劇場公開日 2025年6月20日

「ゾンビ映画の概念とは・・」28年後... shin-zyさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0 ゾンビ映画の概念とは・・

2025年7月14日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

斬新

先日観賞した「罪人たち」のヴアンパイア物もそうですが、今作品を観て「ゾンビ物」もまだまだあらたな視点で描ける題材なんだな、とつくづく思いました。
私個人のこれまでのゾンビ映画の印象は、おおまかに言えば、死んだ人間が生きている人間を襲ってくる中で、人々がどのようにして生き延びるか?というのをあれこれ手を変え品を変え描くものですが、近年は既に生き残った人間がコミュニティーを形成し、ゾンビの脅威にどのように立ち向かうか、と「消極的」サバイバルではなく「積極的」サバイバルとなっている印象があり、本作品もその近年の傾向に漏れない内容になっております。
これに加え、生き残った人間が「ゾンビ」要因ではない「死」の事実に直面し、それに対してどう向かい合い、対処するか、と、改めて「死」に対する熟慮を求められます。つまり、方やゾンビが溢れている世界で命がいとも簡単にどんどん消費されていく中で、人の「死」というものをもう一度じっくりと考えさせられるのです。
物語の中盤、元医師によって積み上げられた骸骨の山を目の前にして、医師が語る言葉、少年の行動になぜか胸が打たれました。「ゾンビ映画」なのに死生観を問うてくるこの作品は、数多ある派生作品とは一線を画するものでした。

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shin-zy
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