もしないで操縦席に座った人物を信用するんかい。
普通だったら用心の為に証人の隣の席に座る。が、うるさいからと手錠だけして一人後部席に座らせ、自分はヘッドフォンをして自称パイロットの男とお喋り。まあ、あっちが勝手に喋ってるだけだけど。知らせようとするウィンストンに気付かず、挙げ句うるさい!…と。
おいおいおい…。事が事だったら重大案件。
でも、そこを目を瞑らないと話は始まらない。マドリンがウィンストンの隣に座ってたら30分で終わる話。
マドリンは会話の内容からダリルに不信感を抱く。
あちらも察し、突然襲い来る。
殴打され、意識朦朧のマドリン。うっすらダリルとウィンストンの会話。
どうやらダリルは雇われ、ウィンストンを始末に来たようだ。
意識不明のフリをし、反撃。ダリルを気絶させ、手錠で拘束する。
一難去ってまた一難。パイロットが居ない。
管制塔と連絡が取れ、無線越しに教えて貰って操縦するマドリン。自動操縦に切り替え、何とか安定。
しかし、難は続く。ウィンストン輸送は極秘。知っているのは僅か。内通者がいる…?
目を覚ますダリル。罵詈雑言で挑発。
マドリンの過去に触れる。一度現場から外され、今回現場復帰。何があった…?
目的地近付いた頃、鋭利物を手に入れたダリルは拘束を外そうとする…。
ほとんど機内のワン・シチュエーション。90分のリアルタイム。見る側も“4人目”の乗員のような感覚。
外部とのやり取りも無線のみ。
内通者は同僚か、署長か。会話の内容から探れ。
頼もしい管制官のハッサン。ちょっとナンパな男だけど、指示もエールも的確。全て終わってから会うのをドキドキ楽しみにするマドリン。
そんなやり取り、マドリンとウィンストンの掛け合いもユーモラス。
そこでサスペンスと存在感を放つのが、悪役を堂々楽しげに演じるマーク・ウォールバーグ。
口の悪さ、しつこさは天下一品。禿げ頭もインパクト。
ミシェル・ドッカリーとトファー・グレイスも奮闘。
着陸寸前、またまた襲い掛かるダリル。ウィンストンが重傷に。
目的地が見えてきた。お約束の燃料切れ。果たして無事着陸出来るか…?
展開やテンポは早く、スリルも充分。
ダリルの死に様は天晴れ!
無事着陸。着陸後のウィンストン襲撃で内通者も判明。
お待ちかね、ハッサンはどんなナイスガイ?
尺も短く見易く、サクッとスカッと。90分地獄のフライトは上々のエンタメ・フライト。
メル・ギブソン監督作のベストでは勿論ないけど、なかなか面白かった。
これがメル・ギブソン監督?
上空1万フィートでの狐と狸の化かし合い
マフィアの会計担当者を証人として裁判に出頭させるための護送途中でパイロットに扮した殺し屋に襲われる女性捜査官。操縦できるのは殺し屋のみ、証人も信用ならないという状況下での緊迫したサバイバル劇。
身内には内通者がいて疑心暗鬼に囚われる主人公、誰も頼れるものがいない中で飛行機を操縦しなければならない。証人の男にも頼れない、殺し屋は常に攻撃の機会をうかがっている。極限状態の中で果たして生き延びることができるか。
それなりにお膳立ては揃っていてさぞかしスリリングな展開が期待できるかと思いきや、すべてが段取り通りに事が進み、さほど感情の起伏も生じさせないままで物語はラストの予定調和へと進んでいく。
逆によくここまで面白く無く作れたものだと感心させられた。これは脚本に問題があるのかもしれない。
そしてかつてそのたぐいまれな演出力で名声をはせたメルギブソン監督の演出力も皆無。監督はアラン・スミシーでよかったかも。それくらい誰が演出してもどうしようもない作品。
かつて作品の内容は別にして、その圧倒的な演出力から名監督の名をほしいままにしてきたメルギブソン。不祥事を立て続けに起こしてハリウッドから干され、復帰はしたもののかつての栄華は取り戻すことはできず。
本作も製作にまで加わってはいるが、特に真新しさもない凡庸なサスペンス。
マーク・ウォルバーグは禿げ茶瓶のメイクしてまで挑んだ役作りが果たして本作に必要だったのかはなはだ疑問。彼のキャリアに何らいいものを残したとも思えない。
ほんと小粒な作品で劇場鑑賞を見送り配信で見て正解だった。
学習能力の無いハリス保安官補
劇場公開時に映画館で鑑賞できなかったので、DVDで鑑賞。重要参考人(トフアー・グレイス)を小型セスナ機で輸送することになり、そのセスナ機内での攻防と会話をメインとした作品。B級アクション映画という感じかしら?時間も90分と短くそこそこ楽しめました。似せパイロット役のマーク・ウォールバークの怪演が面白かった。(どうして禿げの設定になっているのかしら?)
ハリス保安官補(ミシェル・ドッゲリー)は使えない人だね。何回もマーク・ウォールバークを拘束するんだけど詰めが甘いから、度々拘束を外されて争うことになってしまう。ナイフの所在の確認もしていないし…。まあこういう設定が無いと映画もつまらなくなってしまうので仕方がないんだけど…。仕事をしっかりこなす人は、詰めまでしっかり行う人だと思う。私が彼女の上司だったら使わないなあ。でもラストは、しっかり仕事をしましたね😄。
ハゲにした理由
メル・ギブソンが何故こういう(ポップコーンムービー)
映画を創りたくなったのか確認のため鑑賞。
(劇場公開の時、観に行こうとしたが躊躇する気持ちもよぎり。)
マーク・ウォールバーグがパゲッ子を晒した時点で、
ああ、この映画はコメディなんだぁ
と拍子抜けした。
(なにもパゲッ子にすることはない。
意味わからない。
マークは現在進行形でいいではないか!)
ドンデン返しに次ぐドンデン返しを期待したが、
ああ、やっぱりそうなんだ、の終わり方。
最後までメル・ギブソンに何があったのかも分からず。
(まぁ軽めの娯楽映画も撮っちゃったよ〜ってノリ、
なのかも。)
フライト物って昔はエアポートシリーズとか興奮したけど
自分のなかで傑作は
ウェス・クレイヴン監督の『パニック・フライト』だなぁ
あ、レイチェル・マクアダムスがこの作品にも居たら、
もしかしたら違ったかも、
なんて思った。
贅肉どころか筋肉まで削ぎ落としたようなソリッドな演出が痛快な密室サスペンス
タイトルなし(ネタバレ)
乗り物パニック映画、密室パニックものとして
普通に面白い。
飛行機内で3人のパワーバランスが常に変化するのが面白いが、悪役の必要以上の気持ち悪さが悪い方向に観終わったあとの後味悪さを生んでいるのと、あまりにあっさり死ぬので
それまで殺さなかった意味…は?って少し思ってしまったりだけど、メルギブの監督としての上手さでサクッと楽しめるのでいいけどな…。
マドリン役の方の品のある感じとゆうか、繊細さと勇ましさが混在した風貌に目が惹きつけられて彼女がいなければこの映画もっとヤダミが強いものになっていたかもと思う。この映画で初めて知ったけど良い俳優さんだと思った。
普通でした
メルギブソン監督ならば・・
安っぽい
設定と脚本どちらもそれなりによかった
メル・ギブソン監督の肩書よりも、予告編でマーク・ウォールバーグの演技に見て鑑賞することを決めた本作。パイロットが実は偽物だったという設定だけで、セスナ機の中がシチュエーションスリラーの舞台となる面白さ。
上空で取り残される飛行機もののスリラーもあったが、本作はどちらかというと心理戦に重きを置いた内容。偽物だったパイロットと保安官補の駆け引きだけでなく、移送される証人のことをどこまで信用できるのか、また内通者は誰かといった要素も絡めて展開していく脚本はなかなか緊張感がある。若干無理があったとしても押し切れる勢いがあって、細かい設定はどうでもいいという割り切りを感じた。
そしてやはり予告編で感じた通り、マーク・ウォールバーグのイカれた演技が最高だった。移送される証人役トファー・グレイスとの無駄口対決もなかなか見どころがあったし、死をも恐れず相手を揺さぶろうとする姿が魅力たっぷりだった。ものすごく高い評価にはできないが、十分満足できる映画だった。
CGの予算があれば、設定と脚本次第でこんな映画はいくらでも作れる。この手のシチュエーションスリラーは定期的に作られるが、客をどれだけ引き寄せるのかは設定次第、どれだけ満足させられるかは脚本次第と思っている。本作はどちらもそれなりによかった。B級と割り切れれば損はしないはずだ。
他の道も選べた
こないだ鑑賞してきました🎬
マーク・ウォールバーグ演じる偽ダリルは、なかなかのしぶとさでしたね🤔
筋肉俳優の彼ですから、一筋縄ではいかないと思ってましたが、手錠から強引に脱出するところはこっちが痛くなります😰
減らず口も憎たらしさ全開でした😳
ハリス保安官補を演じたミシェル・ドッカリーも、散々なフライトを経験することになる過去を抱えた女性をエネルギッシュに表現🙂
偽ダリルにやられそうになるシーンは、女優魂が炸裂していました👍
重要参考人ウィンストンを演じたトファー・グレイスも、困惑気味の会計士になりきってましたね。
地獄のフライトを通じて、自分を見つめ直していくような役柄でした🙂
90分程度のコンパクトな上映時間で、サスペンス混じりのフライトアクションものとして気軽に楽しめる1本です😀
小手調べ
着想はいいような気もするのだけれど、どうにも意図が分からない作品だった。
例えば、どっかの制作会社が箔をつける為にメル・ギブソンって看板を掲げてプロモーションをかけたとかなら分からなくもない。
もしくは膨れ上がる制作費へのアンチテーゼ的な位置取りとか。
あまり売りがわからないのだ。
脚本的には凡庸だとは思う。予算をぶちこんてまで映像化したい程の魅力は感じない。だから脚本が先にあったように思えず…これだけの予算の中で何なら作れるだろうかって事なのかもしれない。
とは言え、さすがは世界を相手にしている市場だけあって、外堀はしっかり埋めてある。
だから見にくいって事はないのだけれど…どうにも惹かれないのだ。
ほぼセスナ機内の話で、ともすれば会話劇としても成立しちゃうくらい台詞による進行しかない。
内通者が誰だとか、若干のフックはあるものの、食い足りないのだ。
けど、様々な制約があったと仮定するなら、現場は奮闘したのだろうし殊勲賞を贈呈したい。
コレは憶測ってか、邪推なのだけど…。
証人の俳優さんが、なんかメル・ギブソンに似てて…彼が血縁関係にあるのなら、まさかとは思うがそういう意図で作られていたのかなとも思う。
ただ…俺的には軽口しか叩かないこの役者のおかげで、没入感に乏かったと言えなくもない。
そう…1番の違和感はこの作品をやる上で、メル・ギブソンにはメリットが無いように思うのだ。
まるでハリウッド的自主映画にも思う。
数年のブランクを埋める為のリハビリとか小手調べとかならば、納得もしちゃえるかなぁー。
全93件中、1~20件目を表示













