「世界観を考える」28年後... ちゃーさんの映画レビュー(感想・評価)
世界観を考える
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新たなゾンビが出てきてどう戦って生き残るか、という単純な話ではなかった。この作品を観るに、自分の価値観で観てはならないと感じた。少し具合が悪ければ体温計で熱も測れるし、薬局で様々な薬も買える。病院も科ごとにあってすぐに罹る事もできる。私たちは死から遠い場所で生きていると言えるのではないか。しかし劇中の彼らは違う。ゾンビに殺られなくても病気や怪我、飢えで死ぬことも日常茶飯事だろう。死が身近にある世界で生まれた息子からしてみれば、たとえ病気持ちの母親を連れて途中死ぬかもしれないなかでも先生という希望にすがるのは当たり前ではないか。なぜわざわざ村を出て子どもを訓練するのか、母を連れて行くのか、安楽死をすんなり受け入れたのか疑問に感じるのは世界と考え方や価値観が違うからだと思う。村に閉じこもっても食料や物資もいずれ尽きるから本土に調達に行くだろう(もののけ姫みたいに周辺は取り尽くしたのだろう)し、遠征のたびに誰か犠牲になるから進撃の巨人みたいに早く新兵を育てる必要があるのかも。病気で苦しんで死ぬ人もきっと村にはいて息子は見ていたのかもしれないから、安楽死ならと受け入れたのかもしれない。そう考えると劇中の言動もだいたい理解できるから、私はけっこう楽しめた。こういった世界で人はどうあるべきなのか。最後の集団も時計じかけのオレンジみたいな狂った感じで次回も気になります。ただ麻痺させたアルファを殺さなかったり、出産のくだりはちょっと良くわからない。
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