「圧巻のVFX技術と平和への航海🕊️」沈黙の艦隊 北極海大海戦 ななやおさんの映画レビュー(感想・評価)
圧巻のVFX技術と平和への航海🕊️
30年ほど前、兄がこの漫画を夢中で読んでいた記憶があります。少年漫画風の絵とストーリーで、当時はなかなか手を出せませんでしたが、令和の今、実写化された本作に触れられるのは非常に興味深いです。戦後80年の節目の年に、戦争や世界平和を考える作品が多く上映される中、本作もその真髄を問う意欲作だと思います。「核戦争、国際政治、真の世界平和とは何か?」という壮大なテーマに真正面から挑んでいるのは、無謀なようでもあり、同時に唯一の希望にも思えます。
原作や漫画は読んでおりませんが、過去作や映画版の流れを軽く復習するだけで、作品の世界にぐっと入り込むことができます。冒頭には前作のおさらいもあり、想像力豊かな方であれば、初めて観る方でも十分に楽しめる作品です。政治や艦隊の知識がなくても、主人公やクルーたち、そしてそれを取り巻く政治家やアメリカ軍の人々の人間ドラマとして、純粋に楽しめる作品だと思います。
主人公の海江田四郎(大沢たかお)は「戦争のない世界の実現」という壮大な夢を抱く人物です。感情を露わにせず冷徹に見える彼を、ひたすら信じて支えるクルーたちの一体感が、物語に温かさと緊張感を与えています。この一見不可能に思える夢を、真剣に信じて行動する者たちの行く末から目が離せません。
そして最新VFXによる圧巻の映像シーンの数々は、一見の価値があります。特に戦闘シーンや北極海の描写はリアルで、緊張感と美しさが同居しています。戦艦マニアではありませんが、潜水艦って本当にクジラみたいでかっこいいなぁ😎と思いました。主演大沢たかおの不動(本人曰く、今回は0歩らしいです🫣)の存在感も健在で、ダイナミックな動きこそなくても、言葉や背中、指先から伝わる繊細な空気に心を奪われました。
今作品は、政治・戦争・潜水艦・戦闘機など、少しハードなテーマを扱っていますが、根底にあるのは「いかに悩み、いかに考え、いかに行動したか?」という人間ドラマです。娯楽として楽しみつつ、静かに深く考えさせられる良作だと思います。
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